力を奪うことば

カウンセリングの主訴は、大きく2つに分けられる。
クライアント自身の問題と、クライアント以外の人に関する相談の2つ。

後者はさらに、会社や近所、友人にこんなに酷い人がいるので、どうすればその人を変えられるか、というものと、周りの人間(多くは、子ども)が心配で、というものに分けられる。

多くの場合、他者との関わりに困っている自分自身、あるいは、他者が心配で仕方がないクライアント自身の「何か」が実はメインテーマであったりするのだけれど、主訴を「誰の」問題と捉えているのか、ということは、重要な情報のひとつである。

さて、このところ多いのは、「娘(時々、息子)が心配で」という母親からの相談だ。

会ったこともない人への対応の仕方を聞かれても、私には何とも答えようがないので、「心配」の内容や妥当性を具体的に洗い出すことによって、母親自身の対人関係パターンや、母親と娘の関係性についての気づきを促す方向に話を進めることが多いのだが、話題の中心が自分になった途端「私は何の問題もありません。娘をどうにかしてください」という反応が返ってくることも珍しくない。

そういう感じ、が、娘との関係性に影を落としていることは多いのだが、カウンセリングというものは、クライアント自身の問題解決の動機がなければ進められないものなので、「自分には問題がない」と言い張るクライアントとのカウンセリング継続は無理。「それでは、お嬢さんのお話を直接お伺いしますので、お嬢さんに予約の電話を入れてもらってください」で母親との面談はおしまいになる。その後高い確率で、当の娘に話を聞くことになるのだが、そこであぶり出されてくるのが「心配」ということばによる「脅迫」だ。

「親に心配をかけてはいけない」という娘自身が内面化している、道徳的な「脅迫」がある。しかし、問題を母親に相談せざるを得なかった、問題が母親にバレている、という時点で「親に心配をかけてしまっている、ダメな子どもの私」という自己評価になっている。そんなところに、母親からの「あなたが心配」ということばが追い打ちをかけ、身動きが取れなくなってしまっている。

「あなたが心配」

多くの場合、母親は無邪気に娘にこのことばを何度も何度も投げかけている。母親に悪気はまったくない。娘に幸せになってほしいという純粋な気持ちと、いつでも力になるわよ、というメッセージをこめて、ほとんどの母親が、なんのためらいもなくこのことばを発している。

でも、それこそが、問題だったりする。


私は今現在、DV夫から逃れたところ、という、殺人事件や傷害事件に繋がる確率がいちばん高い状態にあり、実際に夫から「お前を殺してオレも死ぬ」などの脅迫の電話を受け続けているクライアントを複数抱えている。重度のうつで入退院を繰り返しているクライアントも複数抱えている。リストカットや摂食障害のクライアントも抱えてる。

まぁ、なんちゅうか、「心配」だ。

でも、私は「あなたを心配している」ということばをクライアントにかけることは、まず、ない。

なぜなら、そのことばは、クライアントの力を奪うことばだから。

まず、「心配する」「心配される」という関係性には、上下関係がある。
そして、「あなたが心配」というのは、「あなたを信用していない」というメッセージでもある。相手を無力化して「私の言うとおりにしなさい」というコントロール状態に持って行くために「あなたが心配」ということばは、大きな力を持つ。

しかし、前述したように、言っている方は何の悪気もない。「あなたが心配」ということばは、相手を勇気づけこそすれ、相手を脅迫し、萎縮させるものとして機能しているなどとは露ほどにも思っていない。まったくの「善意」である。それがわかるからこそ、心配された側は「心配かけてごめんなさい」とか「心配しなくて大丈夫だから」などと遠慮がちな拒否にとどまってしまう。自分のことを気に掛けてくれていること、そのこと自体ははうれしいし、ありがたいことだからね。

でも「心配」という「不信感」を何度も何度も投げかけられる方はたまったものではない。


「あなたを心配している」ということばの代わりに、私がクライアントに投げかけるのは「あなたを信じている」というメッセージだ。

「あなたには問題を解決する力がある」

これが、基本。
そこを信じて、待つ。


おそらく子育てにも通じるものだと思う。

「大丈夫。あなたはきっとできるから。支えてあげるからやってごらん」
「あなたを信じている」ということばは、子どものチャレンジを支える。問題に向き合う力をつける。

でも、「あなたが心配」と親に言われて育つと、どうだろう。

基本的に、子どもは親の期待に応えたいと思うものである。
「あなたが心配」と言いながら、子どもに手をかけることを生き甲斐にしていたり、心配することで、子どもの優位に立とうとしていたりすると、それは「子どもを心配したい親の気持ち」として子どもに伝わる。結果、より「心配な」子どもになってしまうのではなかろうか。

どれだけ頑張っても、自分を信じてもらえない。
これは、子どもにとって、大きな挫折であり、壁である。



「あなたが心配」ということばは、言われる側ではなく、言う側にとって、気持ちのいいことばなのである。



【edit】 [ 2008/06/27 08:47 ] こころ | TB(2) | CM(11)

レスポってどうよ?

女子のみなさんに質問〜。

レスポ使っている方いてはります?
で、使い心地はいかがですか?

36×25×13cmのショルダーバッグが、A4の書類が入って良いなあ、と思っているのだけれども、布のショルダーでこのお値段(7000円位?)は高すぎじゃありませんこと?と思ったり。。。あと、柄もたくさんあってかわいいけど、すぐ飽きそうかな・・・。

LP002184_006M.jpg


・肩から掛けられて、両手が使える。
・軽い
・A4の書類が入る
・仕事に持って行ける(あまり安っぽくない)
・間仕切りやポケットがたくさんあって使いやすい
・乱暴に扱っても、中身が出ない
・1万円以内

ってところが、私のバッグの基準なんだけど、おすすめのブランドなどありますか?
そこの、カバンフェチのあなた、よろしくご教示を!


【edit】 [ 2008/06/26 10:16 ] 雑感 | TB(0) | CM(4)

「死に神」表現に抗議文

犯罪被害者の会、朝日新聞の「死に神」表現に抗議文
6月25日19時50分配信 読売新聞

 これまで13人の死刑執行を命令した鳩山法相について、朝日新聞夕刊1面の素粒子欄が「死に神」と表現した問題で、全国犯罪被害者の会(東京)は25日、「一日も早い死刑執行を待ち望んできた被害者遺族も死に神ということになり、(報道によって)今回ほど侮辱的で、感情を逆なでされる苦痛を受けたのは初めて」とする抗議文と公開質問を朝日新聞社に送った。

 今月18日付の同欄は「永世死刑執行人 鳩山法相」「またの名、死に神」などと報じ、鳩山法相が記者会見でこの表現を批判。同社には電話やメールで千件を超す抗議があった。

 朝日新聞社広報部の話「真摯(しんし)に受け止め、(質問に)速やかに答えます」



「一日も早い死刑執行を待ち望んできた被害者遺族も死に神ということに」
なるかぁ???????????????


私はちっともそんなふうに読めなかったのだけれども?
被害者遺族が、加害者の死刑を望むのは、ある意味、当然の感情だと思うし、それを揶揄したものではないと思うけど。

自分たちの希望を叶えてくれる法務大臣を死に神扱いとはけしからん、というのであればわかるけれど、自分たちも死に神と言われた、と思ってしまうのは、過剰反応ではないのかなぁ。

全国犯罪被害者の会とは、光市裁判で有名な本村洋さんが幹事を務めていらっしゃるところ。



ちなみに、水葉がネチネチイヤミババアを自称しているのは「ネチネチイヤミババア度では、誰にも負けないわよっ!」という、自負によるものです。


【edit】 [ 2008/06/25 20:24 ] 死刑制度 | TB(2) | CM(2)

すぐ日和る気ではいたのだけれど

Softbankの独占契約じゃないらしいんよね。

「iPhone」端末、8ギガ2万3040円から
6月23日18時37分配信 読売新聞

 携帯電話大手のソフトバンクモバイルは23日、7月11日発売の米アップル製携帯電話機「iPhone(アイフォーン)・3G」の端末価格を発表した。

 新規契約で24回分割払いの場合、記憶容量8ギガ・バイト型が2万3040円、16ギガ・バイト型が3万4560円で、米国での価格(それぞれ199ドル、299ドル)とほぼ同水準。他機種から変更する場合の価格は別途発表する。

 料金プランは、ソフトバンクが現在提供している3種類のプランから自由に選べる。ただ、アイフォーン用に新設したデータ通信定額サービス「パケット定額フル」(月額5985円)と、ネット接続サービス「S!ベーシックパック」(月額315円)への加入が条件となる。

 自社携帯同士の通話とメールが午後9時〜午前1時を除いて無料になる「ホワイトプラン」(月額基本料980円)を選ぶと、月額料金の合計は7280円となる。



初期モデルは不安、ていうのと、孫クンのとこは不安、ていうのが重なって、とりあえずは様子見かなぁ、と思っている。

7万は覚悟していたので、この値段は魅力的なんだけれども。

私の携帯は、かれこれ5年選手。

P1020509.jpg

そろそろ買い換えたいのだけれど、もうしばらく頑張ってもらおう。



【edit】 [ 2008/06/23 19:26 ] 雑感 | TB(1) | CM(6)

戦闘の理由

プリキュアを初めて見た。

娘が保育園でお友達の話題について行けていないようなので、まぁ、ええか、と。

いかにもアニメな超ミニスカートに、往年の森高千里を思い出したりなんかしておりましたが、変身アイテムが、ライダーベルトの代わりにピンクのケータイというのが、21世紀の女ジェンダー。

女の子ヒーローもの戦隊ものはセーラームーンからなのかなぁ?
私が幼少期を過ごした昭和40年代は、戦闘ヒーローものといえば男の子の専売特許。マスコット的な「ももレンジャー」か、おっぱいが飛んでいく「ビジンダー」くらいしか女性はおらんかったもんで、女の子が主人公のヒーローもの、という点では、評価できるな、と思っている。

けれど、初プリキュア、おばちゃんはずっこけてしまいましたがな。

敵の怪物から「大事なもの」を奪い返すため、5人の女の子が次々にプリキュアに変身して力を合わせて闘い、めでたく取り戻すというのはいいのだ。

でも、その「大事なもの」というのが、







豆大福。







男の子の戦闘ヒーローは、世界の平和を守るため、だったり、人質を助けるため、だったりするのに、片や、プリキュアは、豆大福。

娘は目をキラキラさせて「すっごいね〜!!」と喜んで見ていたので、なにかしら女の子のハートをグサグサするものがあるのだろうけれど、かあちゃんは思う。


豆大福くらい、あげとき。


そんなんに、時間とエネルギーを費やすのは、無駄。

いや、もしかすると、闘うことそのものが楽しいのかもしれないね。
それならそれでまぁええわ、と思った、日曜の朝。


米死刑囚に刑執行

ところ変われば・・・

日本人留学生殺害:米死刑囚に刑執行 わずか7分、淡々と
毎日新聞 2008年6月19日 2時30分(最終更新 6月19日 2時30分)

 米オクラホマシティーで95年1月、京都市出身の留学生、山本憲さん(当時22歳)が殺害された事件で、刑が確定していたテリー・ショート死刑囚(47)の執行に17日、立ち会った。死刑囚はすすり泣きながら「話すことは何もない」と家族らに最後の言葉を残し、薬物注射で刑を執行された【マッカレスター(米オクラホマ州東部)小倉孝保】

 州刑務所から立ち会いを許されたのは地元記者5人と私の計6人。午後5時47分(日本時間18日午前7時47分)、執行部屋へ移動。部屋は窓ガラスとカーテンで仕切られ、向こう側は見えない。続いてショート死刑囚の家族ら5人が入室し、記者の前に座る。私のすぐ前は死刑囚の2歳違いの妹だった。

 麻薬中毒の母の下で育った兄妹は幼いころ、励まし合って生きてきたという。6時ちょうどに州矯正局関係者3人が入ると、死刑囚との間にあったカーテンがサッと開いた。

 ガラス越しにみるショート死刑囚はベッドに体を横たえ、手足は縛り付けられているようだった。青い囚人服姿の胸元まで白いシーツが掛けられ、腕には隣の部屋から引き込まれた2本のチューブが付けられている。機械で3種類の薬物が順次、注射されるよう設定されているという。

 ショート死刑囚が立会人席に顔を向け、2回、3回とうなずくと家族は身を乗り出し、2人がVサインを送った。死刑囚の顔の上に取り付けられたマイクを通じ、すすり泣くようなか細い声が立会人席のスピーカーに伝わる。「話すことは何もない」と早口で言うと、すぐに動かなくなった。薬物が体内に入ったのだろう。

 妹は隣の夫に体を預けるようにして、泣き声をかみ殺す。殺人犯であっても、彼女にとっては母の暴力から守ってくれた兄なのだ。

 医師はショート死刑囚の胸に聴診器をあて、「6時8分、死亡確認」と告げた。死刑執行にかかった時間はわずか約7分だった。

 ショート死刑囚は95年1月8日未明、オクラホマシティーのアパート1階に爆発物を投げ込み炎上させた。2階に住んでいた山本さんが全身やけどで翌日死亡、数人が負傷した。1階に住んでいた交際歴のある女性を狙った犯行だった。97年に第1級殺人罪などで死刑を宣告され、07年10月に刑が確定していた。

 執行部屋の隣の部屋からは、ショート死刑囚の投げた爆発物で大やけどを負った被害者が執行を見ていた。ロバート・ヒエスさん(52)は執行後の記者会見で「人の命を奪ったのだから死刑は当然。彼は痛みを感じずに死んだが、私は今でも(やけどの)痛みに苦しんでいる」と語った。

 ◇ことば 米国の死刑制度
 連邦最高裁は76年に死刑を合憲と判断。現在、全米50州のうち36州で死刑が規定されている。しかし、死刑廃止を求める世論の高まる中、多くの州は執行を一時停止しており、07年に死刑を執行したのは10州だけだった。

 死刑が定められている36州はいずれも薬物注射による執行を採用。うち一部の州は死刑囚が執行方法を電気椅子▽ガス室▽絞首刑▽銃殺ーーからも選べるようにしているが、ほとんどは薬物注射を選択する傾向にある。

 ネブラスカ州は唯一、電気椅子による執行だけを規定していたが、今年2月、州最高裁が「残虐な罰」を禁じた州憲法に反すると判断した。

 多くの州では被害者の家族への配慮や刑の透明性を高める目的で、死刑囚の家族に加え、被害者や遺族、ジャーナリストの立ち会いを認めている。



執行に家族や被害者、記者なども立ち会えるのね。
秘密裏のうちに行われる日本の死刑執行より、ずっと「人権と人格」を尊重しているなぁ、と感じる。

日本もそうすればいいのに。「死」という現実から目を逸らしたまま、厳罰化が進んでいるんじゃないかと感じるから、というのがひとつ。「遺族感情」を重視するなら、この目で最期を確かめたいだろうもん、というのがひとつ。

「罪と向き合い、犯行を悔い、反省して生まれ変わった人間」として死刑台に登るのか、そうではないのか、それを知ることはとても重要だと思う。

ロバート・ヒエスさん(52)は執行後の記者会見で「人の命を奪ったのだから死刑は当然。彼は痛みを感じずに死んだが、私は今でも(やけどの)痛みに苦しんでいる」と語った。



このコメントもすごいな、と思うのだけれど、その点、日本の絞首刑は、立ち会いし甲斐があると思う。
【edit】 [ 2008/06/21 12:42 ] 死刑制度 | TB(0) | CM(0)

愛のムチ条例

あちこちで「愛」についての議論が起こっていたのは、このニュースが発端なの?
ネットの動きにちっともついていけてないので、空気読めてないと思うけれど、せっかく記事を保存していたので、遅ればせながらUP。

東国原知事「愛のムチ条例できないか」…県議会で発言
6月18日20時37分配信 読売新聞

 宮崎県の東国原英夫知事は18日、学校教育の場や地域での子どもとの接し方について、「『愛のムチ条例』や、『愛げんこつ条例』ができないか。検討に値するかもしれない」と発言した。

 この日の県議会一般質問で、自民党県議が「昔は隣近所の年配の方からもよく指導され、げんこつをもらった。今は体の五感を使って学ぶ体験が少なすぎる」などと県教育長の見解をただした。

 閉会後、報道陣が最も印象に残る質問を尋ねたところ、知事はこのやり取りを挙げ、「私もそう(げんこつをもらった)でした」と述べた。さらに、「『愛のムチ条例』『愛げんこつ条例』ってのができないのかな。非常に難しいですね」と話した。



愛のムチより、虐待についての無知をなんとかせい、っていうか。

性暴力のほとんどが「愛」を言い訳に行われている。レイプもセクハラもストーカーもそうだし、DV夫は「お前を愛しているからだ」と妻を殴るのである。

体罰を含む虐待は「お前のためを思って」と、親の「懲戒権」と「愛」と「躾」の大義名分のもと、堂々と行われ、周りにも容認されてきた。

子どもにとって親は、「生存権を握られている相手」である。

子どもは親に「立派な人」であってほしい。親が「幼稚な理不尽な暴力を振るうバカ」だからとは思いたくない。「お前を愛しているからだ」という親のことばを信じたい。よもや、自分が憎いからだとか、単にイライラをぶつけられているだけだとは思いたくない。だから「自分が悪いことをしたからだ」「自分を愛してくれているからだ」と思ってしまう。

そこで生まれるのが「暴力の肯定」。暴力を愛情表現だと思ってしまう。

だから、子ども時代に「げんこつをもらった」知事が、50年だか60年だか経ってなお、暴力を愛だと擁護するのは、典型例を見るようである。


全ての暴力がそうであるように、体罰はエスカレートしがちである。
そして、体格差が大きい分だけ、思わぬ事故に繋がることも多い。
また、それが、子どもの心身に与える影響は、計り知れない。

ちゃんと話せば子どもにも伝わる。だけど、とても根気の要る作業なので「つい、手が出てしまう」。暴力で押さえ込むというのは「即効性」があるからだ。

「体罰」は、教育の「手抜き」である。

それを「愛」とは、ちゃんちゃらおかしい。

体罰から子どもが受け取るのは「気に入らなければ、弱者は叩いていい」というメッセージだけである。

【edit】 [ 2008/06/21 09:14 ]  ┗ 児童虐待 | TB(4) | CM(0)

死に神

・・・に、見えなくもない。この写真は。

trl0806201109003-n1.jpg


産経新聞、もちっと考えたれや。法相を応援すんのなら。

「死に神」ということばを使った朝日はアホだと思うけれども、

 法相は「死刑囚にだって人権も人格もある。(表現は)執行された方々に対するぼうとく、侮辱でもある」と話した。(2008年6月20日12時51分 読売新聞)


「死に神」ということばの使い方が、「執行された方々」に対するぼうとく、侮辱とは思わんなぁ。・・・うしろめたい人ほど過剰に反応する、というのの典型か。

人権も人格もある人を13人も殺したんだよね。
法務大臣就任が去年の8月27日。わずか10ヶ月で13人って、かなりの数だよね。


【edit】 [ 2008/06/20 23:04 ] 死刑制度 | TB(2) | CM(0)

セクハラの「難しさ」 その1

講師の仕事でいちばん多いのがDV。次がセクハラ。
昨年の雇用機会均等法の改定で、企業にセクハラ防止の措置義務が盛り込まれたことで、去年から少しずつ講座の依頼が増えてきている。

ただ、講師仲間で「いちばん難しい」と言われているのが、セクハラ。

DVはね、まぁ、わかりやすい。
「お隣のオクサン」を殴ると犯罪になるのと同様に、「自分の妻」を殴っても犯罪ですよ、ということなので。

でも、セクシュアルハラスメントの場合は、同じ行為をしても、相手の受け取り方によって、セクハラになったりならなかったりする。

DVが「相手が誰であれ、こういうことをしてはいけません」と明確なのに対し、セクハラはそういう明確な基準がないから、男性受講者から「何をしたらセクハラなのか教えてくれ」とわかりやすい答えを要求されたり、「モテるヤツだとオフィスラブで、オレがやるとセクハラというのは納得いかない」という不満が聞こえてきたりする。

セクハラには大まかに、2種類ある。

「対価型セクハラ」
地位や権力を利用して性的関係を強要したり、それを拒否した相手を解雇したり降格したり、あるいはそれを匂わせて相手に不利益を負わせるもの。

「環境型セクハラ」
性的な言動、あるい性別役割の強要により、働きづらい環境が作られるもの。


で、男性陣を混乱に陥れるのが、2つめの「環境型セクハラ」。

環境型セクハラは、さらに、

・視覚型・・・ポルノ雑誌を見る、からだをなめ回すように見る、等
・身体接触型・・・通りすがりにからだの一部を触る、等
・言動型・・・性的な発言や質問をする、性的なうわさを流す、等


と、3つに分類されるのだけれど、最後の「言動型」というのが難しいようなのだ。

アウトになりやすい例としては、

「きょうはセクシーだね」
「ちゃんと化粧をしてこい」

「○○ちゃん」
「おばさん」

「初体験はいつ?」
「彼氏はいるの?」
「結婚しないの?」
「子どもはまだ?」



男性へのセクハラについては別エントリーを立てるけれど、女性への「セクハラ発言」としてはこういうのが代表的。

でも、こうした「セクハラ発言」をしたからといって、それが即「環境型セクハラ」になるかというと、そうではない。

相手にもよるし、状況にもよるし、頻度にもよる。

セクハラがなぜ人権侵害なのかというと、就労(あるいは就学)の環境をおびやかされるからである。働いて食べていく(あるいは、その準備段階としての勉強)という、QOL(Quality of Life:生活の質)に関わる問題にリンクする、「離れたくても容易に離れられない」ところで起こるから、セクハラは深刻な人権侵害なのである。

(続く)
【edit】 [ 2008/06/18 10:34 ]  ┣ セクハラ | TB(1) | CM(5)

宮崎勤死刑執行

「慎重にも慎重な検討を加えた」死刑執行に鳩山法相
6月17日12時27分配信 読売新聞

 鳩山法相は17日午前11時から、法務省19階で記者会見し、「慎重にも慎重な検討を加え、数日前に私が死刑執行の命令を下した」と、緊張した表情で述べた。

 宮崎死刑囚の弁護人は、再度の精神鑑定と刑の執行停止を求める書面を法務省に提出していたが、鳩山法相は「再審が必要だという具体的な理由が主張されているわけでもなく、裁判でも完全な責任能力が認められている。慎重に調べて執行した」と説明した。

 2か月間隔の執行については「特に時期を選んでいるわけではない。正義の実現のために粛々と執行している」と強調。宮崎死刑囚らを執行した理由を問われると「妙な言い方だが、自信と責任を持って執行できるという人を選んだ」と答えた。



正義の実現、ねぇ、、、。

今日殺された3人は、自信を持って「コイツは、絶対ワルモノだから、殺してヨシ!」と思える人間だったってことかしら。


再審についての見解はこちら。

連続幼女誘拐殺人:法相「慎重に検討し数日前に執行命令」
毎日新聞 2008年6月17日 12時29分(最終更新 6月17日 21時15分)

 鳩山邦夫法相は17日午前11時から法務省で会見。宮崎死刑囚ら3人の氏名を読み上げた後「いずれも身勝手な理由による残忍な事件と思う。慎重にも慎重に検討し、数日前に執行を命令した」と述べた。

 宮崎死刑囚の執行が判決確定から2年4カ月という比較的短期間だったことや、再審請求を準備していたことに対する見解を尋ねられると、鳩山法相は「(省内で)慎重な打ち合わせをした結果であり、たまたま従来より短かったということだと思う。再審については実際の請求があったわけではない」などと説明した。



<連続幼女誘拐殺人>「再審準備中」の執行に抗議 弁護士
6月17日13時0分配信 毎日新聞

 宮崎死刑囚の弁護人を務めた田鎖麻衣子弁護士は17日、「数カ月前から再審請求の準備を進めていた。こうした事情を知りながら、死刑を執行したことに強く抗議する」とのコメントを発表した。5月末には鳩山邦夫法相に書面で刑を執行しないよう要請していたという。

 田鎖弁護士は再審請求について宮崎死刑囚から依頼を受け、今年2月ごろから準備を進めていた。宮崎死刑囚は東京拘置所で精神科の治療を受けていたといい、専門家に意見書の執筆も依頼していた。田鎖弁護士は「まさかという思いもあったが、不安が的中してしまった」と話した。



だって再審請求されてたわけじゃないんだもん、ということか。


この間の秋葉原の無差別殺人の加藤君も、こうやって簡単に「正義の実現のため」に殺されるのだろう。死刑は法務大臣が執行命令書にサインしてから5日以内に執行されるので、6月8日に起きた秋葉原事件を受け、法務大臣が「正義の鉄槌」を振り下ろしたのかもね、と思ってしまう。
(*追記* 秋葉原事件との関連は、あちこちで指摘されているようですね)

ブログの実質的再開を決意した日に、死刑執行かい、と、少し因縁のようなものを感じてしまったりもする。

前のブログを閉じた翌日、光市裁判の死刑判決が最高裁で出て、もう死刑の記事を書くことはないだろうと思ったというのに。

しかも、宮崎勤。

なぜ宮崎勤かというと、連続幼女殺害事件は、私が卒論のテーマに取り上げた事件だからだ。ショッキングで残忍な事件に、マスコミ報道は過熱した。テレビや週刊誌は盛んに宮崎勤の生育歴の問題を取り上げ、両親への容赦ないバッシングが続いた。


26歳の息子が犯した罪まで、両親の責任なのか。


素朴な疑問が、犯罪報道のあり方への問題意識に繋がっていった。

そして、今、秋葉原事件で同じことが起こっている。
25歳の、自立して生計を立てていた息子の犯した罪を、テレビで両親が謝っている。


違和感が拭えない。


ほとんど報道されていないが、宮崎勤の父親は、1審の公判中に自殺している。
宮崎勤は、責任能力のある「大人」として、死刑執行により、罪を償わされた。

宮崎勤の父親は、無駄死にだったわけだ。
宮崎勤の父親は、マスコミが殺した。

秋葉原事件で同様のことが起こらないことを、強く願う。



宮崎勤・事件概要
★J憲法&少年A★
     
【edit】 [ 2008/06/17 20:42 ] 死刑制度 | TB(3) | CM(6)

方針変更(追記あり)

ブログの運営に問題が出てきた。

芸風を変えて、なるべく揚げ足を取られないよう、慎重に丁寧にことばを選びながら、社会問題を発信していこうと思って始めたのだけれど、、、


面白くないのだ。ちっとも。


ピクチャ 1


・・・もうなんだか、優等生モードで、いやんなっちゃう。
いい子ちゃんモードは仕事の時だけで十分だ!!

なので、「私なりに、社会に発信していけることを少しずつ」なんて、大上段に構えるのはやめて、アホキャラ等身大の私に戻ることにした。


私が例の騒動で、いちばん問題だと思ったのは、「自由に物が言えなくなる雰囲気ができてしまうのではないか」ということだった。

「政治を語ることを難しくしてはいけない」

騒動の始めの頃は、そう思って焦った。でも、次第に、政治的なことのみならず、「ブログで書くこと」自体の敷居が上がってきたと感じるの。

政治的なことって、職場やサークルでなかなか語りにくい。だからこそ、政治に関する記事をブログで書くことは大事なことだと思ってきた。

ブログのいいところは、私はこう感じる、ということを誰もが簡単に書けるようになったことだと私は思っている。発信の敷居が下がった分、さまざまな「感じ方」に容易にアクセスできるようになった。ひとつのニュースに対する感じ方ひとつとっても、いろいろ意見があるのだなぁ、人それぞれなんだなぁ、と感じられる。その感覚を、他人に対する「尊重」として共有できればいいなと思ってきた。

また、それに、いろんな人と繋がれるのは、純粋に、楽しい。

・・・その私が、今回のブログ再開に、ものすごい敷居の高さを感じたのだ。

お知らせもしておらず、ホントにホントの片隅でやっている過疎ブログにも関わらず、「叩かれないこと」が最優先課題。だから、ちっとも面白くないブログになってしまい、これまであんなに楽しんでやっていた更新作業が苦痛になってきた。

たくさんの人に私の問題意識を伝えたい、共有してほしいと始めたにも関わらず、誰にも読みに来てもらえないつまんない文章ばかり書いてて、何になる?

というわけで、私が、楽しんで運営できるブログに戻すことにした。

ただ、リアルも相変わらずクソ忙しいし、私の楽しみ優先なので、わがままな運営にさせてもらいます。
コメントもTBも承認制なのはもちろん、私が不愉快になるものは全削除。

・頭ごなし
・けんか腰
・誹謗中傷

・攻撃的
・差別的
・見下し
・慇懃無礼

・罵倒
・嘲笑
・ほのめかし

・面白くない揚げ足取り
・対話の余地がないと感じられる独自解釈
・価値観の押し付け

・20行以上の長文コメント
・1行だけの書き捨てコメント
・「通りすがり」「名無し」などの個別認識の難しいHNでの書き込み



私がキライなのは、こんな感じかな。
「そのつもり」がなくても、「私が、そう感じた」ものは削除させていただきます。

やっぱね、コメントにしろTBにしろ「コミュニケーション」であるわけよね。
人間関係である以上、そこには、なんらかの「配慮」が必要だと私は思っているワケ。


私は、自分と違う意見だからといって、「不愉快」とは感じない。
不愉快と感じるかどうかは、その提示の仕方によるんだよね。

自分と意見が違う人に、こちらの意見を伝えるというのは、コミュニケーション能力を問われる、難しい作業なんだということを、私はここでの「前提」にしたい。


逆に、好感を持つのは、「ちゃんとリアルで他人と関わっている人だな」と感じられるもの。
「リアルで他人とぶつかることの怖さを、ちゃんと知っている人だな」と感じられるもの。

リアルとの「地続き感」のある文章が私は好き。
リアルで言えないことは、ネットでも言わない。リアルでやらない(できない)ことは、ネットでもしない。そういうのって大事だと思う。

ともすると過剰に感情を刺激しがちだと言われる、文字だけの関わりだからこそ、
「私は、」から始まる「対話」を大切にしたいと思っている。

これまではこういうことをあまり言ってこなかったし、削除も最小限にしてきたけれど、私自身の考えは、昔から大して変わっていない。私自身が「削除」に対して肯定的なので、よそ様での私のコメントやTBが削除されるのも、もちろんOK。なので、このエントリーは、お知らせをかねて、いろいろな方にTBさせてもらうつもりだけれども、不愉快だと思ったら、さっくり削除してくださいね☆ アク禁にされても傷つかないので、ご自由にどうぞ。ネットの世界でまで、不愉快な人間と無理してつきあう必要は全くないのだから・・・。




ブログ閉鎖から2ヶ月。

さすがにほとぼりも冷めているだろうと、あちこち覗いてみたら、未だに「水葉」は渦中の人で、心底驚いた。このまま「伝説の美女」として名前を残すのもいいなぁ、と思ったけれども、私にはまだまだ伝えたいことがあるので、やっぱ戻ってくることにしました。

お楽しみの終焉を待っていたら、いつになるかわからないしね。


というわけで、未だあれこれと頑張っていらっしゃる方には申し訳ないけれど、私はこれまで通りのキャラとスタンスで、細々と好き勝手書いていきたいと思っていますので、つかず離れずの、ゆる〜いおつきあいを、どうぞよろしくお願いいたします。



なお、当ブログはリンクフリーです。ご紹介いただける場合は、
> ずばり、「水葉からの伝言」というブログですよ。
という書き出しでお願いします。TBは不要です。


(追記)2008.7.4

テンプレートの変更に合わせて、タイトルも変更いたしました。

ピクチャ 2

第2弾のタイトル↑は、一通り笑っていただいたので、もういいかな、と。

「水」がらみで、色々考えたんですけど、いいのが思いつきませんでした。

「焼け石に水葉」とか「年寄りに冷水葉」とかはあんまりだし、「立て板に水葉」なんてのもイマイチでしょ?

大好きな方丈記にちなんで「しかももとの水葉にあらず」なんてのも考えたけど、ちょっと、ねえ。(´ω`)

というわけで、斬新なアイデア募集!

いいのが思いつくまで、当面この無難なタイトルで。笑

【edit】 [ 2008/06/17 12:00 ] おしらせ | TB(3) | CM(25)

NHK番組改変訴訟・・・市民団体側が敗訴

かねてより注目してきた、番組改編訴訟の最高裁判決が出ました。

<NHK番組改変訴訟>市民団体側の敗訴が確定…最高裁判決
6月12日15時16分配信 毎日新聞

 戦時下の性暴力に関するNHK番組の取材に協力した市民団体が、事前説明と異なる内容に番組を改変されたとして、NHKと制作会社2社に賠償を求めた訴訟で、最高裁第1小法廷(横尾和子裁判長)は12日、NHK側に200万円の支払いを命じた2審・東京高裁判決(07年1月)を破棄し、請求を退ける逆転判決を言い渡した。団体側の敗訴が確定した。

 訴えていたのは「戦争と女性への暴力」日本ネットワークで、いわゆる従軍慰安婦問題をテーマに「女性国際戦犯法廷」を00年12月に開催した。NHKは01年1月、教育テレビで放送した番組で同法廷を取り上げたが、団体側は「ありのまま伝えるとの取材申し込みだったのに、法廷での加害者証言や判決がカットされるなど、番組内容への期待・信頼を裏切られた」と主張した。

 1、2審は「放送事業者の『編集の自由』は憲法上尊重されるが、ドキュメンタリー番組では『特段の事情』がある場合、一定の制約を受ける」と指摘。取材経緯などから団体側の期待・信頼は法的に保護されるべきだとして、NHK側に賠償を命じた。

 また、2審は改変の理由について「安倍晋三前首相(当時は官房副長官)らの『公正中立の立場で報道すべきでは』との発言をNHK幹部が必要以上に重く受け止め、その意図をそんたくして当たり障りのない番組にすることを考え、指示した」と認定した。

 上告したNHK側は「主観的な『期待・信頼』で編集の自由を制限するのは誤りで、放送に萎縮(いしゅく)効果を与える」と主張していた。【北村和巳】




「主観的な『期待・信頼』で編集の自由を制限するのは誤り」であると私も思うけれども、「放送に萎縮(いしゅく)効果を与え」たのは、安倍晋三ではなかったのでしょうか?

どうにも納得しかねる判決だと感じます。

そもそも「期待権」でしか訴えられなかったという、日本の裁判のシステム自体に問題があるようにも感じます。
【edit】 [ 2008/06/12 17:25 ] 法律・裁判 | トラックバック(-) | コメント(-)

私のスタート

10年前、私は放送局でアナウンサーをしていました。

ある時、ふと、長年の疑問を先輩の男性アナウンサーに投げかけてみました。
「なぜ強姦を強姦と報道しないのですか」

最近では、強姦をいうことばを新聞記事などでは時々目にするようになってきました。しかし、未だ放送業界では「婦女暴行」と報道されています。

「婦女暴行」は「強姦」のことだと、ほとんどの人が知っているでしょう。それなのに、なぜわざわざ言い換える必要があるのか。

その先輩の答えはこうでした。
「強姦やレイプといったことばは、とても強烈だ。それを放送で流した場合、強姦の被害者は、強姦といったことばで、つらい過去を思い出してしまう。だから、被害者に配慮して言い換えをしているんだよ」





それは違う。





当時の私はまだ、社会的な問題意識もたいして持っておらず、咄嗟に言い返すことばを持ちませんでした。でも「違う、それは絶対に違う」という確信と、それをことばにできないもどかしさ、先輩のお為ごかしな言い方に対する違和感と嫌悪感が、強烈に残りました。

そこで、調べてみました。(参考

(暴行)・・・刑法28章 傷害の罪
第208条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

(強姦)・・・刑法第22章 わいせつ、姦淫及び重婚の罪
第177条 暴行又は脅迫を用いて13歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、3年以上の有期懲役に処する。13歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。



刑法では「婦女暴行罪」というものはありません。また、暴行と強姦は、全く別の位置づけであることがわかります。

また、「暴行」は、「傷害未遂」であることも知りました。他人を傷つける意思を持って暴行に及んだが、傷害に至らなかった場合に「暴行罪」が適用となります。

つまり、誰かに向かって石を投げて、当たって怪我をすれば「傷害罪」、当たらなければ「暴行罪」になるということです。

つまり「婦女暴行」ということばは、「石を投げたが当たらなかった」という罪と同程度の犯罪である、というニュアンスを持つことになります。

ちなみに、子どもへの性虐待は「強制わいせつ」という罪になります。

(強制わいせつ)・・・刑法第22章 わいせつ、姦淫及び重婚の罪
第176条 13歳以上の男女に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の男女に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。



報道では、性交渉のあるなしに関わらず「わいせつな行為」「みだらな行為」ということばが、規則性なく使われています。しかし、同様によく耳にするのが「いたずら」という言い換えです。


「強姦」を「婦女暴行」に、
「強制わいせつ」を「いたずら」に。


犯罪を矮小化する「言い換え」です。言い換えられて得をするのは、一体誰でしょうか?

被害者でしょうか。
加害者でしょうか。

「たいした罪ではない」というニュアンスを与える「言い換え」は、加害者を擁護するものです。

「強姦されたら、犬に噛まれたと思うしかない」

私自身も、このことばを母親から聞いたことがあります。
強姦を告発するのは、被害者にとって(法廷などでのセカンドレイプの)リスクが大きい。だから、被害にあった女性たちは、泣き寝入りを強いられてきました。

被害をなかったことにする、というのは、被害を受けて傷ついた自分自身もなかったことにするということです。しかし実際は「犬に噛まれた」のとは違います。忘れられるはずがありません。「たいしたことない」と言われれば言われるほど、その犯罪によって深く傷ついている自分の行き場をなくします。


犯罪は犯罪として報道するべきだ。

「こころの殺人」と言われる強姦を、メディアをあげて矮小化するような「言い換え」を、私は許すことができないと思いました。それが私のスタートです。


【edit】 [ 2008/06/11 15:57 ] 雑感 | トラックバック(-) | コメント(-)

性暴力とは

性暴力とは、どこまでの範囲を指すのでしょう。

まず思い浮かぶのが、強姦(レイプ)、性虐待ですね。

そして、DV(ドメスティック・バイオレンス/配偶者や恋人など親密な関係性の中で起こる暴力)、セクシュアル・ハラスメントもそうでしょうし、売買春(人身売買)なども、深刻な「性暴力」です。


それらの性暴力を下支えするのが「性差別」です。

わかりやすいのが、賃金格差です。日本の男女の賃金格差は、男性を100としたとき女性はわずか67。この経済的な格差(や、労働環境)が、暴力被害から抜け出せない女性たちを数多く生み出してきました。

また、男とは、女とは「こうあるべき」という、性別役割分業を含む「ジェンダー」が、男性から女性への、あるいは男性から男性へ、あるいは、セクシャルマイノリティへの暴力を容認してきたという歴史があります。

日本は国連人権理事会から女性差別の撤廃について何度も勧告を受けている人権後進国です。そうした事実をふまえ、このブログでは、「性暴力」の範囲を広く捉え、「性差別」についても暴力の一形態として積極的に言及していきます。


性暴力の最たる物は「戦争」だと私は考えています。

従軍慰安婦問題はもちろんのこと、戦争自体が「男なら」「女なら」というジェンダーに巧みに絡み取られた結果だったと考えるからです。

もっと言えば、暴力的であることは「男らしさ」の範疇とされ、容認されてきましたので、「暴力」そのものが、「性(男性性)」を孕んでいるものだと私は考えています。


あらゆる暴力に反対する。

「性」を不可避なものとして捉えながら、考えていきたいと思います。
【edit】 [ 2008/06/11 14:40 ] 性暴力 | トラックバック(-) | コメント(-)

性的マイノリティへの差別撤廃勧告

日本政府に、国連から、性的マイノリティへの差別撤廃勧告が出されました。

LGBTとは、レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーを指す言葉です。

L…Lesbian
G…Gay
B…Bisexual
T…Transgender

LGBT差別撤廃の措置勧告=国連人権理事会で日本政府に
2008/05/31 00:59

ジュネーヴの国連欧州本部で行われた国連人権理事会での人権状況の審査で日本政府は14日(現地時間)、「性的指向と性自認に基づく差別を撤廃するための措置を講じるよう」勧告された。

この審査は、今年4月に新たに始まった「普遍的定期審査(Universal Periodic Review、UPR)」と呼ばれる制度の下で行われたもので、日本は9日、人権理事会の作業部会第2期会で対象となった。

同部会にスタッフを派遣した人権NGOのひとつ「反差別国際運動(IMADR)」によると、LGBTの問題で勧告したのはカナダ政府。日本審査にあたっては2月、ゲイジャパンニュースをはじめとする国内外約20のLGBT関連団体が、日本におけるLGBTIを取り巻く人権状況に関する情報と、政府への提言を盛り込んだ文書を国連人権高等弁務官事務所に提出していた。

IMADRによると、日本政府はカナダ政府の勧告に対し、「性的指向や性自認に基づく差別は無視できない問題。(中略)社会における教育・啓発を行っており、性同一性障害の人については家庭裁判所への申請を経て、条件を満たす人は戸籍の性別変更が可能」と説明したという。

9日の審査では、LGBTに関するものの他、各国から、死刑制度、国内人権機関の設置、代用監獄と警察の取調べの可視化、「慰安婦」問題、外国人・女性・婚外子・ハンセン病患者と回復者などに対する差別や、高齢者・先住民族の権利、人身売買などについて質問や勧告が相次いだ。

作業部会では14日、9日の審査をふまえ、性的指向と性自認に基づく差別を撤廃するための措置を講じるよう求める勧告を含む報告書が採択された。

報道によると、日本政府は来月2日から始まる次回の人権理事会で、勧告を受け入れるかどうか表明する。(編集 ゲイジャパンニューススタッフ)


【edit】 [ 2008/06/11 12:24 ]  ┣ マイノリティ | トラックバック(-) | コメント(-)

自己紹介

日本人に100の質問よりお借りしてきました。

1 あなたのHNを教えてください。
結城水葉(ゆうき・みずは)

2 その由来は?
方丈記の冒頭のイメージで

3 性別、誕生日、血液型、足のサイズは?
女性、2/12、O型、23.5cm

4 わりと頑張っているほうですか?
わりと。

5 利き腕は?


6 うどん、蕎麦、ラーメン、好きな順番に並べてください。
ラーメン、うどん、そば

7 ラーメンと言えば、味噌、醤油、塩、とんこつ?
とんこつ。

8 お寿司で一番好きなネタは?
うに

9 おでんの具で一番好きなものは?
大根

10 味噌汁の具で一番好きな物は?
かぼちゃ

11 緑茶、紅茶、コーヒー、好きな順番に並べてください。
コーヒー、紅茶、緑茶

12 オニギリの具と言えば勿論?
こんぶ

13 牛肉、豚肉、鶏肉、魚、どれが一番好きですか?
豚肉

14 目玉焼きには何をかけますか?
塩胡椒

15 マヨネーズをご飯にかけて食べられますか?
食べられない

16 朝食は白飯ですか?パンですか?
どちらも。

17 カップヌードルを作る時、何分何秒待ちますか?
3分ちょうど

18 お箸は正しく持っていますか?
持っている

19 ナイフとフォークを使えますか?
使える

20 一番好きな日本食は?
寿司

21 海と山、どちらが好きですか?


22 富士山はいつ噴火しますか?
しないでほしい

23 国内旅行をするならどこですか?
北海道に行ってみたい

24 冬に行くなら、スキー(スノボー)、温泉、常夏の島?
温泉

25 住んでみたい土地はどこですか?(日本国内)
基地がなくなった沖縄

26 住みたくない土地はどこですか?(日本国内)
雪国

27 住めば都、今住んでいる所は好きですか?
まあまあ。

28 神様が琵琶湖を刳り抜いてその土地を淡路島にした、と思っていませんか?
思わない

29 「て言うか」「超」この言葉について思うこと教えてください。
普通に使うが、多用はしたくない。

30 て言うか、別にどっちでも良いんですけどね。
そうですね。

31 Excuse me,where is the bus stop?
そこ。

32 よく見るテレビ番組は?
アンパンマン

33 よく読む雑誌は?
週刊金曜日

34 好きな音楽は?
なんでも。

35 どんな格好で寝ますか?
冬はパジャマ、夏はTシャツと短パン

36 親しい友達と会った時、最初の挨拶は何ですか?
久しぶり〜♪

37 握手を照れずにすることができますか?
相手による

38 針千本飲ませたことがありますか?
あるわけない。

39 家の中で一番落ちつく場所は?
キッチン

40 親といつまでお風呂に入っていましたか?
小学校4年生

41 日本人の平均は13cmって本当ですか?
そんなに離れていないと思います。

42 鉛筆は正しく持っていますか?
持っていると思う

43 小学生の時、一番好きだった教科は?
国語

44 一番嫌いだった教科は?
家庭科

45 一番好きだった給食の献立は?
あげパン

46 放課後は何をして遊んでいましたか?
鉄棒、ドッチボール

47 どんな名物先生が居ましたか?
特にいない

48 自分でどんな子供だったと思いますか?
大人の顔色をうかがう子ども

49 もう一度小学生に戻りたいですか?
まったく思わない

50 少し息抜きをしてください。
はい

51 どうして牛は食べても良いのにクジラは駄目なのっ!?
給食のクジラ肉の竜田揚げ、うまかった。

52 どうせ白人様にコンプレックス抱いてますよーだ!!
そうなんですか。

53 失礼、取り乱してしまいました。
いえいえ。

54 一度行ってみたい時代は?(日本の)
縄文時代

55 一度会ってみたい歴史上の人物は?(日本の)
卑弥呼

56 生まれ変わることができたなら、どこの国に生まれたいですか?
スウェーデン

57 生まれ変わるなら同性ですか?、異性ですか?
どっちでもいい

58 宝くじの一等が当ったら何をしますか?
便利なところに家を建てる

59 神様は居ると思いますか?
いたらいいな。

60 迷信を信じる方ですか?
あまり。

61 あなたの知っているおまじないを教えてください。
痛いの痛いの飛んでいけ〜。

62 本気で心の底から神様に祈ったことはありますか?
ない。

63 日本の名所は?
沖縄の海

64 日本が世界に誇れる物は何ですか?
憲法九条

65 日本人の特徴は?
長いものには巻かれろ

66 ゲイシャ?ハラキリ?サムライ?ニンジャ?
が?

67 全世界で最も有名な日本人は誰だと思いますか?
イチロー

68 日本人最強の人物は?
誰だろ

69 日本人としての誇りは持っていますか?
人としての誇りは持っている。

70 これは要らないだろう、と思う日本の風習は?
家父長制

71 首都機能移転、どこに移転するのが妥当だと思いますか?
埼玉

72 次の首相になって欲しい人は??
河野洋平

73 一年間を通して一番好きな行事は?
夏祭り

74 初詣でのお賽銭の金額は?
100円

75 お正月は何をして過ごしますか?
ゴロゴロ。

76 何を見て春を感じますか?
タラの芽

77 満開の桜と散り際の桜、どちらが好きですか?
満開

78 春になると心がウキウキしますか?
する

79 何を見て夏を感じますか?
入道雲

80 夏休みは何日欲しいですか?
2ヶ月

81 健康的に焼きますか?美白ですか?
なるべく焼かないように心がけるが、うっかり焼けている

82 ひと夏の思い出、何だかエッチな響きですね。
そうですか。

83 蚊に刺された時、バッテンを作りますか?
作る

84 盆には必ずお墓参りをしますか?
そうでもない

85 何を見て秋を感じますか?
薄く棚引く雲

86 秋に一番美味しい食材は?
さんま

87 運動会か文化祭での熱い思い出はありますか?
高校の後夜祭が楽しかった

88 月に兎は居ますか?
いてもいい

89 何を見て冬を感じますか?
抜けるような青い空

90 「おー寒、小寒。」思わず言ってしますか?
言わない。「サミー、ヘイガー」と言う。

91 クリスマスプレゼントは何が良いですか?
現金

92 紅白歌合戦と年越し蕎麦は日本人の基本ですか?
まぁ、なんとなく。

93 一番好きな季節は?


94 一番嫌いな季節は?


95 婚約指輪はお給料の何ヶ月分ですか?
前回は1ヶ月、今回はなし。

96 好きなことわざは?
人間万事塞翁が馬

97 好きな四文字熟語は?
韓国焼肉

98 一字入魂、好きな漢字は?


99 あなたが自分に「日本人」を感じるのはどんな時ですか?
外国人に話しかけられたとき。

100 あ、「蛍の光」がBGMで流れてきました、ここでお別れですね。
ごきげんよう。


【edit】 [ 2008/06/11 11:36 ] 雑感 | トラックバック(-) | コメント(-)

はじめにお読みください

コメント及びTBは現在受け付けておりません。

リアルが忙しく、対応する時間とエネルギーがないこと、
ネットでの議論は有益性が低いと感じていること、
サバイバー(被害者)に対する二次被害を防ぐため、というのが、主な理由です。

感想などは、aqualeafree@gmail.comにお送りください。
送っていただいたメールには目を通させていただきますが、お返事はお約束できませんので、あらかじめご了承ください。

ブログ再開にあたり、別のHNを考えておりました。しかし、私は何を書きたいんだろう、何を伝えたいのだろう、と考えたとき、未だ十分に認知されているとは言えない性暴力被害の実情を「私の体験」を交えながら「私の目線」「私のことば」で語っていきたいと思いました。「personal is political(個人的なことは政治的なこと)」というフェミニズムの思想が、骨の髄までしみ込んでしまっているようです。なので、私がネットで文章を書いていたら「いずれバレるだろうな〜」と思ったので、そのまま「水葉」を使っていくことにしました。

リアルがたいへん忙しいので、私が発信していくだけの一方通行の運営になります。更新が滞ることも多々あると思いますが、そのあたりを尊重していただける方のみ、おつきあいいただけると幸いです。

ブログのタイトル「Anybody Anywhere」には、性暴力は「だれにでも、どこででも」起こりうるものだという意味を込めました。性暴力は、年齢、性別に関わらず、だれもが被害者になる可能性を持っていると同時に、だれもが加害者になる可能性(意識的であれ、無意識であれ)も持っています。このブログは「だれもが性暴力の当事者である」という意識の共有を目的としたいと思います。

報道されている事件以外の個別の事例については、特定の個人のケースではなく、複数のケースをミックスしたものに創作を加えたものとなります。個人情報に関する記述(暴力の背景や家族構成など)は、架空のものであることをお断りしておきます。

なお、当たり前のことですが、被害はケースバイケースで、そこから受ける心的被害の状況や回復の過程は人によって異なります。被害者の心理については、私自身が多数のケースと関わる中で見えてきた「傾向」を書いていきますので、全ての被害者に当てはまるものではないということを前提とさせていただきます。


リンクはフリーですが、個別のエピソードを転用・転載される場合は「いちカウンセラーの目線で書かれた架空のお話」であることをご理解いただいた上で、各々の責任において行ってください。

【edit】 [ 2008/06/10 16:09 ] おしらせ | トラックバック(-) | コメント(-)
today's words

search


index
QR code
QRコード
page view
access
map
moon
CURRENT MOON