医師・看護師不足が深刻な状態の大田市立病院に、軽症でも安易に救急外来へ駆け込む“コンビニ受診”をなくそうと、大田市医師会(近藤浩平会長)が全面的に協力。時間外や休日でも、開業医など各診療所ごとが独自に定めた方法で、症状の相談や診察に当たる取り組みを始めた。
大田市立病院では、時間外診察の80%が午後5時から同10時に集中。うち、80%が緊急性のない軽症だった。こうした事態をなくそうと、同医師会、市、市立病院の3者が今年6月、大田市救急体制検討部会を設けた。
今月までに4回の検討を重ね、部会長の福田医院・福田一雄院長が、医師会の対策と方針を発表した。
それによると、地域で診察を受けている身近な医師を、市民が「かかりつけ医」として認識。具体的な症状が出た場合は、先にかかりつけ医に電話で相談して指示を仰いでほしいと訴えた。その上で急患として診察したり、必要があれば市民病院へ紹介するという。
また、兵庫県丹波市の県立柏原(かいばら)病院で、危機感を持った市民の運動が意識改革を呼び、小児科のコンビニ受診が半減した例を紹介。大田市でも、市立病院の医療体制を守ろうという気概が高まることを期待した。【船津健一】
毎日新聞 2008年9月20日 地方版