雑音消せるか李炳圭
12日からの広島戦で1軍復帰濃厚

 中日の李炳圭外野手(33)が12日の広島戦(広島)からスタメン復帰することが濃厚となった。高代野手総合チーフコーチは「控えとしてここへ来たわけではない。テストをするとかのレベルの選手じゃない」と1軍復帰即スタメンを明言。チーム関係者、ファンから懐疑的な目で見られている李炳圭は雑音を自らのバットで打ち消せるか。
 李炳圭は11日のナゴヤドームの練習で久しぶりにチームメートと再会し笑顔を見せた。報道陣に対しては「一生懸命やるだけ。前はけがをしていたから力が出せなかった。今? 万全だ」と自信ありげに語った。
 だが周囲の風当たりは厳しい。高代コーチは李炳圭の話題になるとややけげんそうに「気持ちの問題。本人がそれをどう考えているのか。ファンのやじがすごいことも分かっているだろうし、あいつの野球人生はこれで終わっていいのかということ」と話した。
 戦列に戻ったとはいえ、決してその座は安泰ではない。韓国球界で通算打率3割1分2厘を誇る実力者だが、日本では苦しんでいる。今季は春先こそ調子が良かったが、打率は2割2分9厘。
 厳しい声は球場だけにとどまらない。李炳圭が1軍戦に出場していた6月ごろ、球団事務所に抗議の電話が鳴り響いた。ある関係者は「『何で李炳圭を使い続けるんですか。特別な契約でも結んでいるんですか』という電話が何件もあった。使い続けて成績が残せなければ困るのは落合監督。特別な契約はないけど…」と振り返る。
 今季が3年契約の2年目。高代コーチは「『契約は来年もあるから来年頑張ります』では困る」と話す。西川球団社長は「契約があるので解除はできないが、もし現場が使えないと判断すればずっと2軍にいてもらうだけ」と突き放した。成績が上向かなければ、シーズンの大半を2軍で過ごす、事実上の戦力外となる可能性も示唆した。
 今季開幕前、落合監督が考えていた完全V構想の中で不動のレギュラーだった李炳圭。今回の出場チャンスで結果を残すしかない。(山本 剛史)


(2008年8月12日更新)


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