「【外信コラム】ポトマック通信　お祝いの額は」の記事詳細：イザ！

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　先日、中学生の長女が同級生からユダヤ教徒の成人式にあたるお祝いの儀式「バット・ミツバ」に招待された。まるで結婚式を思わせる仰々しい招待状が届いたので、思わず身構えた。日本でも地方によってはホテルの宴会場を借りて成人式や七五三を盛大に祝う慣習があるが、初めてのことに緊張したのはむしろ親の方。

　人生の門出に失礼があっては大変だ。お祝いや服装はどうすると思案した。辞書で調べたり、同世代の子供を持つ近所の人に聞いたりしたところ、お祝いは現金が一般的という。１００ドル持っていったという人もいれば、誕生会のプレゼントの相場は２０ドル程度なので、それで十分という人もいる。

　ユダヤ教徒の知人に聞くと、１８はヘブライ語で「人生」という言葉に似ているので、１８の倍数がいいという。結局、何人もの知人の助言から妥当だと思われる額を、現金でカードと一緒に封筒に包んで持たせた。

　当日は近くの宴会場のホールを借り切り、夕方５時すぎからユダヤ教にのっとった儀式に始まり、ディナー、ＤＪによるダンスパーティーなど宴は延々と続いたようで、娘が帰宅したのは夜１１時過ぎだった。

　いつものジーンズから黒のワンピースにネックレスという正装に着替えて出かけた娘は、ちょっと背伸びした体験に満足した様子だった。親はほっと肩をなでおろすと同時に、これから同様の儀式を迎えるであろう娘のユダヤ人の友人の数を思わず数えてしまった。（有元隆志）

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