社会
神戸のPCB汚染物質 搬出計画に京都が反発
大量のPCB汚染物質が保管されているコンテナ群=神戸市北区山田町下谷上(神戸市提供) |
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神戸市内のマンション建設現場で三年前に見つかり、同市北区で保管されている有害物質ポリ塩化ビフェニール(PCB)を含んだ大量の土壌やがれきなどの汚染物質の行き場が宙に浮いている。京都市内の不動産開発会社が神戸市有地を借りて、ドラム缶約千四百本分を保管。京都府京丹波町の社有地へ搬入を計画したが、地元自治体がPCBの持ち込み禁止を条例化するなど反発している。市有地の賃借期間は既に切れており、神戸市は早期搬出を求めて交渉を続けている。(紺野大樹)
汚染物質の存在は二〇〇五年夏、神戸市中央区磯辺通のマンション建設現場の土壌調査で判明。環境基準の最大二十四倍のPCBが検出された。
法的には土地所有者に処分義務があるが、所有していた会社が閉鎖されたため、マンション開発を行う予定だった不動産開発会社が市と協議して汚染土壌などを保管することになった。〇五年九月ごろ、京丹波町の社有地への搬入を計画したが、地元住民らが猛反発。神戸市が北区山田町の最終処分場跡地を有償で貸し、コンテナで保管してきた。
当初の市有地の賃借契約は〇五年十一月-〇七年九月。その後、〇八年三月まで契約を延長したが解決せず、今年九月末まで猶予している。
一方、今月末の猶予期間切れを前に、京丹波町議会は八月、PCBの持ち込みを禁止する条例案を可決。町に対策本部を置き、搬入絶対阻止の構えで「道義的に汚染物質があった自治体で保管すべき」と主張している。
京都府も京丹波町内への搬入を不動産開発会社にやめさせるよう神戸市に求めたが、同市は「市有地からの撤去を求めているだけで、PCBの行き先は指定していない」と反論。市有地からの搬出めどは立っていないといい、「このままでは不法占拠になり、法的手段に訴えざるを得ない」としている。
ポリ塩化ビフェニール(PCB) トランスやコンデンサーなどの電気機器などに広く使用されてきた。毒性が強く、体内に蓄積されると、つめの変形や関節のはれを引き起こす。国内では1972(昭和47)年に製造が禁止され、2001年、事業者などに16年までの処分を義務づけるPCB特別措置法が施行された。
(9/17 14:30)
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