添田町出身でパリ在住の芸術家TOSHIさん(57)=本名・石井敏美=が、同町立中元寺小学校の6年生全8人に、卒業記念の絵画制作を指導している。世界的に活躍するTOSHIさんの手ほどきを受け、児童たちは「最高の作品を作るぞ」と活気に満ちた様子で取り組んでいる。
TOSHIさんは、田川高校(香春町)を卒業後、東京の女子美術大学在学中に渡仏。パリの国立芸術学校で学び、絵画や彫刻などを海外の芸術祭に出展したり、個展を開催。2002年から、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が、平和や人権活動に尽力した個人や団体に贈るブロンズ像も制作している。
6月、TOSHIさんが一時帰国し同校に立ち寄った際、知り合いの中山茂教諭(42)から依頼され、今月から始めた。
作品(縦90センチ、横180センチ)は、地球を中心に8人が自由に宇宙空間を漂う構図で「人間愛と地球、生命の尊さ」を表現する。児童は白いベニヤ板に木炭で下絵を描き、絵の具をつけた絵筆の周りに別の色をつけて描く技法や、影の付け方など「世界をうならせる技術」を教わりながら、作品を仕上げている。来年3月ごろに校内に飾るという。
TOSHIさんは「子どもたちの発想はエネルギーがある。芸術は、技術と自由な発想から生まれることを知ってほしい」と話し、完成作品を楽しみにしている。
=2008/09/18付 西日本新聞朝刊=