汚染米問題、太田農水相が引責辞任 09/19 17:15

 太田農水大臣の辞意表明は、白須農水次官に続いての官邸主導での事実上の更迭とも言えるものです。

 太田農水大臣は18日の国会での審議で、汚染米の不正転売について、国民に大変な心配や迷惑をおかけしたことを深くお詫びすると陳謝していました。

 ただ、カビや農薬による汚染米について、カドミウムによる汚染と同じく色をつけるなどの不正な転売を防止する措置をとっていないことについては、「不思議だ」と述べるなど、どこか他人事のような答弁もしていました。

 そして農水次官が辞意を伝えた際にも、18日夜の段階で周辺に対しては自ら辞める考えがないと漏らしていました。ただ、白須農水次官の辞任について、総理周辺は「総理の判断だ」と述べて、事実上の更迭だとしており、太田大臣の辞任についても総理の判断があったものとみられます。

 太田大臣は黙っていても24日の新政権発足で大臣を辞任することになっていましたが、福田総理としては、それを待たずにけじめをつけることで、何とか政権への批判をかわしたいという考えとみられます。

 汚染米の問題で攻勢に出ていた野党は、太田大臣の辞意表明について次のように述べています。

 「遅きに失したと思います。辞めるのは当然でしょう」(民主党 鳩山由紀夫 幹事長)

 一方、福田総理は18日も取材を拒否しており、太田大臣の責任についてこの間、どう考えていたのか明らかにしておらず、任命権者としての説明責任を果たすことが求められます。

 太田農林水産大臣は、先ほど行われた会見で辞任の意向を正式に表明しました。

 「この際、農林水産省全体としての責任、あるいは結果責任というものをはっきりしておいた方がいいだろう、明確にしておいた方がいいだろうという考えで、辞意を固めるに至りました」(太田誠一 農水相)

 太田大臣はこのように述べ、汚染米問題の責任をとり辞任する意向を正式に表明しました。(19日11:30)