【社説】暴風の中、韓国経済のいい加減な司令塔たち
16日にブラックフライデーの混乱に見舞われた韓国市場が、18日にも再び混乱に陥った。2日前に91ポイントも下落した韓国総合株価指数(KOSPI)は、17日には30ポイントの上げに転じたが、この日は再び33ポイントも下げた。日本、中国、香港などのアジア市場もほとんどが3%近く下げ、前日の反動分は再び失われてしまった。
17日には米国連邦準備制度理事会(FRB)が、破産の危機にあった米国最大の保険会社AIGに850億ドル(約9兆円)の緊急支援を行うという具体策を発表した。しかしニューヨーク市場のダウ指数も450ドル(4.1%)値を下げた。16日とほぼ同じ下げ幅だ。わずかの対策では現在の世界的株安に対応するのは困難な状況にあるようだ。また、危機は金融だけではなく実体経済にも悪影響を及ぼし始めた。世界経済全体で今後しばらくは混乱が続く、という悲観的な見方がすでに支配的となっている。
韓国国内でも中小の中堅企業が資金難に陥っている。金融業界の信用不安がひどくなるほど企業の資金難は加速する。その上金融危機の影響で、韓国企業の主な輸出先である米国、欧州、中国の経済成長に勢いが失われ、消費が減少している。これらの国や地域への輸出は今後さらに難しくなるだろう。貿易で生きているわれわれが輸出できないとすれば、国全体の収支も悪化する。そうなれば企業も利益が減り、その結果、投資も減少してすでに所得が減っている国民はさらに消費を減らし、これが再び企業の投資減につながるという悪循環に陥ってしまう。米国発の金融危機がさらに深刻化して韓国経済がその影響をまともに受けた場合には、金融市場や実体経済はどちらも大きな傷を負うのは避けられないだろう。
このような状況の中、大統領府(青瓦台)の朴炳元(パク・ビョンウォン)経済首席は「米国発の金融危機は韓国経済にとって逆にプラスに作用する可能性もある。金融危機により原油や原材料価格が下がり内需が復活すれば、韓国の景気回復の時期も早まるだろう」と述べた。一方、韓国銀行の李成太(イ・ソンテ)総裁は逆に「金融部門に続き、実体経済でも危機が始まったとみることができる」と語った。企画財政部の姜万洙(カン・マンス)長官は、「金融危機はどの程度進んだのかと」という国会での質問に対し、「よく分からない。始まったばかりという声もあるし、もう終わったという声もある」と答弁した。
海には暴風が吹き荒れているが、韓国経済の船長と機関士と航海士は、「楽観」「憂慮」「分からない」と全員が異なった見方で自分の考えを口にしている。これでは乗客たちはただ不安になるばかりだ。
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