多賀城RV車事故 同乗者に罰金 仙台地裁判決

 仙台育英高生ら18人が死傷した2005年5月の事故で、飲酒運転のRV車の助手席に乗り、酒酔い運転ほう助罪に問われた多賀城市の会社員佐々木大輔被告(30)の判決公判が19日、仙台地裁であった。宮田祥次裁判官は「客観的には危険運転行為をほう助しているが、正常な運転が困難な状態だとまでは知らなかった」と述べ、罰金25万円(求刑懲役1年6月)を言い渡した。

 運転者の元解体工佐藤光受刑者(29)=懲役20年=による危険運転致死傷の犯罪事実を、佐々木被告の起訴事実に盛り込んだ異例の訴因への判断が争点。宮田裁判官は「酒酔い運転ほう助の構成要件を完全に取り込む危険運転のほう助で、起訴状への記載の必要はある」との判断を示し、訴因通りに犯罪事実を認定した。

 弁護側は、佐藤受刑者の犯罪事実を起訴状に記載した点を「裁判官に予断を与える恐れがあり、刑事訴訟法が禁じている余事記載に当たる」として公訴棄却を求め、佐々木被告は「車で送るよう頼んでいない」と否認し、無罪を主張していた。

 佐々木被告は05年7月、酒酔い運転ほう助容疑で書類送検され、嫌疑不十分で不起訴となったが、仙台検察審査会が「危険運転致死傷ほう助罪まで認定可能」として不起訴不当を議決。仙台地検は今年4月、「同被告に酒酔い運転ほう助の意思しかなかったが、危険運転致死傷の犯行を容易にさせた」と判断し、在宅起訴した。

 判決によると、佐々木被告は05年5月22日未明、一緒に酒を飲んだ佐藤受刑者に車で自宅まで送るよう依頼。駐車料金の一部を負担して同乗、飲酒運転させた。車は同日午前4時すぎ、ウオークラリー中の生徒らの列に突っ込み、3人を死亡させ、15人に重軽傷を負わせた。
2008年09月19日金曜日

宮城

社会



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