今月11日に大阪、東京両拘置所で3人の死刑が執行されたのを受け、真宗大谷派(下京区、本山・東本願寺)は遺憾の意を表明すると同時に、死刑の執行停止と廃止を求める声明を発表した。
「私たちは、どのような罪を犯した人間でも排除せず、かけがえのない命として尊重して共に生き合える世界を、阿弥陀如来の本願として教えられている」としたうえで「死刑執行を続けることは、私たちの社会が罪を犯した人の立ち直りを助ける責任を放棄し、共に生きる世界を奪うもの」と指摘。「加害者の悔悟や反省が成し遂げられることも、被害者遺族の悲しみや怒りが癒やされることも、死刑制度を持つ社会では困難」としている。【木下武】
毎日新聞 2008年9月18日 地方版