弘前大学は18日、文部科学省の2009年度概算要求に盛り込まれた医学部定員増について、増員分の10人を新設した「青森県内定着枠」で募集することを明らかにした。遠藤正彦学長は定例会見で「本県の医師不足に対応したい」と述べた。
概算要求では緊急医師確保対策対応分で5人、「骨太の方針2008」を踏まえた医師確保策対応分で5人の計10人の増員が盛り込まれた。これに伴い医学部医学科の入学定員は120人(3年次編入学定員20人を含む)となり、過去の医学部最高定員と同数になる。
弘大では増員分について、一般選抜制度の前期日程に新設した「青森県内定着枠」で募集する予定。同枠は全国から受験が可能だが、本県で医療に従事することなど条件が付くとみられる。詳しい内容や受験方法は現在検討中で、今年11月ごろに詳細を発表する予定。一方、編入枠を除く定員100人のうち50人は県内枠といった“県内医師不足対応枠”での募集となるなお3年次編入でも5人の県内枠を設けている。
遠藤学長は、過去最大定員と同数となることについて「解剖体の老朽化、臨床実習の指導員への負担など問題は出てくるが、前向きに進めたい」との姿勢を示した。このほか定員割れが続いていた医学研究科医科学専攻の定員は、5人減の50人となった。
【写真説明】医学部の定員増について「本県の医師不足に対応したい」と語る遠藤学長