五所川原市の公立金木病院で今年6月、肝硬変で入院した70歳代女性患者が薬を誤投与されて意識不明となり、半月後に死亡した医療事故で、県は18日、同病院に対して医師の責任で処方薬の最終確認を行うよう勧告した。
この事故は、患者の腹水を体外に出すため利尿剤「アルマトール」を投与すべきところを、血糖値を下げる糖尿病治療薬「アマリール」を投与したもの。医師が書いた処方内容に基づき、病院職員が処方せんを作成する際、薬剤名を誤った。
同病院は事故を受け、医師が処方せんを確認した後、看護師が再度確認する改善策を県に提示していた。
しかし勧告では責任の所在が不明確と指摘。今月11日に行った立ち入り検査の際にも、診療していない医師名で処方せんが発行された事実が確認されたとことから、改善策を再検討した上で今月末までに文書で報告するよう求めた。
勧告は五所川原保健所に同病院関係者を呼び出して行われた。県は「改善状況が思わしくなく、病院全体として努力不足」と指摘。同病院側は「持ち帰って検討し、改善していきたい」と語った。