農水省や社保庁にも大リーグファンは多いだろう。イチロー選手の8年連続200安打達成に興奮したに違いない。日々の積み重ねが生んだ大記録である もっとも、快挙に拍手する暇があるなら、身内の愚挙に心を痛めてほしい。汚染米問題では、5年間で96回の立ち入り調査をしながら、不正転売を見抜けなかった。むしろ「見抜こうとしなかった」のか。96試合連続無安打、プロ失格である 成績を取り繕うために記録を改ざんした「消された年金」は、6万9000件にも達する疑いが出た。天才イチローが300年かけても追い付かぬ数の愚挙である 年金の額がごまかされていないかを確かめる「特別便」が、また届くことになる。税金と手間の無駄遣いである。イチローの快挙は、高額の俸給で報われるが、役所の愚挙の積み重ねは、国民に法外なツケを回す 優勝争いとは無縁の「消化試合」で、イチローの快挙は達成された。自民総裁選にも、そんな声が飛ぶ。加えて、場外の不祥事や大騒ぎが気になって、1人の打者の打席ほどにも興奮しない。事の重大さは比べようもないのだが。
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