県の2007(平成19)年度病院事業決算が約21億8800万円の損失を計上し、2年連続で赤字となったことが18日、県議会に提出された県病院事業決算書で明らかになった。
県の病院事業は県総合医療センター(岐阜市)、多治見病院(多治見市)、下呂温泉病院(下呂市)の3病院からなっている。
決算書によると、事業収益307億134万円(前年度比5・5%増)に対し、事業費用は328億8923万円(同6・2%増)となり、21億8789万円の赤字。赤字幅は前年度から約3億円広がった。
損失計上は、医師不足などによる患者数の減少と、県総合医療センターの新病棟開設による減価償却費の増加が主な要因。
患者数をみると、3病院の入院の延べ患者数は43万4734人(同0・5%減)、外来の延べ患者数は64万1424人(同4・3%減)と減少。多治見は医師の退職によって精神科が外来のみとなり、下呂も整形外科や皮膚科の医師の退職で患者が減った。
ただ3病院とも、患者1人当たりの診療収入の増加などで収益は増加した。
一方で、給与費や材料費の増加などで事業費用は大幅に増加。さらに総合センターは、新病棟開設の減価償却費が前年度に比べ約7億円増え、3病院とも赤字を計上した。
県監査委員から提出された同決算審査意見書は、医師不足が入院や外来収益に影響を及ぼすと指摘し、経営の効率化と医師確保などを求めている。 |
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