富大附属病院小児科（宮脇利男科長）は十八日、富山県内の小児科で初めて、非血縁者
間の骨髄移植手術を実施したと発表した。七月に先天性免疫不全症の少年に対して行った
もので、少年は順調に回復している。
これまで、県内の非血縁者間骨髄移植が必要な小児は、他県の病院で手術を受けていた
が、今後は県内での手術が可能となり、同病院では「病気に苦しむ子どものために、技術
と経験を生かしていきたい」としている。
非血縁者間骨髄移植は、白血病などの病気で正常な血液を造ることができなくなった患
者の骨髄を、健康な骨髄と入れ替える骨髄移植の中で、血縁者以外のドナーから骨髄の提
供を受けるもの。血縁者間移植の十分な経験がある施設しか、手術を行うことが認められ
ない。
富大附属病院小児科は昨年二月、県立中央病院内科に続いて、県内で二番目に非血縁者
間骨髄移植の認定施設となった。小児科では初めての認定となる。
初の移植手術は七月に行われ、成功した。手術を受けた少年は現在、日常生活を送るこ
とができる程度にまで回復しており、近く退院する予定となっている。
同病院では「県内で手術が受けられるようになれば、患者や家族の心理的、経済的な負
担を軽減できる」としている。