JR岡山駅前に人が次々と集まってきた。お年寄りや会社員、若い男女らで歩道はいっぱいになった。若者たちはカメラ付き携帯電話で盛んに写真を撮っていた。
自民党総裁選の立候補者が十七日、岡山にやってきた。石原伸晃元政調会長、小池百合子元防衛相、麻生太郎幹事長、石破茂前防衛相の四氏。与謝野馨経済財政担当相は米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破たんに伴う金融市場の混乱に対応するため来岡を取りやめた。
世界経済が変調を来し、危機的状況下での総裁選であることを印象づけた。候補者は景気対策、社会保障改革、安全保障、さらには政治家の覚悟など多くを訴えた。地方の思い、地方の声を国政に反映させると決意も聞かれた。
聴衆からは拍手がわき、支援する候補者の名前を書いたプラカードも目についた。聴衆の反応はよく、熱弁を振るった候補者には満足の様子がみてとれた。帰り際には握手ぜめにもあっていた。
華やかな総裁選だ。自民党への関心は高まった。一方で、はしゃぎすぎとの批判もある。福田康夫首相の政権投げ出しで政治空白が生まれ、政治に対する信頼を損ねたことは間違いない。
聴衆の中に小さな子どもを連れた母親の姿があった。候補者の訴えに日本の確かな未来を感じることができただろうか。