慌てた麻生氏 日医連に“方針撤回”伝える
岩手・宮城内陸地震の被災者らとの対話集会に出席した(左から)石原元政調会長、小池元防衛相、麻生幹事長、石破前防衛相の自民総裁選候補
Photo By 共同 |
日本医師会の政治団体、日本医師連盟(日医連)の羽生田俊常任執行委員は18日、都内で記者会見し、社会保障費の自然増を毎年2200億円削減する政府方針について、自民党関係者が麻生太郎幹事長の意向として「2010年度予算で凍結したい」と伝えてきたことを明らかにした。日医連はこれを受け、衆院選の対応について「自民党を中心とした政権与党の候補者を推薦する」との方針を決めた。
次期首相となる自民党総裁の座が確実な情勢の麻生氏。次期総選挙の投開票日が当初有力視されていた11月9日から10月26日に繰り上げられる方向になる中、早くも組織票固めに動き始めた。
日医連は選挙時に自民党を支えてきた有力な“集票マシン”。「日本遺族会」や「全国特定郵便局長会(大樹)」などと並ぶ巨大組織として知られ、04年の参院選では「100万票をとる」との目標を掲げていた。
集票マシンシフトともいうべき麻生氏の意向を受けて、羽生田執行委員は会見で「医療費抑制策をしている自民党をなぜ推すのかという意見は2年前からあるが、政権与党に政策を訴え理解は十分に進んだ」と述べた。
日医連をめぐっては、地方組織である茨城県医師連盟が17日、後期高齢者医療制度に反対し、県内7小選挙区のすべてで民主党候補を推薦すると発表。同県は、自民党の大物厚労族である丹羽雄哉元厚相(茨城6区)のおひざ元で、約1350人の会員のうち大半が自民党員の同連盟は、過去の衆院選では、丹羽氏だけでなく赤城徳彦元農相(同1区)、額賀福志郎元財務相(2区)ら自民党公認候補を支援してきた。それだけに、“地方の反乱”は与党に衝撃を与え、日医連からも再考を求める意見が出ていた。ことし4月下旬の衆院山口2区補選で自民党新人候補が大敗した要因として後期高齢者医療制度が挙げられていた。
上部組織が与党支持を表明したことについて茨城県医師連盟は「19日にも対応を協議する。比例候補についてどの政党を支持するかは、具体的な話は出ていない」としている。
羽生田執行委員は茨城県以外では民主党候補を推薦する動きはないとしているが、与党関係者は「県の連盟単位ならまだしも、中央のしばりが末端に行き渡るような時代ではない。小選挙区単位では、自民党支持か民主党か迷っている“ブリッジ状態”の組織がある」と警戒感を強めた。
[ 2008年09月19日 ]
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