佐賀のがばいばあちゃん
絶賛を浴びた舞台をさらに磨きあげて登場。9月25日から30日。中日劇場
【社会】面積1500倍に水増し 岐阜の住宅地不正登記容疑2008年9月11日 朝刊 岐阜市北東部の住宅団地「コモンヒルズ北山」をめぐる不正登記事件で、名古屋地検特捜部は10日、開発業者らが制度の抜け穴を悪用して登記をしていた疑いが強まったとして、電磁的公正証書原本不実記録・同行使の疑いで、グリーン産業(東京、破産手続き中)社長中村満(58)ら4容疑者を逮捕した。 ほかに逮捕されたのは、土地家屋調査士山田泰三(74)、測量士の丹羽誠(53)、広江孝幸(55)の三容疑者。中村容疑者は逮捕事実を「記憶にない」と否認。山田、丹羽両容疑者は大筋で認め、広江容疑者は「わからない」と話しているという。 調べでは、中村容疑者は登記上の土地面積を変更する制度を悪用して、整理回収機構(RCC)の担保に入っている土地の差し押さえを免れようと計画。山田容疑者らに指示して2004年2月、虚偽の測量図を岐阜地方法務局に提出し、実際には約40平方メートルの無担保地を約6万平方メートルと登記させた疑い。 土地面積の登記の変更は、隣接地の所有者の承諾があればできる。中村容疑者は、実質経営する会社の所有で、無担保地に隣接する土地を利用して登記を変更。最終的に実際より1500倍も拡大させたという。 グリーン産業は、団地の造成・分譲事業を手掛けた東海地所(破産手続き中)の関連会社。中村容疑者は1995年、グリーン産業を受け皿に銀行から融資を受けて開発に着手。銀行は03年、景気の悪化で返済が見込めなくなったとして債権をRCCに譲渡した。 ◆分譲で利益、競売も妨害借金の担保になっている土地なのに、不正登記をして担保でないように見せ掛けていたことには、2つのメリットがある。1つは、土地の分譲で得られる利益が増えること。もう1つは、差し押さえられても競売に掛けにくくなり、自分の所有権を保てることだ。 中村容疑者らは1995年、団地の土地約32万平方メートルを担保に、銀行から開発資金約64億円の融資を受けた。ところが分譲が進まず返済は行き詰まり、2003年から不正登記を始めた。 通常、担保になっている土地なら、分譲代金の一部を銀行への返済に充て、銀行の担保権をなくしてから購入者に渡す。だが担保がないようにすれば、中村容疑者らは代金のすべてを手にできる。 第2の目的として競売逃れがある。銀行は、返済のめどが立たないため03年4月、整理回収機構(RCC)に64億円の不良債権として譲渡。RCCは担保の土地を競売に掛け、現金を回収しようとした。 だが不正登記された部分は不良債権の担保にみなされず、RCCは競売に掛ける権利さえない。しかもその部分が団地全体の中央部を占め、残りの土地だけを競売に掛けると、中央部をくりぬいた形の土地になってしまう。 「こんな利用しにくい形では買い手がない。競売での処分を難しくしようとしたのでは」とRCC関係者。中村容疑者らは所有権を保ち、分譲を続けようとしたとみられる。 コモンヒルズ北山 中村容疑者らが旧三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)の融資を受けて、95年から住宅団地「コモンヒルズ北山」の開発に着手。一戸建てなど約780区画を分譲する計画だった。しかし約100区画しか売れず、無担保地内で販売されたのは7戸。 ◆中村容疑者との一問一答特捜部の調べに対し「記憶にない」と供述している中村容疑者は逮捕前、中日新聞の取材に「不正をしたとは思っていない」と疑惑を否定していた。一問一答は次の通り。 −一連の行為は不正登記ではないのか。 「不正をしたとは思っていない。捏造(ねつぞう)ではない。法務局の登記官も何度もここを訪れて確認している。開発は地上げから自分一人でやった。金もうけのためではない。命をかけて街をつくったんだ」 −どうしてこんな登記になったのか。 「山林開発の際に地積更正を繰り返すのは当たり前。そこで地積更正をして登記をするのが私の仕事なんだ」 −RCCの競売を妨害しようとしたのか。 「こちらは『担保地を競売にかけてくれ』と言っているのに、RCCが途中で止めた」
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