みなさんこんにちは。前回の日記ではいろいろ心配をおかけしてすみません。アドバイスを下さった方々、ありがとうございました。
大学病院との交渉結果についてはまだ回答を得ていないので報告出来ないのですが、あまり期待できそうにありません。
そんな中、うちの産婦人科に危機が訪れました。
今年初期研修上がりで入局した研修医くんが10月・11月と麻酔科をローテートするのですが、5人で常時二人体制を維持しているうちとしては、当然日勤帯以外で麻酔科の当番に当たっていない時は研修医くんにもオンコールをしてもらおうと思っていたのです。
ところが、麻酔科側が「その2ヶ月は麻酔科スタッフとして扱うから産婦人科の当番に入ってもらっては困る」と言い出しまして。
そしたらうちの教授が「4人だったら来月は一人当たり休日を4〜5日拘束か」と言い出したので、思わずブチ切れ。
「私が当直が辛くて限界だから減らして欲しいってお願いしてるのに、増やすってどういうことですか!?先生は私に鬱病になるまで働けって言うんですか!?」
と思わず教授室に乗り込んで(同僚えいてぃーも道連れ)喚いてしまったとです。
涙こそ流しませんでしたが声も手も震え、全く平静な状態ではありませんでした。
教授は、「そんなこと言ってないやろ!!」と反論しましたが、麻酔科と交渉してみるが研修医くんを普段お世話になっている麻酔科に2ヶ月差し出すのはなるべく実行したいと。
しかも、「僕はここに周産期をしに来た。今の規模を維持するには二人体制でないとどうしても不安だ。」とそこは譲らない様子。
「先生の考えは理解してるし、自分だって周産期がしたいから今まで我慢して負担してきました。でももう限界なんです。私はわがままで言ってるんじゃありません!もう無理だから言ってるんです!!」
とまたもデカい声出しまくり。
「本当はもう2年も勤めてるけど岡山が好きになれないし、新幹線通勤も体力的に辛いし、大学側の態度も腹立つし、辞めたいんですよ!!」
と言うと教授は、
「新幹線通勤は、岡山に勤めてるのに個人的な事情で神戸から通ってるからやないか」
と、一番分かり合えないところに触れたので、
「神戸に住んでる人を無理矢理連れてきたからじゃないですか!!本当は岡山に住んでる産婦人科医を捕まえてきたら済む話でしょう!!」
「確かにそれは僕の力不足だけど」
「先生のじゃありません!!このクソ大学が卒業生にも逃げられ、誰もよう捕まえてこないのが悪いんです!!しかも何も分かってない!!!去年1年間岡山に住んだけれど楽しいことは何一つなくもう一度住みたいとは思いません。3月まで通うのも自信ありません」
もう、どうしようもない状態であることを確認するのみの会話でした。
まあ2年前に無理矢理連れてこられて、しかもレジデント待遇で男子禁制の看護寮住まいで現代の女工哀史だったころにも、教授とは似たような会話(?)を繰り返していたのですが、同僚えいてぃーはさすがにビビッていました。
で、
「ほらあの、フレックスにしてもらうとか・・」
と提案してくれ、教授も
「フレックスにしてみる?勤務を10時から6時にしたらちょっとは楽?」
「確かに、それなら楽かも・・」
とフレックスにしてもらえることに。
教授はさらに、
「もう僕が学会とかで岡山にいない時以外は、土日は全部少なくともセカンド(呼ばれる優先順位の低い方。あまりに呼ばれない)はするから。気力の続く限り頑張る覚悟でここへ来たから。」
病院の近くに住んでいればセカンドは家族と日常に近い生活が送れるので、拘束ならなんでも岡山に出てこないといけない私の負担を減らしてくれるとのことでした。
また、子育て中で夫婦でここに勤めている同僚女医えいてぃーは、時間外業務は免除となっているのですが、旦那がファーストコールの日に自分の母親に岡山に来てもらって、セカンドに入ってもいいと提案してくれました。
自分が限界を超えたことで、他のスタッフの負担が増えるという不条理だけど当然の結果となってしまい、非常に申し訳ない思いでいっぱいでしたが、根本的に人手が不足していると言うのは我々スタッフのせいではないので申し訳ないというのも違う気もします。
特に女医問題に関しては、妊娠・子育て中の勤務に融通を利かせるよう女性医師の権利を声高に主張する人を見かけますが、医師全体が不足している今、結局それを充足させないと女医問題の解決はありえないと実感しました。多元的で一朝一夕には解決しえない問題です。
うちの産婦人科に関しては、結局全員が無理をしてやっと成り立つ状態なので、大学側が正当に評価してくれないなら医療レベルを落としちゃうのが一番だと思うのですが、教授が維持を望んでいるので我々も頑張らざるを得ません。
教授室を出た後、えいてぃーと「あの教授がいい人やから頑張るしかないけどなあ」「いっそ変な教授やったらみんなで辞めれるのになあ」と言って、上司に恵まれるのも良し悪しだと溜息を付き合いました。
そんなこんなで大学の回答を得る前にここをすぐに辞めるという選択肢は消えました。
尊敬する人に、「上司がいい人だから辞められないというのは、しがらみの中ではいい方だよ」と言われ、確かになあと思いました。
恥ずかしげもなく赤裸々に書いてしまいましたが、あんなふうに喚き散らしたりするのは、後で自分が嫌になるのでそうならないように精神状態をコントロールしたいところなのですが、劇的な改善は見込めません。
しばらく少し低めで安定するしかないのかな。
とりあえず、騙し騙しいけるところまで頑張ります。
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