先日も書いた,性の話。
女医の私相手であっても,性に関する話題は男性のほうが真剣に相談してくれるものなんですよね(というよ り,女性の患者さんから性に関する質問や相談をされたことはこれまでなかったような気がします…)。
私が診察室でお会いしたことのある高機能(で特定不能の)広汎性発達障害やアスペルガー症候群に該当する男性のなかには,コミュニケーションもわりと上手で社会的スキルもかなり身についていて,さらに彼女がいたり恋愛したりしている方が結構多かったのですが,それでもやっぱり性のこととなるといっぺんに「未知の世界」になってしまうよう。
性について,って普段の日常生活のなかでは知識や情報が得られにくいことだし,身近なひとにこそ恥ずかし くて聞けなかったりするし。逆に,誰彼かまわず問わずに過ごせている彼らの判断力はすごいな! とも思うのですが…考えてみると,「自分の状態をわかっている,家族や友人ではないひと=主治医に聞いてみよう」と選択してくれることは,本当にものすごく真っ当な判断ですよね。
相談された内容は,だいたい次のような雰囲気(プライバシーポリシーに従って書いてみます)。
未成年の患者さんからは,「いつか性交するときには男の僕がリードしなきゃいけないと思ってるけど,その方法はどうやって学んだらいいですか?」と聞かれたことがあります。彼曰く,AVを観てみたけど「これは無理」と思って不安になったそう。うーん,私はAV観ないからよくわからないけど,あまりスタンダードじゃないものを視聴したのかな?
そして,成人した患者さんからは,「彼女の生理が来ないんです」と相談されたことがありました。結果的には妊娠はしてなかったからひと安心だったのですが,彼が避妊の仕方をまったく知らずにいたことが判明…。どうやら彼女から避妊してほしいと言われたこともなかったようでした。
私としては,患者さんたちに要・不要問わず大々的に性教育を行うわけにもいかないし,上に挙げたケースのように必要なときには個人的に知りたいことを聞いてもらえるような関係性を患者さんひとりひとりと築いていくことが大切かな,と思います…それしかいい介入法はないのかもしれません。
…ほかの専門職・支援者の方々はどういうスタンスでこの問題に取り組んでいらっしゃるんだろう? とっても知りたいです。
そして,自分から相談してくれることの少ない女性の患者さんたちに対する支援も当然必要だろうと思うのですが,これがまた難しそう…この話題について思うことをまた明日にでも取り上げたいと思います。
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