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12歳の日本人少女の目から見た戦争、韓国独立

著書名:『ヨーコの話』(So Far from the Bamboo Grove)

著者名:ヨウコ・カワシマ(Yoko Kawashima Watkins)

翻訳者:ユン・ヒョンジュ

出版社:文学トンネ

頁数:296頁

価格:9500ウォン

 日帝当時、日本政府の高官だった父と一緒に咸鏡(ハムギョン)北道・羅南(ナナム)に住んでいた12歳の日本人少女が、韓国独立を前後し、家族と一緒に日本に帰る過程を描いた物語。

 実話をもとにしているが、韓国人なら決して心安らかではない一冊だ。主人公は語る。「お姉さんは怪我した軍人の体に触れるのが恐くない?」「恐くなんかないよ。みんな国のために戦った方々だから」

 ここでいう「軍人」は日本軍で、「国」は日本を指す。

 「朝鮮の人々が日本人を苦しめ始めてからは、夜もぐっすり眠れなかった」

 解放後、わずか数日のことで35年間の醜悪さを忘れるなんて、中国でこの小説が出版されなかった事情が見当がつく。

 しかし、少しの間、国籍さえ忘れれば、戦争がこの家族の人生をいかに困難に陥れるかを淡々と描写した成長小説として読むことができる。

 著者は平和を強調する講演活動を行っている。

キム・ソンヒョン記者danpa@chosun.com

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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