理不尽な要求を繰り返す「モンスターペアレント」と呼ばれる保護者らに対応しきれなかった学校が07年度、東京都内の公立学校の1割にのぼったことが18日、都教育委員会の調査で分かった。都教委は「現場の教員はかなり苦しんでいる」とみている。
都教委は6月、区市町村教委を通じて都内すべての公立小中学校、高校にアンケートした。理不尽な要求が繰り返しあり、学校だけでは解決が難しかったケースを調べた。
小学校では1316校のうち113校(9%)で126件、中学校では633校のうち55校(9%)で66件あった。「いじめていた児童を指導した担任が、児童の保護者から脅しを受けた」「虐待を児童相談所に通告したことで保護者が学校に暴言を繰り返した」「長時間の電話苦情を受けた後、電話代を払えと言われた」といった報告があった。
高校は全日制や定時制265校のうち41校(15%)で70件だった。「授業料の徴収に際し、脅しまがいの言葉で逃れようとする」と学費に絡むトラブルが目立ったという。
学校側の不手際で深刻化した例もあった。いじめにあった児童の保護者に応じた教師が「お宅のお子さんにも問題がある」と言ったところ、腹を立てた保護者が何度も学校にメールやファクスを送るようになったという。
都教委は「トラブルを未然に防げるよう実例をふまえた具体的な対応方法を研修させたい」としている。