県教育財団は19日、日立市末広町5の「十王堂遺跡」が発掘調査の結果、縄文中期から中世にわたる集落跡の複合遺跡と判明したと発表した。
調査では、縄文時代中・後期の竪穴住居跡12軒やフラスコ状土坑7基、弥生時代の土坑墓、平安時代の竪穴住居、中世の井戸跡などの遺構が見つかった。
出土品では、弥生時代の墓から、首飾りなどに使われたとみられる砕かれた石の管玉が見つかった。砕かれた管玉は福島、群馬県などで見つかっているが、県内の出土は初めてだという。また、同遺跡土坑の底面付近からは、縄文時代晩期から弥生時代のものとみられる直径約40センチの柱材も見つかった。
このほか、多量の縄文・弥生土器や、中世の青銅製和鏡も出土した。同財団は「住居跡から各時代の生活の様子が分かる」と話しており、23日午前10時半から現地説明会を開く。問い合わせは同財団日立事務所(0294・35・9344)へ。【臼井真】
毎日新聞 2008年8月20日 地方版