2008-09-18

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「あいつ消えてくれないかなあ」だけで済ませている元増田はえらいと思う。自分は「死ねばいいのに」と願い続けてきた。でも現実は変わらない。

元々家にお金を入れるという感覚を持たない妹だった。父親が働き、母親が家の中のことをし、姉である自分は家にお金を入れていて、妹は短大を出た後しばらくマクドナルドアルバイトをしていた。就職活動に、親は口出しをしなかった。それは自由にさせたいという意思の現れでもあり、何か意見しようとすると激しく反発する妹への対処法でもあった。

妹はマクドナルドアルバイトを続けながら、1年間演劇スクールに通った。やりたいことをやらせようとその時は家族全員が思っていた。1年後、事務所採用されなかったとかでスクールを辞め、同時にマクドナルドアルバイトも辞めた。そこから1年、ニートになった。コミケや自分の好きなアーティストコンサートにはきちんと出かけ、友達とも時折遊んでいた。

1年経って、就職活動を始めた。職歴がまともにないままだからもちろん難航した。それでも、友達の紹介でアパレルの売り子を始めた。ようやくまともに働き出した妹を見て両親は喜んだ。一向に家にお金を入れようとしない妹を自分がせっつき、月1万円を入れさせた。学生時代から今まで家事はほとんどしていない妹には、どうやら自分の生活費を考える感覚が身についていないようだった。

その頃父親の仕事がうまくいかなくなった。給料が減り、いろいろな我慢が増えた。自分は家に入れるお金の額を上げた。本当は給料の半分は入れたかったのに、3分の1までしか上げられなかった。そんな自分が不甲斐なく、給料を得るようになって遊興費・交際費ばかりが増えているように見える妹に苛立った。

母親には時折愚痴を言った。「あの子は何を言っても聞かない、だから放っておくしかない」「こうやって育ったのは自分の責任だ」そう言う母親を責められなかった。妹を攻撃することは母親を攻撃することに繋がる。それだけはしたくなかった。

妹に小言を言う回数が増え、口げんかが多くなり、些細な出来事をきっかけに妹と口をきかなくなった。顔を合わせるからむかつく、口をきくからむかつく。だったらどちらも避ければいい。母親は最初のうちこそとりなしたものの、娘二人の性格を知っているからそのうち何も言わなくなった。

妹は人間関係がうまくいかなかったことを理由に、3年ほどで最初の勤め先を辞めた。またニートになった。早く結婚相手でも見つけてさっさと出ていってくれないかと思い始めたのはこのあたりからだ。結婚相手にしてみれば迷惑な話だが。

妹は精神科に通っているらしい。通い始めたのがいつからかはよくわからないし、口をきいていないので知らない。演劇スクールでつまづいたあたりで摂食障害になり、それで通院したようだ。母親との関係が原因だと医師に言われて母親を責めるような言動を繰り返していたそうだが、それを自分が知ったのはずっと後になってからだ。症状や病名が何なのかは知らないが、抗うつ剤睡眠導入剤がたまにちらばっていた。真面目に飲んではいないようだった。

なぜそれらが精神科の薬だとわかったか。自分も同じ頃、精神科に通っていたからだ。父親の収入が減り、自分は多少給料のよい会社転職した。給料は上がったが、夜勤が続いてマイナスな考え方しかできなくなり、家庭を支えられない自分に絶望し、死にたいと思うようになった。会社を出るといつも涙が出た。このままじゃおかしくなると思って病院に駆け込んだ。すぐに抗うつ剤抗不安薬が出た。1年通って持ち直して、また家庭を支えていけると思えるようになった。

自分が精神科に通ったこと、同じく精神科に通う経験を持つ友達の話を聞いたことなどを合わせても、妹に同情する気持ちはこれっぽっちも起きなかった。時折ぼーっとした表情や考え事をする様子などが窺えたが、以前と同じく遊ぶ時は遊び、友達と出かけ、夜は泊まりに行ったりもする。これで同情して労れなんてむしがよすぎるとずっと苛々していた。自分の現状を母親のせいにする態度がそれに拍車をかけた。

その頃両親の不仲が決定的になり、父親は家を出て以前からいた愛人のもとに行ったようだ。母親パートで働き始めたが、長いこと父親が望んで専業主婦をしていたからあまりいい給料は望めない。自分は父親が家を出るちょっと前に、交際していた人と同棲を始めた。自分がずっと家を支え続けることで父親が危機感をもたなくなったこと、母親が家を出る時に行き場がないことが、家を出る決心をした理由だ。給料の3分の1は家に入れ続けていた。妹が家に入れるお金離婚をきっかけに4万円になった。

家には母親と妹が残った。妹は、自分も家を出たかったが両親が離婚したせいで出られなくなったと母親に文句を言っていたそうだ。自分が働き始めてから家を出るまでにいくらでもチャンスはあったし、精神科医師からも母親からも家を出た方が気分が楽になると言っているそうだが、妹はのらりくらりと決断を避けていた。母親貯金から生活の支援をすると言っても結局出なかった。相変わらずコミケコンサートや夜遊びには出かける日々。自分は母親のことが気になりつつ、妹から離れられてほっとしていた。もう苛々しなくて済む。

平穏な生活にまた落とし穴があった。今度は同棲から結婚に至った相手との生活と、母親を支えることが両立できないことで落ち込み、さらに仕事でうまく成長できない焦りからまた死にたくなった。今度はひどくなる前に病院に駆け込んで特に支障が出た訳ではないが、それでもやはり辛かった。たまに実家に戻って、母親につっかかる妹を罵倒したかった。でも妹を罵倒することは母親の否定に繋がる。だから姿が目に入る度に思った。願った。「死ねばいいのに

母親パートで膝を悪くした。きれいだった手もぼろぼろになった。でも家を出た自分だけの世話にはなりたくないという。離婚したのは自分の決断だったからという。結婚相手を投げ出して母親の元に戻り、金銭面でも家事の面でも支えたいとしばしば思う。でも一回目に精神科に通院した時「お母さんと共依存関係になってしまっている」と指摘された。母親もそれを懸念しているようだ。自分の生活をきっちり作り、その上で母親を支えなければならない。

実家に戻る度に妹に向かって祈る。願う。死ねばいいのに母親が先に逝くことになるだろう。自分は両親を見送らねばならないとずっと考えてきた。母親が逝った後、生活力のない妹の面倒を自分がみるなんてまっぴらだ。妹は三十歳を目前に就職活動で焦り始めたようだ。知らない。今まで好き勝手やってきたんだからこれからも好き勝手やっていってくれ。

死ねばいいのに。妹を見る度に心の中で呟く。死ねばいいのに

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    あいつ消えてくれないかなあ。 さっき家に帰ってきたらあいつしかいなくて背中見ただけで、特別疲れているわけでも落ち込むような出来事があったわけでもないのに、部屋に直行して...

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      「なにをばら」までは読んだ。

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      君が家を出て独立するべき時が来てるんだよ。 たぶん、それに踏み切れないのは、兄貴に対する蔑みよりも、そんな兄貴に肩入れしている両親に対して不公平感が、心のどこかにあるか...

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      もちろん自分はできたて食べたんだと。おいしかったんだと。そんで仕事帰りの自分にはのびて冷えてねちゃねちゃになった焼きそば食べろって。おいしくできたってさ。だから食べろ...

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      うちのくそばばーのことかと思った。 ・・・ご飯とかつくんないけどね。家事全然しないけど。 なんか、なんで生きてるのか疑問に思うよね、そゆ人。 都合のいいときに都合のいいよ...

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