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新型インフル:ワクチン接種、医師ら来年度から…政府試案

 政府は18日、新型インフルエンザに備えたプレパンデミック(大流行前)ワクチンを接種する対象者の試案を公表した。対象は97業種の従事者で、優先順位で5段階に分類。総数は推計1000万~1500万人で、最も優先度の高い医師や救急隊員ら100万~200万人は来年度から接種を始める。政府は国民から意見募集してさらに試案を示し、年度内の確定を目指す。

 プレパンデミックワクチンは世界的に流行している高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)のウイルスから作り、新型インフルエンザを予防できる可能性がある。国は現在2000万人分を備蓄、ガイドラインで「医療従事者と社会機能維持者に接種する」としているものの、詳細は決まっていなかった。

 試案では、接種対象の業種を、優先度の順に▽カテゴリー1(即時に第一線で対応)▽カテゴリー2(国民の生命・健康・安全・安心に関係)▽カテゴリー3(国民の最低限の生活維持に関係)--と分類。さらにカテゴリー2は3段階に分けた。

 カテゴリー1の該当者は、来年度から接種を開始。カテゴリー2以降は、新型インフルエンザ発生後に接種するが、今年度実施している臨床研究で効果が確認されれば、前倒しも検討する。これ以外の希望する国民への接種も将来的な検討課題とした。

 一方、発生後に全国民に接種する新型インフルエンザウイルスから作ったワクチンについては、どの年齢層から優先接種するかを明示せず、議論を先送りした。【清水健二、関東晋慈】

 ◇プレパンデミックワクチンの接種対象者◇

 ◇カテゴリー1

(1)感染拡大防止、被害の最小化に資する業種

病院、一般診療所職員▽保健所職員▽救急隊員、消防職員▽在外公館職員▽税関・入国管理局・検疫所職員▽警察職員▽宿泊施設従事者▽自衛隊員▽海上保安庁職員▽航空運送事業者(国際線)▽空港管理者・機能維持者▽水運業(外航海運)▽外航海運代理店業▽水先業

 ◇カテゴリー2

(2)新型インフルエンザ対策に関する意思決定に携わる者(首長など)

国家機関▽都道府県機関▽市町村機関

(3)国民の生命、健康の維持にかかわる業種

病院、一般診療所、在宅看護サービス▽歯科診療所▽その他の医療業▽老人福祉・介護事業▽児童福祉事業▽障害者福祉事業▽医薬品製造業▽医薬品販売業▽医療機器製造販売業者

(4)国民の安全、安心の確保にかかわる業種

消防職員((1)以外)▽警察職員(同)▽自衛隊員(同)▽海上保安庁職員(同)▽海事関係職員▽港湾管理者▽国会議員▽国会議員公設秘書▽国会事務局職員▽都道府県議▽市区町村議▽地方議会議員事務局職員▽放送業▽新聞業▽電気通信業▽電気通信に付帯するサービス業▽矯正職員▽更生保護官署職員、保護司、更生保護施設職員▽検察庁従事者▽裁判官

 ◇カテゴリー3

(5)ライフラインの維持にかかわる業種

電気業者▽原子力事業者▽上水道事業者▽下水道事業者▽工業用水道事業者▽ガス事業者▽熱供給事業者▽石油精製業者▽石油販売業者▽LPガス事業者▽石油備蓄事業者▽石油採掘事業者▽航空運送事業者(国内線)▽港湾管理者▽空港管理者((1)以外)▽水運業(内航海運)▽海運代理店業▽港湾運送業▽その他の運輸付帯サービス業▽鉄道業▽道路旅客運送業▽道路貨物運送業▽運輸関連業者▽道路管理者▽倉庫業▽精穀・製粉業▽パン・めん類など製造業▽乳製品製造業▽缶詰製造業▽レトルト食品製造業▽冷凍食品製造業▽せっけん・合成洗剤製造業▽トイレットペーパー製造業▽ごみビニール袋製造業▽衛生用品など製造販売業▽食品流通関係者▽食料品・生活用品小売業▽金融機関▽日本銀行▽保険会社▽政府系中小企業金融機関▽ソフトウエア業▽情報処理・提供サービス業▽インターネット付随サービス業▽郵便局▽国家公務員▽都道府県職員▽市町村職員▽独立行政法人職員▽火葬・埋葬業▽廃棄物処理業

※(1)~(5)が優先順位

毎日新聞 2008年9月18日 21時03分(最終更新 9月18日 21時12分)

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