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ラジオも「地デジ」化 見えぬ具体像、業界に不協和音も(2/3ページ)

2008年9月9日0時1分

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 「もともとラジオは他のことをしながら聴ける『アイズ・フリー』が原則。デジタルでも各社1セグメントを基本にし、あくまでも現在のラジオの延長線にある音声を中心に高機能化をはかりたい」。DRP運営委員長の近衛正通・ニッポン放送常務取締役は基本的な考えを示す。

 これに対してFM東京は、数セグメントを使い、音楽や映像などを有料課金で配信する新サービスに注目する。藤勝之デジタルラジオ事業本部長は「1セグメントではCD以下の音質でしかなく、そもそも音声だけではラジオの未来は暗い。新しい放送なのだから、帯域を柔軟に使って多彩なサービスを実現したい」とDRPの方針に不満を隠さない。試験放送を3月に休止し、DRP正会員からも抜ける意向だ。

■インフラ整備進まず

 デジタルラジオは、携帯電話機やカーナビなどに機能を追加して受信する方式が中心になりそうだ。だが、KDDIの神山隆メディア推進部長は「ラジオのコンテンツは魅力だが、携帯にはすでに通信機能やワンセグといったラジオ以外の伝達手段で多くの情報が手に入る」と話すなど慎重で、受信機の開発側もまだ仕様などを固めずにいる。

 本放送開始まで3年足らず。広告市場の冷え込みで収益が悪化しているラジオ各社は、デジタル放送の意欲に温度差もある。リスナーがデジタルラジオに何を求めているのか読み切れていないことも業界側の悩みだ。

 長くDJとして人気の赤坂泰彦さんは「ラジオはターゲットが狭い分、時間と思いを共有できるメディア。テレビが『みなさんへ』なら、ラジオは『あなたへ』。だが近年は一般受けするものを目ざし過ぎた」と話す。

 ラジオは深夜放送がブームになった80年代前半をピークに、聴取率は下がる一方。リスナー層も高齢化している。

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