2008-09-18 Thu
■BSマンガ夜話『よつばと!』の回にゲスト出演するはずでした。

2008年9月18日(木)24:00〜24:50に生放送予定のBSマンガ夜話に出演するはずでしたが、レギュラー出演者である岡田氏の意見などにより、伊藤の出演がなくなったことをお伝えいたします。
NHK側からの事情説明と誠実な謝罪があったので、事情を公開するのは止めようかとも思いましたが、一部テレビ雑誌に伊藤の名が出ていたということもあり、事実関係を記すことにしました。
8月22日 制作会社から伊藤のもとにゲスト出演の依頼があり、なんといっても『よつばと!』でもあるので、快諾の返事をしていました。夏目さんやいしかわさんがどのような解釈をされているのかも楽しみでした。
ところが、9月3日になり、NHKと制作会社・共同テレビジョンの担当者から、伊藤の出演は取りやめになった旨、説明と「謝罪」がありました。「岡田斗司夫氏より、『伊藤さんはちょっと違うんじゃないか』と言われた」ということでした。
理由は、1998年岡田氏の編集により刊行された『国際おたく大学』(光文社)をめぐる名誉毀損裁判(伊藤を原告とし、唐沢俊一、岡田斗司夫氏、光文社を被告とする。99年「誹謗中傷的」という文言を含む謝罪文の掲載という条件で和解)と、伊藤が今年5月にこのブログに書いた岡田氏に批判的なエントリー『岡田斗司夫氏の次の本:食べても太らない男のスイーツ』とのことでした。
取り上げる作品が、ほかならぬ『よつばと!』であり、制作会社の方もぼくの過去の原稿を見てくださり、オファーをされたということでしたので、「岡田さんにこちらの意向を伝えてください。それで翻意があればと思います」と言いました。
そもそも『男のスイーツ』エントリーにしても、批判的ではあるものの、個人攻撃や誹謗中傷とは言いがたいと思いますし、できれば穏便にことを進め、ぼくも岡田氏もニコニコと出演することはできないかと考えたのです。そのため、最大限の譲歩をしました。
その「意向」を、以下に示します。
1. 今回の番組出演は、岡田さんと落ち着いて話ができるよい機会だと思っていること。
2. 『国際おたく大学』の一件に関しては、岡田さんも唐沢の被害者であると認識していること
3. なんらかの形で岡田さんから謝罪があれば、一連のことを水に流してもよいこと
ぼくは名誉毀損の原告です。ここでは詳しくは記しませんが『国際おたく大学』に掲載された唐沢俊一の原稿は、嘘八百を並べ立て、ぼくの持病についてすら、いい加減な医学知識に基づいた偏見による誹謗を加えて、社会不適応者扱いするものでした。岡田氏はこの本の編者であり、編者としての責任は取っていただいた(岡田氏名義の謝罪文も公開されています)のですが、当該のひどい原稿は、唐沢のものであり、その掲載を拒否できない立場に岡田氏が立たされていたことは想像に難くないと考えています(裁判後に個人的に謝罪に来ていただいた担当編集者からの話も、この解釈を支持するものでした)。
これが、岡田氏が被害者でぼくが加害者なら、一も二もなくゲスト出演をさせないのは道理でしょうが、実際には立場は逆です。
岡田氏には大人の対応を期待したのですが、それは叶えられませんでした。
さて9月8日、NHKチーフ・プロデューサー大泉氏、専任ディレクター広瀬氏から、再度の事情説明と謝罪がありました。
岡田氏は「伊藤さんはちょっと……」と言われたが「ゲスト出演させるな」と言ったわけではないことが告げられました。もちろん、実際に岡田氏がどう言ったかはわかりません。あくまでも、NHKの人がそう言ったというだけです。またこちらから「では、ぼくは今後も一切、マンガ夜話には出られないということですね?」と確認すると「そういったことではありません」と言われました。
ぼくとしては、まがりなりにも実績を積み、制作会社の方からオファーをいただくところまで来ても、まだやはり岡田氏の意向で出演をふいにされるのは不条理だと思いました。
そもそも、ニフティのオタクアミーゴス会議室で「伊藤(バカ)君」なる、愚劣なあだ名を周囲に強要し、子供っぽく侮蔑的な行為をしてきたのは、当の岡田氏です。また当時は、唐沢の嘘八百を鵜呑みにし、伊藤のことを「サイコさん」だといい、ぼくの担当編集者に「なんであんなのを使うんだ」と詰め寄ったひとも、何人もいました。若い方などはもう知らないと思いますが、唐沢や岡田氏の作ったこうした環境のなか、いい仕事をすれば必ず見てくれるひとはいると信じ、どうにか続けてきたのがこの10年だったわけです。
それが、またぞろこういう目に会うと、なんだ状況は変わってないじゃないかという気にもなります。岡田氏の意向が最優先されたうえ、NHKの担当者・弓削氏は、なんと「と学会」のバッヂをつけてぼくの前に現れていたのですから。
「と学会」といえば、他人のことは細かくあげつらい、笑い者にする一方、身内には甘い集団として知られています(ブログから「盗作」した唐沢俊一をかばいながら、他方で論敵である武田邦彦氏の引用の仕方を鋭く糾弾する山本弘会長のダブルスタンダードぶりを例に上げておきましょうか)。また「と学会」のそうした体質が、先の名誉毀損とはっきり同じ種類のものであることは、言を待たないでしょう。もちろん、岡田氏も唐沢も「と学会」の主要メンバーです。
これでは、ぼくの目の前ではいい事を言っても、陰では岡田氏たちと「伊藤のやつ、こんなことを言ってましたぜ。困った男ですね」などと笑いあってるのではないかと疑っても仕方のないところだと思います。
そういったことをチーフ・プロデューサー大泉氏に問うたところ、「そんなことはありません。弓削の名誉にかけて断言しますが、そのようなことはありません」との返事をいただきました。その場かぎりのリップサーヴィスにすぎないのかもしれませんが、それでも多少は救われました。
この日はまた、専任ディレクター広瀬氏から、岡田氏の伝言をいただきました。伊藤と個人的に話をしたいとのこと。マンガ夜話が終わってから連絡をする旨です。これについては「お待ちしています。しかし、メッセンジャーをしていただいたことをないがしろにするのではないですが、岡田さんにはご自分で直接連絡をしていただきたかったです」と答えました。なぜなら、わざわざ人を介したという事実を持って、岡田氏が本当に真摯な気持ちでぼくに相対する気があるのかどうか、疑うことができてしまうからです。逃げてんじゃないよということですね。
岡田さんからの連絡はお待ちしていますが、どうか、堂々と、正面から来ていただきたいと思っています。
ここまで、経過のすべてではありませんが、要点を記しました。
繰り返しますが、NHKの方の言葉によれば、岡田氏が「伊藤を出すな」と言われたのではないそうです。あくまでも判断はNHKによるもの<ということ>になっています。
ですが、レギュラーである岡田氏の意向を組んで、一度はゲスト出演をオファーした伊藤を「切った」格好になっていることは事実です。NHKとしては、岡田氏の体面を保つ必要があり、責任をかぶることにしたのしょうが、それでもやはり、岡田氏が「大人の対応」をされなかったという事実が残ってしまったことは確かです。岡田氏がやんわり言おうと強く言おうと、事実上の強制力を持ってしまったわけです。であれば、表向きNHKサイドがどう言っているかに関わらず、岡田氏が「出すな」と言ったことと等値にとらえられます。この事態が氏にとっても不利益となるのではないかと懸念しています。
この件を、オタク第一世代の「老害」と解釈するかどうかは、読むひとにお任せします。象徴的な事件として一般化することも可能ですが、それはぼくの側からは控えておきます。
ただ、BSマンガ夜話で伊藤が『よつばと!』について語るのを楽しみにされていた方、見たかったという方がもしおられましたら、番組にFAXを送り、その気持ちをNHKに伝えてくださればと存じます。もちろん、番組の雰囲気を壊してしまっては申し訳ありませんし、番組自体は楽しく進めていただきたいと願っていますから、どうか、剣呑な内容のFAXなどは謹んでいただくよう切にお願いいたします。
「オタキング にどとくんな!」なんて送っちゃ絶対にだめですよ。
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ただ、マンガ夜話の一視聴者として、この話題は放送終了後にしてほしかったと思います。
伊藤先生にその意思がなくとも、こうした状況の中では『剣呑な内容のFAXなどは謹んでいただくよう切にお願いいたします』がダチョウ倶楽部メソッドの『押すなよ!絶対押すなよ!! 』に聞こえてしまいます。煽っているようにさえ感じてしまうのは私の勘違いでしょうか。無事に放送されることを祈っております。
私個人としては、岡田氏に対しあまり良い印象を持っていませんし、伊藤先生の語るよつばと!の方が興味があります。ただ、マンガ夜話にとって岡田氏は必要な存在であり当然そちらを優先されると思います。岡田氏からしても、例えば今回のように、歪曲的に「老害」やら「オタキング にどとくんな!」など書かれると生放送で共演はやりづらいという気持ちになって当然かと思います。
失礼しました。
FAXに関してですが、これもチーフ・プロデューサー氏の言葉を受けての対応です。彼は「伊藤さん、若い世代にはいいひとが本当にいないんですよ」と言いました。もちろん「いない」のではなく、彼らが視界に入れず、見ていないだけです。また、10年ほど前まだ交際があった頃の岡田氏や唐沢は、ことあるごとに「自分たちより下の世代は駄目」と言っていました。最近もそうした発言がありましたよね。なので、何らかの形で意志表示がされないと、岡田氏らの言葉のみがNHKサイドに信じられ、いつまでたっても状況が動かないということになると考えました。
それと追記しておきますが、NHKの人々には、レギュラーを大事にされるのは当然です、と再三伝えておりますし、NHKに対してはまったく含むところはありません。
たしかに、このエントリーを発表したことによって、岡田氏の「ハードル」は上がったかもしれない。でもそんなの、越えればいいだけの話です。越えていただきたいです。真の意味で「和解」を考えるのならば、その程度の試練はあってもいいんじゃないでしょうか。理不尽な目に会わされたほうがただ「もう古い話だし、許しますよ」と言ったのでは、反省も何もあったものではないし、そういう態度は、実は岡田氏を馬鹿にしたものだと思います。
特にと学会がらみに矛盾を感じてしょうがない
推敲の余地有
では、あなたが添削してみてください。
書かれているように、NHKとしては
岡田氏は「ゲスト出演させるな」と言ったわけではない
と言うしかなかったと思いますが、NHKにしても岡田さんにしてもこの状況でその言葉が信じてもらえるだろうとは考えてないと思います。
この程度の反発は覚悟の上でしょうし、特に心配することはないんじゃないでしょうか。
和解したいのに何かやむを得ない理由で伊藤さんの出演に反対せざるを得なかったのなら、
「これで和解の意思はないと思われるんじゃ・・・?」とむしろ岡田さんの方が心配してるはずです。
それなら伊藤さんにわかってもらうべくこの後誠実なアプローチがあるでしょうし、大丈夫、きっと和解へ向かいますよ。
決裂するにしても今回のブログの内容が主原因なんてことにはならないと思います。
コメントを読んで、伊藤さんの意図することがようやく理解できました。
すなわち、伊藤さんが岡田さんと和解をしたいわけではなくて、
岡田さんが伊藤さんと和解したいなら話を聞かないことはないよ、ということですね。
少なくともこの記事を事実として捉えるなら、岡田さんは特に伊藤さんと和解をする気はないんじゃないでしょうか。
岡田さん自身に関しては、あまりいい話は聞かないですし、そういうことをしてもおかしくはないな、とは思いますが、
少なくとも伊藤さんに「和解したい(和解する、ではない)」気がないのであれば、放っておけばいいような気がします。
今回の一件で岡田さんは特にデメリットを感じてはいないはずですので、na0001さんの仰るようにハードルが上がった現状を岡田さんが乗り越えてまで伊藤さんと和解する必要を感じるかと言われると疑問です。