▲Norman Whitfield Dies At 672008年9月18日 音楽

Norman Whitfield Dies At 67

【モータウン・サウンドの立役者、ノーマン・ホイットフィールド死去】

訃報。

モータウンで多くのヒットを放ち、プロデューサーとして一世を風靡したノーマン・ホイットフィールドが2008年9月16日午後3時半頃、ロス・アンジェルスのシーダース・サイナイ病院で糖尿病のため死去した。EURweb(電子版)などが報じた。67歳だった。(65歳説もある)

ノーマン・ジェシー・ホイットフィールドは、1941年5月12日ニューヨーク・ハーレム生まれ。(1943年説もある=この場合65歳)  家族で、カリフォルニアで行われた親類の葬式から陸路ニューヨークに戻るときに、車がデトロイトで壊れ、そのままデトロイトに住み着いたという。1960年代初期から、ノーマンはデトロイトのローカル・インディ・レーベル、セルマ・レコードに出入りするようになり、ここでリチャード・ストリートのシングルなどをプロデュース。さらに、同じ頃デトロイトのモータウン・レコードにも出入りするようになった。当初はモータウン・レコードのスタジオの雑用などから始まり、当時モータウンでバレット・ストロングの「マネー」(1960年)のバックコーラスなども録音したという。続いてA&Rマン、ミッキー・スティーヴンスのアシスタントへ。最初のきっかけは、ミッキーと共同で作った「プライド・アンド・ジョイ」(マーヴィン・ゲイの歌でヒット=1963年6月)だった。独特のサウンドで多くのアーティストをプロデュースし、社内で注目されるようになる。

その後、1966年、テンプテーションズの「エイント・トゥ・プラウド・トゥ・ベッグ」をプロデュース、これが大ヒットしたことによって、以後、テンプス作品を次々とプロデュースするようになった。「テンプス=ホイットフィールド・チーム」が生み出したヒットは、「ビューティー・イズ・オンリー・スキン・ディープ」「(アイ・ノウ)アイム・ルージング・ユー」「アイ・ウィッシュ・イット・ウド・レイン」「クラウド・ナイン」「ランナウェイ・チャイルド、ランニング・ワイルド」「サイケデリック・シャック」「パパ・ウォズ・ア・ローリング・ストーン」など多数。彼が作り出したサウンドは、当時のロック・サウンドとも関連し、独特の「サイケデリック・ファンク」などとも呼ばれたファンキーなもの。特にテンプスのリード・シンガー、当初はデイヴィッド・ラッフィン、続いて、デニス・エドワーズの迫力ある声とあいまって、新時代のモータウン・サウンドの牽引車となった。だが、テンプスのメンバーは、ノーマンのサウンド優先の強引な録音の仕方に徐々に反発、1970年代中ごろまでに、両者は袂を分かつことになる。

1967年、彼はマーヴィン・ゲイで録音した自信作「アイ・ハード・イット・スルー・ザ・グレイプヴァイン(悲しい噂)」を録音し、モータウンの有名な「金曜日の会議」(翌週リリースするシングル盤をどれにするかを決める会議)に出すが、会議で却下され失望。しかし、同曲を改めてグラディス・ナイト&ピップスで再録音、これはなんとか会議を通過、全米リリースされると1967年10月からヒット、ソウル・チャートで6週間1位になった。だがこの曲のマーヴィン・ヴァージョンに固執したノーマンは、シングル・リリースが却下されたマーヴィンの「悲しい噂」をマーヴィンのアルバム中の1曲として入れてくれるよう懇願、1968年その望みを果たす。すると、全米のDJたちが、マーヴィンの「悲しい噂」をアルバムから「アルバム・カット」として頻繁にプレイ、ついに一般人気からモータウンはシングル・カットを余儀なくされリリース、1968年11月からヒット、ソウル・チャートではグラディス・ヴァージョンを超える7週間1位、ポップ・チャートでもマーヴィンにとって初のナンバー・ワン・ヒットとなった。

その後、レア・アース、アンディスピューテッド・トゥルース、エドウィン・スター(「ウォー」)などをてがけ、1975年、モータウンから独立、1976年、MCAで映画『カー・ウォッシュ』のサウンドトラックをてがけ、大ヒットを送り、さらに1977年、自身のレーベル、ホイットフィールド・レーベルをワーナー・ブラザース傘下で設立。もともとエドウィン・スターのバック・バンドだったローズ・ロイス、スターゲートなどのアーティストでヒットを送り出した。

しかし、モータウンを離れてからは、『カー・ウォッシュ』の大ヒット以外、主だったヒットは生まれなかった。1983年3月、カリフォルニア・パサディナでモータウン・レコード25周年記念イヴェントが行われ、テンプスやフォー・トップス、マーヴィン・ゲイらが元気なステージを見せ、さらにマイケル・ジャクソンがジャクソン5との再結成、ソロとして「ビリー・ジーン」を見せ、大きな話題を集めた。しかし、モータウン・サウンドの貢献者のひとりノーマンはここに招待されず、人知れずチケットを買い、ライヴを見ていたという。

マーヴィン・ゲイの「悲しい噂」は、2001年、グラミー賞ホール・オブ・フェイムを獲得した。また、2005年1月、ノーマンは脱税で起訴されたが、健康問題を理由に、服役せず25000ドルの罰金と半年の自宅拘束となった。近年は糖尿病を患っていた、という。

ノーマン・ホイットフィールドがてがけた主なヒット。(EURwebより)

1963: "Pride & Joy" - Marvin Gaye
1964: "Too Many Fish in the Sea" - The Marvelettes
1964: "Needle in a Haystack" - The Velvelettes
1964: "He Was Really Sayin’ Somethin’" - The Velvelettes
1964: "Girl (Why You Wanna Make Me Blue)" - The Temptations
1966: "Ain’t Too Proud to Beg" - The Temptations
1966: "Beauty Is Only Skin Deep" - The Temptations
1966: "(I Know) I’m Losing You" - The Temptations
1967: "I Heard It Through the Grapevine" - Gladys Knight & the Pips, also recorded by Marvin Gaye and Creedence Clearwater Revival
1967: "You’re My Everything" - The Temptations
1967: "I Wish It Would Rain" - The Temptations
1968: "I Could Never Love Another (After Loving You) - The Temptations
1968: "The End Of Our Road" - Gladys Knight & The Pips
1968: "Cloud Nine" - The Temptations
1969: "Friendship Train" - Gladys Knight & the Pips
1969: "Runaway Child, Running Wild" - The Temptations
1969: "Too Busy Thinking About My Baby" - Marvin Gaye
1969: "I Can’t Get Next to You" - The Temptations
1969: "Don’t Let The Joneses Get You Down" - The Temptations
1970: "You Need Love Like I Do (Don’t You)" - Gladys Knight & The Pips, also recorded by The Temptations
1970: "Psychedelic Shack" - The Temptations
1970: "Hum Along and Dance" - The Temptations (later covered by Rare Earth and The Jackson 5)
1970: "Ball of Confusion (That’s What the World Is Today)" - The Temptations
1970: "War" - Edwin Starr
1971: "Smiling Faces Sometimes" - The Undisputed Truth, originally recorded by The Temptations
1971: "Just My Imagination (Running Away with Me)" - The Temptations
1972: "Papa Was a Rollin’ Stone" - The Temptations
1973: "Masterpiece" - The Temptations
1973: "Let Your Hair Down" - The Temptations
1976: "Car Wash" - Rose Royce
1976: "I’m Going Down" - Rose Royce
1976: "I Wanna Get Next to You" - Rose Royce
1977: "Ooh Boy" - Rose Royce
1977: "Wishing on a Star" - Rose Royce
1978: "Love Don’t Live Here Anymore" - Rose Royce

EURweb:
http://www.eurweb.com/story/eur47128.cfm

ご冥福をお祈りしたい。

■ 関連書籍 

『モータウン、わが愛と夢』(ベリー・ゴーディ著)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/492488068X/soulsearchiho-22/ref=nosim/

『モータウン・ミュージック』(ネルソン・ジョージ著)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152033398/soulsearchiho-22/ref=nosim/

ENT>OBITUARY>Whitfield, Norman (May 12 1941 - September 16, 2008, 67)

■Soul Power Summit 2008: Coming Up This Week End & Oka Nobuaki Foot Painting2008年9月17日 音楽

Soul Power Summit 2008: Coming Up This Week End & Oka Nobuaki Foot Painting

【ソウル・パワー・サミット2008東京いよいよ今週末】

全力。

今年で3年目を迎えるソウル・ミュージック好きの日本のアーティストたちが一堂に会して行う大型イヴェント「ソウル・パワー・サミット2008」の東京公演がいよいよ今週末、9月20日(土曜)、9月21日(日曜)、国立代々木競技場第一体育館で行われる。出演アーティストは、鈴木雅之、ゴスペラーズ、スクープ・オン・サムバディーのソウル・トライアングルに、今年は2年ぶりにカンバックしたゴスペラッツ、さらに、ダンスマン、ジェイ&ズーコ、また、伊藤由奈、メイJ、メティス、福原美穂などの新進気鋭のアーティストも参加する。

リーダー的存在のマーチン、ゴスペラッツの時間帯は、裏テーマとして昨年亡くなったソウル界の重鎮「ニック岡井&ドン勝本トリビュート」がある。特に鈴木雅之の最新アルバム『マティーニ・デュエット』には、ニック岡井のグループ、「クック・ニック&チャッキー」が大ヒットさせ、今ではディスコの定番となった「可愛いいひとよ」をコック・マック&ノッキーという名義でカヴァー。これは、ブラザー・コーン、マーチン、木梨憲武のスペシャル・ワンタイム・ユニットだ。この「可愛いいひとよ」は、ドン勝本とニック岡井、そして、マイケル鶴岡の3人から成る「キング・オブ・ソウル」もカヴァー。ドン、ニックとともに日本のソウル界、ディスコ界に多くのダンスステップを作ったことなどで大きな足跡を残したので、これをカヴァーすることによって、ニック、ドンへのトリビュートとする。ニック、勝本氏らとともに「キング・オブ・ソウル」の一員として活躍してきたマイケル鶴岡は、ゴスペラーズの作品のいくつかも振り付けを担当、ソウル色を強く出している。

また、同時にニック岡井が多くのソウル・ヒットにあわせ、足元に絵の具をつけて踊り、それをキャンヴァスの上に印した「フット・ペインティング」というアート作品を作った岡伸昭の「アフター・ザ・ダンス~ゲット・オン・ザ・グッド・フット」の作品2-3点と、そのニックの靴などを会場に展示して、同じくニックへトリビュートする。岡の作品は、「BEAMSプレゼンツ 岡伸昭 × ニック岡井 フット・ペインティング AFTER THE DANCE ~ Get On The Good Foot」として、来る10月16日から新宿本店のビームス内「Bギャラリー」でも個展が開かれるが、そのショーケースとして、この「ソウル・パワー」でも作品が展示されることになった。

今回も、前回同様これら多彩なアーティスト、シンガーのバックを、大阪のナニワ・エクスプレスと、スクープ・オン・サムバディーが、交代でつとめ、アーティストの入れ替え時間をなくす。これによって観客は、中だるみすることなく、ライヴを楽しめる。すでに9月6日、大阪で行ってきたが、これは4時間半以上になったので、東京もそれに近くなるかもしれない。

「ソウル・パワー・サミット」は、2006年、マーチンこと鈴木雅之とゴスペラーズ、さらにスクープ・オン・サムバディーの3組がそれぞれソウル・ミュージックが好きということから、なにか「ソウル」をキーワードにイヴェントができないか、と始まったもの。今年で3回目。前回は武道館だったが、今回はより大きな代々木第一体育館だ。それぞれ5時半から開演となる。

今年は、正式に発表されているアーティストのほかに、若干のシークレット・アーティストもいるようで、そのあたりの「サプライズ」も楽しみの一つ。

今週日曜(14日)、インターFM『ソウル・ブレンズ』に出演予定者のひとり、ブラザー・コーンが特別ゲスト出演し、この「ソウル・パワー」について、縦横無尽に語り、その楽しさを予告していった。ブラザー・コーンも言うとおり、「何が起こるかわからない。ソウル好きが集まった超エキサイティングな全力投球のソウル・イヴェント」になる。当日券が若干出るので、まだチケットをお持ちでない方は、直接会場へ直行。

■ ソウル・パワー・サミット2008

日時2008年9月20日(土)、21日(日)
会場 国立代々木競技場第一体育館
開場 16時30分 開演 17時30分 (約4時間超の予定)
チケット全席指定 7000円(税込み)チケットぴあ、ローソンチケットなど。
問い合わせ ディスクガレージ 03-5436-9600 (平日12時~19時)
出演アーティスト 鈴木雅之、ゴスペラーズ、スクープ・オン・サムバディー、ゴスペラッツ、ダンスマン、ジェイ&ズーコ、伊藤由奈(9月20日のみ)、メイJ、メティス(9月20日のみ)、福原美穂(9月21日のみ)など。
オフィシャルウェッブ http://www.soulpowersummit.com/

■BEAMS Presents岡伸昭 × ニック岡井 フット・ペインディング
"AFTER THE DANCE ~ Get On The Good Foot"

期間 2008年10月16日(木)~11月18日(火)11時~20時 <会期中無休>
場所 : B GALLERY (BEAMS JAPAN 6F)
東京都新宿区新宿3-32-6
TEL : 03-5368-7309  http://www.beams.co.jp

ENT>ANNOUNCEMENT>Soul Power

●Kurosawa Kaoru & Sweet Chili : From Gene Kelly To R.Kelly2008年9月16日 音楽

【黒沢薫ライヴ~ヴァーサタイルなソング・スタイリストを目指す】

歌好き。

約1年ぶりの黒沢薫ソロ・ライヴ。今回は、会場を六本木スイート・ベイジルに移して2日計4回公演、すべてソールドアウト。会場入口あたりから、ずいぶんとカレーの香りがするなと思ったら、限定60食で黒沢さんのレシピによるカレーを出していた。運良くそのカレーにありつけ、食べたのだが、最後ライスがなくなりカレーが若干残った。なんでだ。でもカレーおいしかった。

BGMでフランク・シナトラが静かに流れている。まもなく、暗転し、バンドがでてきてイントロへ。そして、「ウィンディー・ラヴ」さらにメドレーで「あまく危険な香り」。前回もこの流れで始まったが、ここのメドレーは実にいい流れを作る。そして、今回は、昨年の雨を思い、「レイニー・デイズ・メモリー」と題して、雨ソングをメドレーで。そのトップは、ジーン・ケリー、フランク・シナトラでおなじみの「雨に唄えば」。

黒沢さんは、このところすごくよくフランク・シナトラを聴いていて、かなり勉強したそうだ。そして、フランク・シナトラ、マーヴィン・ゲイ、ダニー・ハサウェイ、スティーヴィーのように、ソウルもポップもあらゆるタイプの歌を歌えるヴァーサタイル(多様性のある)なソング・スタイリストを目指したい、という。そこでライヴが始まる前のBGMはフランク・シナトラにしたそうだ。

「雨メドレー」は、ピアノの松本圭司さんと2人だけ。「イン・ザ・レイン」をピアノ1本のバックで歌うとは驚いた。この2人のアコースティック・セットも味わい深い。「はじまりはいつも雨」が歌われて、僕はこの曲を知らなかったので、隣の松尾潔さんに尋ねると、「これは、チャゲアスの飛鳥さんのソロで、けっこう大ヒットです」と教えてくれた。「ほんと、邦楽、ご存知ないんですねえ」と呆れられ、続く曲で「ちなみに、これは黒沢さんのソロで、僕が作詞してるんです」との解説が。勉強になるなあ。やはりライヴは松尾先生と見ないと。

そして、続いてはディズニーから2曲。「ホール・ニュー・ワールド」は、なんとこの日のスペシャル・サプライズ、平原綾香さん。前日は、ベース下野さんがプロデュースしているナオ・ウェストがデュエットを披露したという。平原さんは声が実に低く、一方、黒沢さんの声がハイヴォイスなので、普通の男女デュエットと逆なので、ものすごく新鮮だった。彼女はアンコールでもういちどマーヴィン&タミーのデュエットを歌ったが、こちらはさらにソウルフルになり、彼女がソウルのカヴァー・アルバムを作ったら、かなり強力なものが出来るのではないかと思った。黒沢&平原デュエット作品は、いずれ何かの形でCD化するといいと思う。

「電話のむこう」のところで衣装チェンジ、白のスーツから、皮ジャケ&ジーンズに。そして、Rケリーとジョーという稀代のエロエロ・ソウル・シンガーをカヴァー。ここで、腰をぐりぐり動かすバンピン・グラインドを披露するが、なぜか観客の反応が静かだった。全体的にこの回は観客が静かだったように感じた。R&B系のライヴだったら、ここでやんやの喝采、歓声が巻き起こるところなのだが。さらに、ジャケットを脱ぎ、白のタンクトップだけになり、それをはだけさせるのだが、なんと体にキラキラ・ラメが!! もう思い切って、タンクトップ、どうせなら、破いてしまえばいいのに、と思って、ライヴ後そう言ったら、「破いちゃったら、もったいないじゃないですか(笑)」と笑って返された。ジョーの「オール・ザ・シング」で、観客から花が続々とステージの彼の元に手渡されたが、「吉岡せんせいのブログの影響でしょうか」と言ったのだが、そう言われて、前回そんなことを書いたことを思い出した。(笑)

アンコール最後「遠い約束」の途中では、マイクを離し、オフマイクでワンフレーズ歌う。小さな会場に彼の生声が響く。途中のMCで「この前、サム・ムーアのライヴを見たんですけど、彼は72歳なんですね。でも、全盛期のときより声が出てるんじゃないかと思うほど、現役なんですよ。僕も70歳になっても歌っていたいと思っています」と70歳まで歌い続ける宣言。

同行松尾潔さん「黒沢さん、ほんとに歌歌うのが好きって感じですよね」。「そうそう、ほんとほんと。カラオケ行っても、マイク離さないもんね(笑)」と僕。黒沢さん「今回(3回目)で、なんとなく自分がソロとしてやりたいことが見えてきた。もちろん、グループでやることが前提にあって、ソロとして来年かあるいは次回やるときはもう少し回数を増やし、地方にも回りたい」と抱負を語ってくれた。彼はどこでも歌うし、どこでも飛び入りするし、本当に歌好き、歌うことが好きなんだなあ、とつくづく思う。

■前回過去記事

September 07, 2007
Kurosawa Kaoru: You Are In The Circle Of Destiny
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200709/2007_09_07.html

April 06, 2006
Kurosawa Kaoru Live "Love Unlimited"
http://blog.soulsearchin.com/archives/000934.html

March 24, 2006
Kurosawa Kaoru Solo Live; Knowing Main Ingredients Of Group
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_03_24.html

■ メンバー

黒沢薫 (Vocal)
松本圭司(Key.Pf, Musical Director)下野人司(B)福原将宣(Gt)田中栄二(Ds) Kazco(Cho)maru(Cho)富永祐輔(Cho)
平原綾香 (スペシャル・ゲスト)

■セットリスト 黒沢薫 スイート・ベイジル139
Setlist : Kurosawa Kaoru @ Sweet Basil 139, September 15, 2008
[ ] indicates original artist

show started 19:30
00. Opening Theme
01. Windy Love ~ あまく危険な香り[山下達郎]
02. 雨ソングメドレー (Rainy Days Memories)
Singing In The Rain [Gene Kelly, Frank Sinatra] ~
Raindrops Keep Fallin’ On My Head [B.J.Thomas] ~
In The Rain [Dramatics] ~
Umbrella ~
はじまりはいつも雨 [飛鳥]~
After The Rain
03. So Close [Disney Movie "Enchanted 魔法にかけられて"]
04. A Whole New World ( Aladdin’s Theme) [Disney, Peabo Bryson &Regina Belle] (with 平原絢香)
05. 電話のむこう ~
Bump N’ Grind [R. Kelly] ~
All The Things (Your Man Won’t Do) [Joe]~
流星 
06. Groovin’ ~ Happy People [R.Kelly]~ Groovin’
07. アンジュナ
Enc. Your Precious Love (with 平原絢香)[Marvin Gaye & Tammi Terrell]
Enc. 遠い約束
show ended 22:00

(2008年9月15日月曜、六本木スイート・ベイジル139=黒沢薫ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Kurosawa, Kaoru
2008-157

⊿Akiya Eriko & Brenda Vaughn2008年9月15日 音楽

【秋谷えりこさんライヴにブレンダ・ヴォーン】

いつか。

「ソウル・レジェンド・ウイーク」の週末、ブレンダがブルース・アレーでピアノの秋谷えりこさんのライヴで歌うというので、仕事を終えて後半、顔をだした。ちょうど階段を下りていくときに流れてきたのが、アースの「セプテンバー」。のりのりだった。秋谷さんを見るのは初めて。ドラムスがトミー・キャンベル、もともとのベースが小松さんということで、ソウルっぽいものかな、と想像していたが、そんな感じ。ただし、ベースは急遽小松さんはキャンセルで川嶋さんという方になっていた。秋谷さんは、ちょっとハービー・ハンコックを思わせるフレーズがあった。そして、トミーのドラムはいつも大きい。

すぐにブレンダが登場。いきなりビリー・ホリデイ曲だ。イントロは、マサさん。このところよく会う。かなりファンキー。後半のブレンダの歌いっぷりはすごい。あの小さな体のどこから、あんな声量がでるのだろうか。ブレンダはその後、シャカを歌いこみ、アンコールでサム・ムーアが歌った「ユー・アー・ソー・ビューティフル」を。これなど、壮大なゴスペル・クワイアーをバックに歌ったらかなり映えると思った。もう、このあたりの楽曲はブレンダ、まちがいない。ほんと、「TOKYO LADY SOUL NUMBER ONE」と名付けたが、「TOKYO」という冠詞、タイトルでは申し訳ない。ジャズ、ファンク、ソウル、ポップ、ゴスペルとなんでも歌える。「ユー・アー・ソー・ビューティフル」、実に素晴らしかった。聞き入った。これは、しばらくブレンダの持ち歌、アンコール曲になるね! いつか、サム・ムーアとのデュエットでも聴いてみたい。

■ メンバー

(Pf/Key)秋谷えりこ (B)川嶋一久 (Ds)Tommy Campbell (Sax)かわ島崇文(Vo)Brenda Vaughn (G)小浜マサ

Incomplete Setlist
(21:47)
0. September [Earth Wind & Fire]
0. God Bless The Child [Billie Holiday] (Brenda)
0. Through the Fire [Chaka Khan] (Brenda)
0. I Wish [Stevie Wonder]
Enc. You’re So Beautiful [Billy Preston] (Brenda)
Enc. My Cherie Amour [Stevie Wonder] (Brenda)
show ended 23:05

(2008年9月5日金曜、目黒ブルース・アレー=秋谷えりこ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Akiya, Eriko
2008-150

△Sakai Yu Live 2008年9月14日 音楽

【さかいゆうライヴ】

方向性。

以前にマルがらみでライヴを見たり、何度かライヴ会場などで遭遇しているさかいゆうのライヴ。ひょんなところから、別ルートで誘われ、フルショウを見た。

ドラムス、ギター、ベース、そして本人のキーボード&ヴォーカル、コーラス2人という編成で、このバンドもなかなかグルーヴがあっていい。さかいゆうの声は、ハイヴォイスで少しファルセットっぽいところもある。ちょっと平井堅や甘い徳永英明、洗練されたAORっぽいところは南佳孝みたいなところを思わせる。各曲ともなかなかいい雰囲気をもっていて、平均点はいってると思う。個人的にはスロー・バラードより、ミディアムからアップテンポの曲のほうが彼の雰囲気にあっているような気がした。だがバラードにもいいところがある。

冒頭3曲のメドレー一気がのりのりでいい感じ。うまく言えないのだが、全体的には、「ニュー・クラシック・ソウル」をJポップにしたという感じか。アンコールでジャム・セッションぽく、オープニングを務めたバンド・メンバー(マウンテンモカキリマンジャロ)らと「ホワッツ・ゴーイング・オン」をやった。

彼の声がなかなかユニークなので、これを前面に押し出すのか、あるいは、バンド・サウンドで行くのか、あるいは、ソングライターとしていい楽曲を他のシンガーに提供していって実績を作っていくのか、そのあたりのアーティストとしての方向性を決めていくことが課題なのだろう。いいシンガーなのでまたライヴがあれば、見に行くと思う。

■さかいゆうオフィシャル・ウェッブ
http://profile.ameba.jp/sakai-yu/

■過去記事

September 08, 2006
Maru, Sakai Yu Live
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200609/2006_09_08.html

■メンバー

さかいゆう(ヴォーカル、キーボード)
小森耕造(ドラムス)
鈴木渉(ベース)
Swing-O (キーボード)
Maru(コーラス)
Tsubaki (コーラス)

■セットリスト さかいゆう 
Setlist : Sakai Yu "What’s Goin’ On - Vol.9", O-Next, Shibuya, September 9, 2008

show started 20:45
01. Yu’s Groove
02. 月明かりのメランコリック
03. Midnight U...
04. ワビサビSoul
05. ポロリ
06. キミに
07. よくばりホリデイ
08. ふるさと2008
09. 今日もウタう
10. ケセラセLife
Enc. 夏の終わりのハーモニー
Enc. Shibuya Night
Enc. What’s Going On
show ended 22:16

(2008年9月9日火曜、渋谷オーネスト=さかいゆうライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Sakai, Yu
2008-152

▽S.M.V.: Stands For Stanley, Marcus, Victor2008年9月13日 音楽

【3人のスター・ベース・プレイヤーが集結】

三者三様。

しかし、誰が一体こんなことを考えたんだろう。稀代のスーパー・ベース奏者を3人も集めてCDを作って、ひとつのステージに立たせる、なんて。みな、それぞれでソロ・パフォーマンスができ、しかもそれなりの集客も可能なアーティストたちばかりが一堂に会する。しかも、その楽器がベースである。ギターやキーボードではない。

と思って調べてみるとこんなことがわかった。2007年10月、ニューヨークで「ベース・マガジン」主催のイヴェントでヴェテラン、スタンリー・クラークを表彰することになり、そのとき、3人がワンタイム・パフォーマンスを900人の観客の前で見せた。するとそのときの観客の反応が圧倒的で、また、3人自身も素晴らしい手ごたえを感じたので、2008年1月、3人でスタジオに入り、アルバムを録音。それが8月にリリースされ、アルバムをサポートする意味でツアーに出た、というわけだ。

一体、3人のベースが同時に鳴ったらどうなるのだろうか。音の区別はできるのか。まったく見当もつかずライヴを見た。ステージ下手(舞台向かって左)から、スタンリー・クラーク(1951年6月30日生まれ)、マーカス・ミラー(1959年6月14日生まれ)、ヴィクター・ウーテン(1964年9月11日生まれ)の3人が立ち、後ろにドラムスとキーボードがいる。

一言で言えば、3人がそれぞれ弾いたり、2人で弾きバトルを繰り広げたり、3人バトル、インタープレイをしたり、という感じだ。三者三様のプレイを目の前で繰り広げ、それがしっかりと見られるところがおもしろい。各人の曲がプレイされるが、それを他の2人がそれなりの味付けでプレイしたりする。

おもしろかったのは、4曲目マーカス作品「ツツ」のところ。マーカスがベースからクラリネットになり、そのとき、最初ヴィクターが中心になってベースを弾き、次にスタンリーがベースを弾いた。そのスタンリーは、「ミラノ」ではアコースティック・ベースを存分に叩いた。

3人とも指を弦に当てて演奏するチョッパー奏法でバチバチやることも多いのだが、一方でベースをギターのように使い、メロディアスなメロディーも弾いてしまうところもおもしろい。いつの間にか、そのベースプレイに集中してしまっていた。やはり、演奏家が超一流だからなのだろう。見惚れてしまう、というか。難しいことをやっているのに、そうは見せない、そのあたりがプロたるゆえん。そして、各曲で、相当各人に「自由なスペース」が与えられているような気もした。これだけスペースがあれば、3人とも、そして、キーボードもドラムスも、みな思い切りエンジョイしてプレイできるにちがいない。

基本は、彼ら3人が出したアルバム『Thunder』収録の曲が中心。こういうのを観ていると、まさに音楽はバトルだ、と思う。観客は圧倒的に30代から40代と思われる男性が多く、男女比は9:1くらいではないだろうか。みな、ベースをたしなむ、もしくは、この種の音楽が好きな人たちが多いような感じがした。そう、彼らが演奏しているとき、テーブルの下で指でチョッパーをやるかのように、エア・ベースをみんながしているように思えた。

■アルバム S.M.V.『サンダー』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001BOBZ26/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■メンバー

スタンリー・クラーク/Stanley Clarke(Bass)
マーカス・ミラー/Marcus Miller(Bass)
ヴィクター・ウッテン/Victor Wooten(Bass)
フェデリコ・ゴンザレス・ペナ/Federico Gonzalez Pena(Keyboards)
デリコ・ワトソン/Derico Watson(Drums)

■セットリスト SMV 
Setlist : SMV (Stanley, Marcus, Victor) @Billboard Live, September10,2008
LOS MAESTROS DE LAS FRECUENCIAS BAJAS

show started 21:31
01. Los Maestros De Las Frecuencias Bajas
02. Thunder
03. Mongoose Walk (Victor)
04. Tutu (A riff of "When I Fall In Love") (Marcus)
05. Milano (Stanley)
06. Grits
Enc. School Days
show ended 22:53

(2008年9月10日水曜、ビルボード・ライヴ・東京=SMVライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>SMV
2008-153

☆Kishita Kohshi Live At Blues Alley: Started With "Sun Goddess" With Sunglass2008年9月12日 音楽

【木下航志~四季毎にライヴ】

黒サングラス。

目黒ブルーズ・アレーで3ヶ月に1回ほど定期的にライヴを行うようになった木下航志のシリーズ『ドゥ・ザ・ソウル』第2弾。いきなり、マサ小浜のカッティング・ギターから始まったショウのオープニングはアース・ウィンド&ファイアー、ラムゼイ・ルイスの「サン・ゴッデス」。おおおっ。そして、矢継ぎ早に山下達郎さんの「ラヴ・スペース」へ。こういう曲、けっこうあってるかも。この日は初めて黒いサングラスをかけ、おしゃれな帽子姿で登場。なかなかいい感じ。ちょっと「ミニ・ブルース・ブラザース」みたいだ。あるいは、サングラスをかけたマコーレ・カルキンか。

そして、スティーヴィー、レイ、ダニーというお気に入りアーティスト3連続。この「サムデイ・ウィル・オール・ビー・フリー」は相当よかった。この日全曲の中で1番だったかもしれない。特に最後の「フリー~~~」という部分の声の伸びなど見事。本人曰く「ダニーが乗り移ってしまいました」はあながち大げさではない。

マーヴィン・ゲイ&タミー・テレルで知られる「エイント・ノー・マウンテン…」は、航志くんと東京レディー・ソウル・ナンバー・ワン、ブレンダ・ヴォ~~~ンとのデュエット。航志くんによれば、ヴォーンの発音、ボーンではだめだそうで、ちゃんとV音を発音して、ヴぉ~~~んと言わなければ怒られるそうだ。(笑)発音、大事です。

第二部のオープニングは、チック・コーリアの「スペイン」。これは、航志くんのピアノの先生、フィリップ・ウーのレッスンでの課題曲だったそうで、何度かやっているうちに、じゃあ、ライヴでやろうということになった。なかなか難しいはずの曲だが、うまくこなしていた。ところで、航志くんのピアノ・プレイを聴いていて、ふと「フィリップの影響」を感じるところが何度となくあった。フィリップみたい、というフレーズ、タッチなのだが、その影響を受ける航志くんもすごいが、フィリップ節というのを持っているフィリップも改めてすごいと思ってしまった。

ダニーの最後の「…フリー…」というところもすごかったが、「ホワッツ・ゴーイング・オン」の最後の「ゴーイング…オ~~ン」とくるところも見事。

アンコール2曲目でアル・グリーンの曲を歌うが、このとき、「スペシャル・ゲストが来ています」と言って、紹介したのが、神野ゆりさん。ゆりさん本人も話を聞いてなくて、「スペシャル・ゲストって誰だろう」と思って、きょろきょろしていたら自分の名前が呼ばれてびっくり仰天だったそうだ。そして、「レッツ・ステイ・トゥゲザー」をブレンダ、航志、ゆりの三つ巴で歌った。ゆりさんは、モーションでのKくんライヴを観てから、こちらのセカンドにライヴはしご。そして、ここでの圧巻は、途中、フィリップと航志くんのアドリブ・ピアノ・プレイ。フィリップが何音かその場で弾いたのを、航志くんがそれをそっくりになぞる。もちろん、フィリップのフレーズはその場ででてきたもので、航志くんはその瞬間瞬間に、聴いたものを弾いたのだ。すごいと思った。

それにしても、航志くんはもうすっかり舞台慣れしていて、途中のMCもとぼけていて、おもしろい。別に笑わせようとして話してるのではないのだが、「間」がおもしろいんだろう。

あとはここまでのレベルになると、英語の発音にさらなる磨きをかけたいところ。ブレンダ先生か、フィリップ先生に英語の特訓もしてもらおう。(笑)

+++++

航志くん、次のライヴすでに決定。2008年12月5日(金)、ブルースアレーで。また、神野ゆりさん、10月16日(木)、横浜モーション・ブルーで単独ライヴ決定。ブレンダ・ヴォーン、12月27日(土)ブルースアレーで。それぞれライヴ決まってます。予約はお早めに! 

また、これは改めてレポートしたいと思いますが、我らがフィリップ・ウー、明日から旅立って、な、な、なんと約10年ぶりにフランキー・ベヴァリー&メイズに参加。一月ほど前に聞いていたのだが、まだ書くな、と言われていた。が、やっと許可がでました。(笑) デトロイト→バルティモア→クロイデン→ロンドン・ハマースミスオデオン(3日間)の約10日の旅。フィリップ特派員に写真、セットリストなどを送ってくれと言っておきましたので、クインシー・ライヴ・レポ以来の海外特派員レポートになるかもしれません。フィリップ入りのメイズ、みたいなあ。たのしみ~~。

■ 木下航志 最近の過去記事

June 09, 2008
Kishita Koushi First Live At Blues Alley
http://blog.soulsearchin.com/archives/002562.html
(ここに過去記事一覧リンクがあります)

July 18, 2008
Kishita Koushi & Les Freres Live
http://blog.soulsearchin.com/archives/002611.html

■ メンバー

木下航志 『Do The Soul!! vol.2』 @BAJ on 11th September 2008

(Vo/Pf/Rhodes)木下航志 (HAMMOND A-100)Phlip Woo (B)Takeshi Namura (G)Masa Kohama (Ds)Bert Adams (Vo)Brenda Vaughn (Vo/Sax)Pierre Andre
(Jump in) Kamino Yuri (Vocal)

■ セットリスト 木下航志

Setlist : Kishita Kohshi @ Blues Alley, Meguro, September 11, 2008
[ ] original artist

show started 19:41
01. Sun Goddess [Ramsey Lewis, Earth Wind & Fire]
02. Love Space [山下達郎]
03. Ribbon In The Sky [Stevie Wonder]
04. Georgia On My Mind [Ray Charles]
05. Someday We’ll All Be Free [Donny Hathaway]
06. 午前4時 [Kishita Kohshi]
07. My Cheri Amour [Stevie Wonder]
08. Ain’t No Mountain High Enough [Marvin Gaye & Tammi Terrell]
show ended 20:35

second set
show started 21:00
09. Spain [Chick Corea]
10. Mess Around [Ray Charles]
11. Superstar [Leon Russell, Carpenters, Luther Vandross]
12. Route 66 [Nat King Cole]
13. Don’t Let Me Down [Beatles]
14. We Got Rhythm [Philip Woo]
15. What’s Going On [Marvin Gaye, Donny Hathaway]
Enc. I Shall Be Released [Bob Dylan]
Enc. Let’s Stay Together (with Kamino Yuri, Brenda) [Al Green]
Enc. 蘇州夜曲 [服部良一・作1940]
show ended 22:14

(2008年9月11日木曜、目黒ブルース・アレー=木下航志・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Kishita, Kohshi
2008-154

◎Robben Ford Live : Quietness Before Storm2008年9月11日 音楽

Robben Ford Live : Quietness Before Storm

【嵐の前の静けさ~ロベン・フォードのライヴ@東京ジャズ】

ブルーズ。

1972年以降、すでに20枚近くのアルバムを出している白人ブルーズ系ギタリスト、ロベン・フォード。元イエロー・ジャケッツというとわかる人も多いかもしれない。今回東京ジャズで日曜昼の回に登場。つまり、サム・ムーア、スライの前だ。ちょっとこの3組の組み合わせではロベンがかわいそうな気がする。

基本どんなアーティストでも愛情を持って見守る博愛主義ソウル・サーチャーは、この自分にとってはお初のトリオをゆったり見た。ドラムス、ベースにロベンの歌とギターというシンプルな編成。彼のブルーズ好きのギタリストという顔がよくわかった。派手さはないが、まじめなミュージシャンで僕は好感を持った。

「これは、BBキングにトリビュートする曲」と言って歌いだしたのが、「ライリー・B・キング」という曲。途中にBBキングが弾きそうなフレーズをまぶす。思わず「ほ~~」となった。

8曲目の「ラヴィン・カップ」は白人ブルーズ・ハーモニカ奏者、ポール・バターフィールド(1942年~1987年)の作品。ロベンの1998年の『オーソライズド・ブートレッグ』というタイトルのアルバムに収録されたもの。これはオークランドのライヴ・ハウス、「ヨシーズ(Yoshi’s)」で1995年に録音されたもので、ギター一本でプレイしたこのトラックが彼の評判を高めたという。また、ロベンは、バターフィールドへトリビュートしたアルバム(1991年)も作っている。

実はロベンの回は、彼が曲名をMCでしゃべった以外ほとんどわからなかったのだが、スライが終わった後、ロビーにサムとロベンの演奏曲目、つまりセットリストが張り出された。さっそくそれを写して、セットリストが完成。出自アルバムを調べると、2007年の最新作『トゥルース』からの作品が多かったということになる。

(このところ、スライ、サムのソウル・ジャイアンツ・ウィーク特別編成のために従来の記事が滞っております。本記事のように順次見たものは遅れてもアップしていきますので、ご了承ください。ブレンダ・ヴォーン、さかいゆう、SMVもアップします)

■メンバー

ロベン・フォード Robben Ford(guitar, vocal)
トラビス・カールトン Travis Carlton(bass)
トス・パノス Toss Panos(drums)

■セットリスト ロベン・フォード @東京ジャズ 国際フォーラム
Setlist : Robben Ford @ Tokyo Jazz, Kokusai Forum A, August 31, 2008
[ ] indicate the album / released year

show started
01. Lateral Climb ["Truth" 2007]
02. Indianola ["Blue Moon" 2002]
03. Supernatural ["Supernatural" 1999]
04. Riley B King ["Truth"]
05. Cannonball Shuffle ["Keep On Running" 2003]
06. There Will Never Be Another You ["Truth"]
07. Peace On My Mind ["Truth"]
08. Lovin’ Cup (Paul Butterfield) ["The Authorized Bootleg" 1998]
show ended 13:54

(2008年8月31日日曜、東京国際フォーラムA=ロベン・フォード・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Ford, Robben
2008-140

○Billy "Me & Mrs. Jones" Paul Live; Looks So Young2008年9月10日

【ビリー・ポールはオバマのTシャツを着てリラックスちゅう】

若。

それにしても、ハスキーな声は健在。1972年の「ミー・アンド・ミセス・ジョーンズ」の一大ヒットで知られるフィリーズ・オウン、ビリー・ポール。1990年前後に、横浜のバードに見に行った記憶がある。その頃のブログによると・・・。その頃はブログなんてない。あれば参考になったのになあ。

たぶん、おぼろげな記憶によれば、18年前も、今回も大差ないだろう、と思う。それだけ、安定しているといえば安定している、そんなシンガーだ。ちゃんとアルバムからの曲やヒット曲を歌って、お客さんを楽しませる。彼はソウル・シンガーというより、ジャズ寄りのシンガーだ。しかも、圧倒的に他のシンガーのカヴァー曲が多い「カヴァー・シンガー」。カヴァーしても、必ずビリー節にしてしまうところが、平均的カヴァー・シンガーと違うところ。だから、ラスヴェガスあたりで一ヶ月公演とかやるタイプ。とはいうものの、選曲にはプリンスの「パープル・レイン」なんかもいれて、いまどきの流れもいれる。ちなみに下記セットリスト各曲にオリジナル・アーティストをいれておいた。

1曲目からビリー、ネクタイとる。「ネクタイとるのはやい!」(同行松尾氏談)

松尾潔氏が、近くに客としてきていた大学生らしき若者にきいたところ、「(ビリー・ポールは)知らなかったんですが、来てみました。『パープル・レイン』が最高でした」とのご感想。う〜〜む。これはジェネレーション・ギャップですか。(苦笑) 印象的だったのは、女性コーラスの向かって右手、赤毛のほうのシャーリー・ライトが何度か本番中にあくびをしていたこと。時差ぼけか、緊張感ないぞ。ステージであくびをするアーティストを見たのは初めてかもしれない。(笑)でも、1曲センターで歌った「レディー・マーマレード」は迫力あった。

サイモン&ガーファンクルの「ミセス・ロビンソン」とか、ニルソンの「ウィズアウト・ユー」とかを独自の解釈で歌うビリー。本編最後にお約束の「ミー・アンド・ミセス・ジョーンズ」。そして、アンコールでは奇しくもサム・ムーアも最後に歌う「ユー・アー・ソー・ビューティフル」が登場。この1週間だけで、ビリー・ポール、サム・ムーア、そして、ブレンダ・ヴォーンと3ヴァージョンを聴くことになる。

ライヴ後に会ったビリー・ポールは、オバマの顔が入ったTシャツを着て、ごきげんだった。ビリー・ポールは1934年12月1日生まれ。彼の初ヒット「ミー・アンド・ミセス・ジョーンズ」がヒットした1972年暮れ、彼はすでに38歳だった。遅咲きのスターだ。サム・ムーアより1歳年上! ちょっとびっくり。スライより10歳年上だ! もっとびっくり。ビリー・ポール、73歳はっきり言って若いです。

■メンバー

ビリー・ポール/Billy Paul(Vocals)
シャーリー・ライツ=ゲインズ/Shirley Lites-Gaines(Vocals)
レスリー・ヘッド/Leslie Head(Vocals)
ダニエル・アイアー/Daniel Eyer(Guitar)
アダム・フォールク/Adam Faulk(Keyboards)
ジョナサン・マーモンテル・ミシェル/Jonathan Marmontel Michel(Bass)
リーサ・ドーン・ロビンソン/Lysa Dawn Robinson(Drums)

■セットリスト ビリー・ポール
Setlist : Billy Paul @ Billboard Live, September 1, 2008
[ ] indicates original artist

show started 21:32
01. Intro (Including riff of "In The Stone", Me & Mrs Jones")
02. July July
03. It’s Too Late [Carol King]
04. Only The Strong Survive [Jerry Butler]
05. Beautiful In My Eyes [Joshua Kadison]
06. Purple Rain [Prince]
07. Lady Marmalade (Shirley Lites) [LaBelle]
08. Mrs. Robinson [Simon & Garfunkel]
09. Without You [Nilsson]
10. We All Got A Mission
11. Me & Mrs. Jones
Enc. Let ’Em In [Paul McCartney]
Enc. You Are So Beautiful [Billy Preston]
show ended 22:52

(2008年9月1日月曜、ビルボード・ライヴ=ビリー・ポール・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Paul, Billy
2008-145

◆Takayama Hiroshi : Non Gate Theatre:20th Anniversary Middle Ager2008年9月9日

【高山広・一人芝居〜20周年中年】

20周年。

一人芝居の高山広さんが、阿佐ヶ谷にあるザムザという劇場で、本人の20周年公演を行った。ここは彼が杮落としをやったという劇場だそうだ。今回は4日間5公演。会場のキャパ(収容人数)は約100人くらい。座席が階段状になっていて、後ろでも十分に見られる。マイクPAなしで生声が通る。

一人芝居とは、演者一人が何人もの人間や、物になって、それらの気持ちを代弁するもの。現実と非現実のはざまにある物語を独特の語り口で、時に熱く、ときにクールに、ときにかっこよく、ときにダサク演じる。と、文字に書いてもその感覚、空気は伝えにくいので、何はともあれ、一度彼のライヴに足を運んでもらうのが一番いいと思う。『ソウル・サーチン』イヴェントではこれまでに2度ほど、「ルーサー・ヴァンドロス物語」と「アレサ・フランクリン物語」を演じてもらっている。

さすがに本格的な劇場でのパフォーマンスはすごい。暗転するところから始まると、真っ暗闇になる。そして、スライド映像が流れ、スポットが当たり、次々と題目が演じられる。今回のテーマ、「20周年中年」は、最近の「20世紀少年」から。(笑) このあたりの旬ネタのつかみは抜群だ。しかも、音楽、効果音とのコラボも完璧だ。当たり前といえば当たり前かもしれないが。

それにしても、彼は一体何人分の人間に、そして、いくつ分の物体になれるのだろう。しかも、それをこの2時間一人きりでしゃべりきる。BGMと効果音、そして、照明によって、とても完成度の高いパフォーマンスになっている。

下記セットリストで「新作初公開」と印したのは、今までにどこでもやっていない新作中の新作。3本もある。「田中邦衛風」の「北の犬から」は、状況設定が後半になってわかるという、高山作品独特のストーリー展開でおもしろかった。設定がいつもながらに奇抜で楽しい。

さらに、力作の新作「タクシー・マスター」も、前半・中盤・後半の3パートのメリハリがあって、しかも、予期せぬ展開があり、長い作品だが集中を切らすことなく楽しめる。ここまで起承転結がしっかりしていると、まるで映画を見ているようだ。ちょっとオチが僕には不満気ではあったが、作品としては大変よく出来ている。これも最近の世相を見事に高山流に描いていて、おもしろい。

最後の熱演「いっしゅんの夏」は僕は2006年8月に目黒のミッドナイト・アワーで見たが、これも圧巻。ただ、一番最後の花火が光を放ちながらの部分が若干長いかなという気もする。もうちょっと短くしてもいいかも。それにしても、2度目の観劇でも、すっかりストーリーに入れて楽しめるというあたりが、完成度が高い作品ゆえだろう。

長尺ものはやはりストーリー展開が抜群にうまい。そして、それを抑揚をもって演じられるというところがすばらしい。しかし、なんでセリフ、いい間違えたりしないんだろう。(笑) どうやってセリフ覚えるんでしょう。ぜひもっと多くの人に見ていただきたい。

■高山広・過去関連記事

November 07, 2007
Takayama Hiroshi @ Martano : He Made “Away” Home
http://blog.soulsearchin.com/archives/002129.html

March 30, 2007
Soul Searchin: The Session (Part 4): "Day Dreaming -- I’m Thinking Of You"
http://blog.soulsearchin.com/archives/001677.html

August 28, 2006
Takayam Hiroshi One Man Play: Portrays All Things In The Universe
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200608/2006_08_28.html

July 23, 2006
Takayama Hiroshi: Like A Virgin; Hot, Hot, Hot
http://blog.soulsearchin.com/archives/001151.html

July 07, 2006
Takayama Hiroshi Talks About Luther Vandross
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_07_07.html

July 02, 2006
Big Big Thanks For Joining "Soul Searchin’: The Session Vol.1"
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_07_02.html

May 22, 2006
Takayama Hiroshi One Man Stage Play
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200605/2006_05_22.html

■ 高山広オフィシャル・ウェッブ (公演情報などはこちら)
http://schop.air-nifty.com/takayama/

■ メンバー

【作・演出・出演・タイトル文字】高山広
【照明】岩城保
【音響】菅澤成人、伊東孝
【舞台監督】今井東彦
【タイトル映像】小田史一、石川泰久
【音響操作】佐藤潤平
【舞台写真】坂上恭史
【監修】吉田健美
【制作・ちらしデザイン】小口宏
【企画・製作】NON GATE THEATRE
【URL】http://www.nongate.jp

http://schop.air-nifty.com/takayama/(高山広ワールド)

■セットリスト 高山広@阿佐ヶ谷ザムザ 2008年9月6日(土)
20周年公演 『劇輪 20周年中年』
Setlist : Takayama Hiroshi One Man Play

show started 14:06
00. オープニングショートショウ(スライド)
01.〜シリーズ・おツカレな人々〜 『忘れ者』
02.『フードファイター? 大食王 帰宅編』(劇場初公開)
03.『フードファイター? 大食王 王座陥落の夜編』(劇場初公開)
04.『〜観るBGM〜贅沢日和〜』(2シーン)
05.『北の犬から。〜忠犬失格〜』(新作初公開)
06.『やさしい雨の居る風景』(新作初公開)
07.『〜世界文学タイトルシリーズの章〜セールスマンの死』
08.『TAXI MASTER/タクシーマスター』(新作初公開)
09.〜シリーズ・おツカレな人々〜 『ひとり暮ら死』
10.『いっしゅんの夏』
---- エンディングクレジット
show ended 16:10

(2008年9月6日土曜、阿佐ヶ谷ザムザ=高山広ライヴ)
ENT>PLAY>LIVE>Takayama, Hiroshi
2008-151

★American Idol, Elliott Yamin Live2008年9月8日

【エリオット・ヤミン・ライヴ】

快活。

人気テレビ・オーディション番組『アメリカン・アイドル』のシーズン5(2006年1月〜5月)で、数千人の応募からファイナリスト12人に入り、さらにそのベスト3に入ったシンガー、エリオット・ヤミンのライヴ。2007年3月に全米でデビュー・アルバムが出たが、これがインディからのリリースということで、日本では今年になってエイベックスから発売されヒット中。

同番組からは、ケリー・クラークソンやルーベン・スタッダードなど多くの才能あふれるアーティストが出ているが、このエリオットも実に王道を行く熱いシンガーだ。ジーパンにTシャツといういでたちで登場した彼は超満員のビルボード・ライヴの観客を1曲目から総立ちにさせた。早くも人気沸騰中。

圧巻は、アンコールで歌われたダニー・ハザウェイなどでおなじみの「ア・ソング・フォー・ユー」。これはもともとオーディションのときに歌い、それは放送はされなかったが、『アメリカン・アイドル』本編でも歌われ圧倒的な支持を得た。これを歌う前に、彼は少ししゃべった。この曲は彼にとって特別の曲。なにより自分が大好きで偉大なダニー・ハザウェイの曲だということ、自分が受けたオーディションの一番最初に歌ったということ。彼がオーディションを受けたマサチューセッツ州ボストンまでは、エリオットはガールフレンドとともにホームタウン、ヴァージニア州リッチモンドからレンタカーで14時間かけて行ったそうだ。そのとき彼には2ドルくらいしか銀行には残っていなかったという。そしてその会場で10000人の応募者を見て、絶望したらしい。だが順調に進み、ハリウッドへ行き、本編へ出演。人気もうなぎのぼりになった。

『アイドル』後リリースされた彼のアルバムは、インディ・アルバム・チャートで1位になったが、R&Bアルバム・チャートにもランクイン。いわばブルー・アイド・ソウル・シンガーともいえる。「ア・ソング・フォー・ユー」での歌唱は圧倒的で、うたのうまさ、声量など申し分ない。

本人はとても明るく気さく。観客とのやりとりも軽快、快活で、ファンがどんどん増えそうだ。エリオットは1978年7月20日生まれ。ちょうど30歳。『アメリカン・アイドル』で「自分の生まれ年の曲」を歌う回では、ジョージ・ベンソンのヒット「オン・ブロードウェイ」を歌って喝采をあびた。

■ デビュー作

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0015RAYCQ/soulsearchiho-22/ref=nosim/

■ メンバー

エリオット・ヤミン/Elliott Yamin(Vocals)
ホセ・スウェイ・ペナラ/Jose "Sway" Penala(Background Vocals)
カルヴィン・ゲイリー/Calvin Gary(Keyboards)
レファイヤット・アリ/Refayat Ali(Guitar)
オリバー・ゴールドスタイン/Oliver Goldstein (Bass)
アーロン・ゴールドスタイン/Aaron Goldstein(Percussions/Keyboards)
グレン・ソーベル/Glen Sobel(Drums)

■セットリスト エリオット・ヤミン @ビルボード
Setlist : Elliott Yamin @ Billboard Live, August 31, 2008

show started 21:03
01. Alright
02. Find A Way
03. Take My Breath Away
04. In Love With You Forever
05. I’m The Man
06. Free
07. Train Wreck
08. Wait For You
09. One Word
10. Movin’ On
Enc. A Song For You
show ended 22:11

(2008年8月31日日曜、ビルボード・ライヴ=エリオット・ヤミン・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Yamin, Elliott
2008-143

▲Who Are The Uptown Horns:2008年9月7日

【アップタウン・ホーンズとは何者?】

アップタウン。

昨日の本ブログで、サム・ムーア・バンドのバンドマスター、アイヴァンと話をしたことを書いた。彼が紹介してくれたアップタウン・ホーンズに興味を持ったので、調べてみた。なんと言っても、ジェームス・ブラウンの「リヴィング・イン・アメリカ」やキャメオの「ワード・アップ」のホーン・セクションをやっているのが、アップタウン・ホーンズだと言われたら、これは興味が沸かないわけがない。今まで知らなかったのが、恥ずかしいくらいだ。(笑)

そもそもグループの始まりは、1980年にさかのぼる。アーノ・へチェットArno Hecht, クリスピン・スィーオーCrispin Cioe, ボブ・フランクBob Funk そして、ポール・リテラルPaul Litteralという4人が、それぞれニューヨークのクラブ・シーン、ライヴハウス・シーンなどで活躍しているうちに、意気投合し、ホーン・セクションを作ろうと決めて結成した。ニューヨークのライヴハウス、トランプスで毎週火曜日にプレイするようになり、この時期多くのアーティストのバックをつけた。バックをつけたアーティストには、ネヴィル・ブラザース、ロニー・スペクター、ビッグ・ジョー・ターナーなどがいた。

そんな中ロックのイギー・ポップが彼らを自らのアルバム『パーティー』でホーン・セクションとして抜擢、さらにその後まもなく、Jガイルズ・バンドがライヴ・ツアーで彼らを連れて行くことになった。

以来、レコーディング、ツアーと多数のセッションを重ねることになった。レコーディングではすでに150枚以上のアルバムにクレジットされている、という。ざっと見ただけでも、トム・ウェイツ、クラレンス・クレモンズ、グランドマスター・フラッシュ、デビー・ハリー、ジョー・コッカー、ランDMC、ジョーン・ジェット、ローリング・ストーンズ、バーニー・ウォーレル、デイヴィッド・サンボーン、グランド・ファンク・レイルロードなどだ。有名な曲だとB52の「ラヴ・シャック」、ジョー・コッカーの「アンチェイン・マイ・ハート」、ビリー・ジョエルの「リヴァー・オブ・ドリームス」のアルバムも全編はいっている。

また彼らはローリング・ストーンズとともに、"LIVE TO THE MAX"という映画にも出演している。

そして、この「アップタウン・ホーンズ」は4人程度のホーン・セクションだが、これにリズム隊(ドラムス、ベース、ギター、キーボード)などをつけると、「アップタウン・ホーンズ・レヴュー」になって、ソウルのカヴァーなどをやるようになるそうだ。

最近ではハワード・テイトのアルバムや、ソロモン・バークのライヴ・アルバムに参加している。

アメリカのメジャーなシーンでは、ホーン・セクションはあまりメインストリームにはいないという。だが、こうしたホーン・セクションが存在し、仕事もしっかりあるというところがおもしろい。

アイヴァンに、「西海岸のシーウィンドみたいなグループですね」と言ったら、彼はシーウィンドを知らなかった。だが、よく考えてみると、僕の発音が悪かったのかもしれない。日本ではなんといっても、タワー・オブ・パワーが圧倒的に人気があるので、このアップタウン・ホーンズも試しにレヴュー(バンド編成)で来日してみたらどうだろう。

■アップタウン・ホーンズ・ウェッブ(英語)
http://www.phunque.com/uptown/

メンバー
Arno Hecht (tenor sax) ニューヨーク出身
Bob Funk (trombone) コロラド出身
Crispin Cioe (alto sax) シカゴ出身
Larry Etkin (trumpet and flugelorn)ニューヨーク出身
 
ENT>ARTIST>UPTOWN HORNS

■More Sam Moore (Part 3) : Sam And Ivan Talks About Gig2008年9月6日

【サム・ムーア・ライヴの秘密】

予測不能。

「ユー・アー・ソー・ビューティフル」の感動的なエンディング。その最後のコーラスの繰り返しの中、サムはステージを降りて観客席を通り、楽屋に戻る。万雷の拍手の中、通路の人々は我こそはとサムに握手を求める。汗だくになっているサムも満面の笑顔を湛え握手に答える。

ライヴ後、ブレンダの計らいでサムとバンドメンバーと話すことができた。サムのもとにはゴスペラーズ、村上さん、酒井さん、また、この日飛び入りしたトータス松本さんらが表敬訪問。また、ブルーノートのスタッフからひっきりなしに、観客から預かったサインを求められ、書いている。

サムは今回のライヴについて、「アイザック・ヘイズを始め、多くの人へのトリビュートをやろうと考えたんだ」という。確かにセットリストを見ると物故者が多い。「アイザック・ヘイズ、レイ・チャールズ、オーティス、ビリー・プレストン、ジャコ、バディー・マイルス…。素晴らしいソウル・レジェンドへのトリビュートだ」 よく考えれば、サム&デイヴのデイヴも亡くなっている。

以前、自分が好きな曲ばかりを歌ったアルバムを作ろうと思ったそうだが、それは現在は宙に浮いている。たとえばレイ・チャールズの曲をカヴァーしようという企画もあるが、レイの事務所に打診中で色よい返事が来ていないという。

「また、来年来てくれますか」と聞くと、「今回の来日も、じつは(前回からすると)まだ早すぎると思っていたんだ。でも、一本はジャズフェスで、ここ(ブルーノートは)二日だけということで、いいかな、と思った。そうだな、次は来年ではなく、2年後かな(笑)」

そうこうしているうちに、背の高い音楽監督でベース奏者のアイヴァン・ボドリーが近くにやってきた。アイヴァンはよく見ると、唇にピアスをしていた。彼はサムのバンドにここ12年くらい、はいったりでたり、在籍している、という。はいったきっかけはこうだ。「アップタウン・ホーンズは知ってるかい? ニューヨークをベースにするホーン・セクションだ。彼らはすでに何百枚ものアルバムにクレジットされていて、それこそ、イギー・ポップ、ローリング・ストーンズ、Jガイルズ・バンド、レイ・チャールズ、ジェームス・ブラウンの『リヴィング・イン・アメリカ』のホーンもそうだ、キャメオの『ワードアップ』も、BBキング、とにかく多くのアーティストにホーン・セクションとして、レコーディング、ツアー問わず参加している。で、そのアップタウン・ホーンズが自分たちの楽しみのためにバンド演奏をすることがある。そのとき、リズム・セクションを加えて、アップタウン・バンドとなる。僕が最初にニューヨークで得た仕事のひとつが、シュレルスのバンドで、そこにクラッシャー・グリーンというドラマーがいた。その彼がアップタウンのメンバーを兼ねていて僕をアップタウンに紹介してくれた。それで、僕はこのアップタウン・バンドのベースに入ったんだ。そして、このバンドをサムが、バンドごと、サムのツアーバンドにした。それで、最初はクラッシャーが音楽監督だったんだが、彼が止めたんで、僕がその役を引き受けるようになった」

サム・ムーアのライヴは自然な感じで、ぽんぽんとアドリブがでてくる。よってバンドは、サムのそうしたちょっとした気まぐれについていかなくてはならない。昨日も書いたが、僕は「アイ・サンキュー」から、「ソウル・マン」の流れが最高に気に入っている。「アイ・サンキューッ!!」と観客に何度か歌わせ、それが絶好調になったところで、おもむろに「ソウル・マン」のギターリフが始まるあの瞬間だ。

「あそこはキューがあるんだ。サムは何度観客とコール&レスポンスをやるかわからない。だが、『ソウル・マン』に行くときには、そこで「1−2−3」と指でカウントし、(ギタリストに)指示を出すんだよ」 な〜るほど。「サムは本当に、コール&レスポンスを大事にするシンガーだからね」 確かに、彼はよく観客とやりとりをする。そして、それがけっこうおもしろい。

「そういえば、あの『ページをめくれ』のところは、あれはいつもやるギャグなんですか」 「いや、違うんだ。(笑) (ブルーノートの)初日で突然、ステージで出たんだよ。僕は譜面台に、歌う曲順にきっちりと歌詞カードをそろえている。サムのためにね。でもね、いいかい、サムは本当は歌詞カードなんてひとつも必要ないんだよ。(笑) 全部どの曲も覚えてるんだから。でも、歌詞を置いてる、そして、1曲終わるとページをめくる。ところがそれをやり忘れたりして、どこにいるかわからなくなる。それでステージで僕に聞いてくる。そこで、僕はシンプルに『ターン・ザ・ページ(ただページをめくればいいんだ)』と言ったんだ」 

ショウの流れは、サムが常にコントロールする。観客とのやりとり、歌いまわしは日によって違ったりする。「僕は過去10年以上やってきて、サムのことをよく知っている。だがそれでも、サムの次の行動を予測するのは難しい。(笑)」

そう、確かにサム・ムーアの次のアクションを予測するのは難しい。だからおもしろい。

バックシンガーのキャロウェイは今回東京ジャズと、ブルーノート2日目に「ドント・プレイ・ザット・ソング」を歌ったが、2年前にはナールズ・バークレイの「クレイジー」を歌っていた。サムとキャロウェイの年齢差は50以上だ。

また、ドラムスのトニーも3年連続参加だが、彼はあのシンガー、タイ・スティーヴンスの友人。日本に来るまでタイと一緒に、モンテカルロでギグをやっていた、という。たしかタイにトニーのことを紹介された。

スライ・ストーンとサム・ムーア、まさに今週は「伝説の週(week of the legend)」であった。

それにしても2時間弱のソウル・ショウ、たっぷりいっぱい楽しめた。I Thank You, Mr. Sam Moore!

■サム・ムーア関連記事

September 05, 2008
More Sam Moore (Part 2): This Is "The Soul Show"
http://blog.soulsearchin.com/archives/002662.html

September 04, 2008
Sam Moore @ Blue Note : Stronger Than Ever
http://blog.soulsearchin.com/archives/002661.html
(ここに過去記事一覧)

■サム・ムーア 『オーヴァーナイト・センセーショナル』
(現在までのところ最新作)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000GW88RY/soulsearchiho-22/ref=nosim/

[2008年9月4日木曜、東京ブルーノート=サム・ムーア・ライヴ]
ENT>MUSIC>LIVE>Moore, Sam
2008-148

●More Sam Moore (Part 2): This Is "The Soul Show" 2008年9月5日

【サム・ムーア:「ザ・ソウル・ショウ」@ブルーノート】

MC.

フル・バンドを揃え、ステージの中央に立ち、次々とソウル・ヒットを歌う。観客とのやりとり(コール&レスポンス)も抜群にうまく、観客を楽しませ、なごませ、そして、泣かせる術、すべてを知っているシンガー。それがサム・ムーアだ。少し甲高い声で、アップテンポからバラードまで、ひとつのサムの世界を作る。サムは、このショウのすべてを取り仕切るマスターだ。その意味で、マスター・オブ・セレモニー(司祭)。

たとえば、8月に亡くなった盟友アイザック・ヘイズへのトリビュート「アイ・スタンド・アキューズド」からサム&デイヴの持ち歌「アイ・キャント・スタンド・アップ・フォー・ファーリング・ダウン」へのバラード・メドレーは、彼の十八番「僕のベイビーに何か(When Something Is Wrong With My Baby)」とともにショウのハイライトになっている。サムが歌うと、まるでストーリーの語り部のように、そして、演技者のように、その歌の主人公を見事に演じる。前者では、本当に自分が相手を愛して、罪だ、ということを淡々と歌っていると、そのことのつらさがにじみでてくるようで聴くものの涙を誘う。

「僕のベイビー…」では、最後の歌詞「...with me」の「ミー」のところを、すこしためてから、ほぼオフマイクでかすれるように歌いきった。バンド演奏もほぼなくなり、会場にサムの歌声だけで、「ミー…」のワンワードが響く。すばらしい。そしてバンドが最後を締めるが、そのときには観客席の客はみなおもむろに立ち上がり、惜しみないスタンディング・オヴェーションを送った。それほどの価値があるパフォーマンスだ。

ちなみに、「アイ・キャント・スタンド・アップ…」は、サム&デイヴのものとしてはシングル・ヒットはしていないが(シングルとしては1967年の「スーズ・ミー」のB面に収録されている)、1990年にイギリスのエルヴィス・コステロが同地でヒットさせ特に人気があるそうだ。そこで、イギリスのライヴで歌い始めたという。ただし、この「アイ・スタンド・アキューズド」は今回、アイザック・ヘイズの死去にともない歌い始め、これをリハーサルで歌っているときに、マネージャーでMC役も務めるジョイスさんが、「アイ・スタンド…」につなげてこれをやったらどうだとアイデアを出し、2曲メドレーになった、という。これは音楽監督のアイヴァンとライヴ後話していて、教えてくれた。

この日はフォーラムで歌われたベンEキングの「ドント・プレイ・ザット・ソング」を若手キャロウェイが歌った。コーラス4人のうち、客席から見て一番右側に立っていたシンガー。若々しい歌がとても好感を持てる。母方の先祖はヨーロッパ、ドイツ、スカンジナビア系だという。ソウルフルでもありつつ、ロック、ポップの路線に行きそうなシンガーだ。ちなみにコーラス隊は客席から見て左から、我らがブレンダ・ヴォーン、ナオミ(発音はネイオミと聴こえた)、クリスティーン、そして、キャロウェイ。

この日は、なんと昨年に引き続き日本のトータス松本が飛び入りで、「ルッキン・フォー・ア・ラヴ」を歌った。堂々とした歌いっぷりで、サムにうながされ、「愛を探しに、観客席へ」行って、女性ファンとハグしてきた。軽くこうやってステージで歌えるっていうのが、とてもいい。

終盤、「アイ・サンキュー」で観客とのやりとりをした後、「ソウル・マン」へ突入するところ、「ソウル・マン」のギターリフが始まる瞬間は、本当に興奮する。110分、2時間近くのショウをまったく飽きさせず、緩急つけてやりとげるサム・ムーア。現役ソウル・マンだ。本当に、ソウル・ショウ、それもただのソウル・ショウではない、「ザ・ソウル・ショウ」だ。昨年よりも声がでて、元気いっぱいでステージに立ったサム・ムーア。

最後、「ユー・アー・ソー・ビューティフル」の終わりに、「ジャパン、サンキュー・ソー・マッチ」と高らかに宣言。本当に日本が気に入っているようだった。客席を通りながら楽屋に引き上げるサムはみんなから握手攻めにあっていた。70歳を超えても、2時間近くのショウをめいっぱい出来るなんて、すごい体力だ。真のソウル・サヴァイヴァーだ。

(サム・ムーアの項、続く)

■メンバー

SAM MOORE -The Legendary Soul Man-サム・ムーア -The Legendary Soul

サム・ムーア [ヴォーカル] Sam Moore[vo]

ブレンダ・ヴォーン [ヴォーカル] Brenda Vaughn [vo]
クリスティン・ポーランド [ヴォーカル] Christine Poland[vo]
ナオミ・マーゴリン[ヴォーカル] Naomi Margolin[vo]
キャロウェイ [ヴォーカル] Calloway [vo]

アイヴァン・ボドリー [ベース] Ivan Bodley[b - musical director]
マーク・ニューマン [ギター] Mark Newman[g]
トニー・ルイス [ドラムス]Tony Lewis[ds]
ジェイムス・ダウアー [キーボード] James Dower[key]
オマー・マルティネス [パーカッション] Omar Martinez[per]
ラリー・エトキン [トランペット] Larry Etkin[tp]
ダン・シプリアーノ [サックス] Dan Cipriano[sax]
大野清 [バリトン・サックス] Kiyoshi Ohno[bs]
青木タイセイ [トロンボーン] Taisei Aoki[tb]

ジョイス・ムーア [mc] Joyce Moore [mc]

■セットリスト サム・ムーア @ ブルーノート
Setlist: Sam Moore @ Tokyo Blue Note, September 4, 2008
[ ] indicates original artists, and year of hit

musicians on the stage 20:04
show started 20:06
01. Peter Gun (Instrumental)[Henry Mancini - 1959, Blues Brothers - 1980]
02. Theme From Shaft [Isaac Hayes - 1971]
03. Hold On, I’m Coming [Sam came on the stage at 20:16] [Sam & Dave - 1966]
04. Knock On Wood [Eddie Floyd - 1966] (duet with Brenda Vaughn)
05. You Don’t Know Like I Know [Sam & Dave - 1966]
06. [Standing On The] Shakey Ground [Temptations - 1975]
07. I Can’t Stand The Rain [Ann Peebles - 1973](with Naomi, Christine)
08. Them Changes [Buddy Miles - 1970]
09. Soul Sister, Brown Sugar [Sam & Dave - 1969]
10. I Stand Accused [Jerry Butler - 1964, Isaac Hayes - 1970]
11. I Can’t Stand Up For Falling Down [Sam & Dave - 1967, Elvis Costello - 1990](10-11 Medley)
12. What’d I Say [Ray Charles - 1959]
13. Come On, Come Over [Jaco Pastorius - 1976]
14. Night Time Is Right Time [Ray Charles - 1959] (with Brenda)
15. Don’t Play That Song [Ben E King - 1962] (Calloway sings)
16. I’ve Got News For You [Ray Charles - 1961]
17. I Can’t Turn You Loose[Otis Redding - 1965]
18. Lookin’ For A Love [Bobby Womack - 1962, 1974] (Tortoise Matsumoto joined to sing)
19. When Something Is Wrong With My Baby [Sam & Dave - 1967]
20. I Thank You [Sam & Dave - 1968]
21. Soul Man [Sam & Dave - 1967]
22. Dance To The Music [Sly & The Family Stone - 1968] ~ Soul Man (21-22 Medley)
23. You Are So Beautiful [Billy Preston - 1974]
show ended 21:56

[2008年9月4日木曜、東京ブルーノート=サム・ムーア・ライヴ]
ENT>MUSIC>LIVE>Moore, Sam
2008-148

?Sam Moore @ Blue Note : Stronger Than Ever2008年9月4日

【サム・ムーア・ライヴ〜昨年よりも強力に】

現役。

ここ数日は本当に音楽、ソウル・ミュージック、それも伝説のライヴづいている。密度が濃い。スライとサムだけで、今年のライヴはもう満腹になってしまいそう、と言っても過言ではない。

60分弱だった東京ジャズでのサム・ムーア、ブルーノートではフルサイズのライヴを見せてくれた。来日は2006年から3年連続。1960年代から1970年代にかけてのソウル・ヒッツを次々とたたみかける様に歌う。動きはコミカルだが、歌声、喉は本物だ。しかも、90分のフル・ショウを全力でやりとげる。

1曲終わると、サムは次の曲はなんだっけ、と譜面台の歌詞カードかなにかをパラパラと探す。すると、音楽ディレクターのアイヴァンが、サムに向かって叫ぶ。「ページをめくれ!(turn the page)」 たぶん、アイヴァンはきっちり、曲順通りに紙資料をそろえているのだろう。サムがしぶしぶページをめくる。まるでお決まりのギャグのようだ。

この日は2曲目にアイザック・ヘイズの「シャフト」を持ってきて、さらに「アイ・スタンド・アキューズド」で、アイザック・ヘイズへのトリビュートを行った。アイザックは、サム&デイヴの大ヒットの数々を作った人でもある。「ホールド・オン」も、「ソウル・マン」も、「僕のベイビーに何か」も、アイザック・ヘイズとそのパートナー、デイヴィッド・ポーターとの共作だ。サムにとっては、アイザックの死去はことのほか、ショックだったであろう。

本編実質的な1曲目となる「ノック・オン・ウッド」で、ブレンダ・ヴォーンとのデュエット。ブレンダは、これと、後半「ナイト・タイム」でもサムとの丁々発止のかけあいを繰り広げる。

今回のセットリストで目立ったのは、レイ・チャールズの作品が3曲もはいっていたこと。レイはサムより5歳年上だったが、年代的には同時代なのかもしれない。

それにしても、少し前かがみながら、張りのある声がよく通る。ゴスペラーズ黒沢さんが「あの歌い方は発声法からすると、ありえないんだけどね。斜め前になると(胸を)圧迫するから普通は声がでにくくなる。でもあれだけ出るんだから、よほど喉が強いんだろう」と感心しきり。

「アイ・サンキュー」から「ソウル・マン」のギターのイントロへの流れなど、まさにソウル・エンタテインメントの「粋」を凝縮する。一番いいところを、一番最後にもってくる。いやがおうでも、盛り上がり、観客は総立ちに。

そして、最後は親友ビリー・プレストンが書いて歌った「ユー・アー・ソー・ビューティフル」。これをサムが歌うと観客がみな泣く。マネージャーのジョイスさん、「日本の観客は静かだというけれど、みんなこの曲を聴いているときは、目頭を押さえたりして、反応してるわ。そして、サムは年々声が強くなってきていて、恐いくらいよ」と言う。黒沢さん、「いやあ、これは泣けた泣けた。前見たときより、数段よかった、感動した」。

サム・ムーア、1935年10月12日生まれ。72歳、今年の誕生日、来月で73歳になる。引退という文字は、まだまだ遠い果てにある。現役バリバリだ。

■ サム・ムーア 過去関連記事

September 02, 2008
Sam Moore @ Tokyo Jazz (Part 2) :
http://blog.soulsearchin.com/archives/002659.html
(国際フォーラム・ライヴ評)

November 02, 2007
Everybody Loves Sam Moore: A Night Of Soul Explosion (Part 1)
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200711/2007_11_02.html
(前回来日ライヴ評)

November 03, 2007
More Sam Moore: A Night Of Soul Explosion (Part 2)
http://blog.soulsearchin.com/archives/2007_11_03.html

November 15, 2006
We Want More Moore, Not Some Moore
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_11_15.html
(前々回来日ライヴ評) (ここに過去記事一覧も)

November 18, 2006
Sam Moore With Surprising Finale: Sam, You Are So Beautiful
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_11_18.html
(前々回来日ライヴ評)

■メンバー

SAM MOORE -The Legendary Soul Man-サム・ムーア -The Legendary Soul

サム・ムーア [ヴォーカル] Sam Moore[vo]

ブレンダ・ヴォーン [ヴォーカル] Brenda Vaughn [vo]
クリスティン・ポーランド [ヴォーカル] Christine Poland[vo]
ナオミ・マーゴリン[ヴォーカル] Naomi Margolin[vo]
キャロウェイ [ヴォーカル] Calloway [vo]

マーク・ニューマン [ギター] Mark Newman[g]
アイヴァン・ボドリー [ベース] Ivan Bodley
トニー・ルイス [ドラムス]Tony Lewis[ds]
ジェイムス・ダウアー [キーボード] James Dower[key]
オマー・マルティネス [パーカッション] Omar Martinez[per]
ラリー・エトキン [トランペット] Larry Etkin[tp]
ダン・シプリアーノ [サックス] Dan Cipriano[sax]
大野清 [バリトン・サックス] Kiyoshi Ohno[bs]
青木タイセイ [トロンボーン] Taisei Aoki[tb]

ジョイス・ムーア [mc] Joyce Moore [mc]

■セットリスト サム・ムーア 
Setlist: Sam Moore @ Tokyo Blue Note, September 3, 2008
[ ] indicates original artists, and year of hit

musicians on the stage 20:03
show started 20:05
01. Peter Gun (Instrumental)[Henry Mancini - 1959, Blues Brothers - 1980]
02. Theme From Shaft [Isaac Hayes - 1971]
03. Hold On, I’m Coming [Sam came on the stage at 20:14] [Sam & Dave - 1966]
04. Knock On Wood [Eddie Floyd - 1966] (duet with Brenda Vaughn)
05. You Don’t Know Like I Know [Sam & Dave - 1966]
06. [Standing On The] Shakey Ground [Temptations - 1975]
07. I Can’t Stand he Rain [Ann Peebles - 1973](with Naomi, Christine)
08. Them Changes [Buddy Miles - 1970]
09. Soul Sister, Brown Sugar [Sam & Dave - 1969]
10. I Stand Accused [Jerry Butler - 1964, Isaac Hayes - 1970]
11. I Can’t Stand Up For Falling Down [Sam & Dave - 1967]
12. What’d I Say [Ray Charles - 1959]
13. Come On, Come Over [Jaco Pastorius - 1976]
14. Night Time Is Right Time [Ray Charles - 1959]
15. I’ve Got News For You [Ray Charles - 1961]
16. Mr. Pitiful [Otis Redding - 1965]
17. When Something Is Wrong With My Baby [Sam & Dave - 1967]
18. I Thank You [Sam & Dave - 1968]
19. Soul Man [Sam & Dave - 1967]
20. Dance To The Music [Sly & The Family Stone - 1968] ~ Soul Man
21. You Are So Beautiful [Billy Preston - 1974]
show ended 21:39

[2008年9月3日水曜、東京ブルーノート=サム・ムーア・ライヴ]
ENT>MUSIC>LIVE>Moore, Sam
2008-147

△Sly &The Family Stone At Blue Note Tokyo(Part 3): The Night Become Legend2008年9月3日コメント (2)

【スライ&ファミリー・ストーン@ブルーノート】

熱狂。

大きなフォーラムAから小さなブルーノートへ。より熱く、一体感のあるライヴ。バンドののりはさらに最高潮になっていく。ブルーノートが暗転した瞬間、観客の間に立ち込めていたファンクガスが一気に爆発した。

スライ・ストーンのどこがすごいかというと、1968年ごろ、つまり、今から40年も前に、「ファンク・ミュージック」というひとつのジャンルの原型を作ったひとりだから。スライと、ジェームス・ブラウンがいて、現在につながるソウル・ファンクの歴史が始まった。創始者だから、えらい。パイオニアだから、えらい。他の誰もがやらなかったようなことをやったから、えらい。

そんなスライも、一時期はドラッグ中毒などでどうなるかと思われたが、なんとかカンバック。1943年(昭和18年)3月15日生まれの65歳。未年(ひつじどし)です。アメリカでもツアー、ライヴをやらないのに、それが来日など夢のまた夢、といったところ、昨年ヨーロッパ・ツアーが実現し、ちょこちょこ露出、ついに日本にやってきた。

さて、ブルーノート・ライヴは、一足先に行われた国際フォーラムでのセットリストとは少し違い、時間も長くなっている。冒頭3曲ノンストップ・メドレーに「ホット・ファン・イン・ザ・サマータイム」が組み込まれ、これがワンセットのような形。このあと、「ドント・コール・ミー…」「サンキュー」を。この「サンキュー」は重くへヴィーな「Thank You For Talkin’ To Me, Africa」ヴァージョン。ただし歌詞は、Africaではなく、Againで歌われる。そして、アンコールでは、一番誰でもがなじんでいるアップテンポのギターリフも印象的な「サンキュー」だ。

ファーストでは、「サンキュー」を終えた後、バンド・メンバーがどうしていいかわからずに、めくばせなどをしていて、とりあえずリサが軽く遊びっぽく「サムバディーズ・ウォッチング・ユー」をやりだした。すると、おもむろに楽屋からグレイのパーカーっぽい洋服を着たスラー・ストーンがのっそりのっそり登場。一気に歓声があがる。通路をスタッフに囲まれ進むのでかなりゆっくりだ。そして、19時47分ステージに。中央のキーボードのところにすわり、バンド・メンバーが「イフ・ユー・ウォント・ミー…」のイントロをプレイしだす。さらに歓声。だが気が変わった御大は、それをやめ、「ファミリー・アフェア」をスタート。ただ、そこにスライはマイクを持って立ちすくんでいた。そして、キーボードの上に手を置きながら、こんどは本当に「イフ・ユー・ウォント・ミー・トゥ・ステイ」を。これがなかなか声が出始めていて、イントロのワンフレーズがでただけで、またまた歓声。そして間髪をいれずに、「アイ・ウォント・トゥ・テイク・ユー・ハイアー」へ。さらに大歓声。

しかし、これはキューがあるのかなあ。きっと、スライは、「イフ・ユー・ウォント…」をやってる間か終わった直後に、次の曲のキューを出しているのような気がする。それで、カウントで「ハイアー」に突入するのだが、わかったことがひとつ。要は「ハイアー」で、スライは帰るのだ。この曲の途中で、スライは回転椅子から立ち上がり、舞台袖にはけ始めた。「えええっ〜〜」今度は怒号。(笑)

こうして、スライは19時59分、ステージを降りた。オンステージ時間は、な、な、なんとわずか12分! フォーラムの36分はなんだったんだ!? バンドが6分ほど演奏し、一度本編終了。そして、アンコールはバンドのみ。スライ・カンバックあるかと思いきや、なし。アンコール最初は「サンキュー」のアップテンポのほう。そして、「シング・ア・シンプル・ソング」。この2曲でメンバー紹介をし、かなり長尺になり、2曲だけで20分以上演奏していた。

スライ御大がいる間は、バンドは比較的落ち着いた音をだすのだが、御大がいなくなると、もっと盛り上げないといけないと思うのか、何かタガがはずれたようにライヴバンドとしてがんがん行くようになる。

+++++

短。

セカンドは21時50分、メンバーがぞれぞろとステージにあがった。そして、一挙に3曲メドレーで。ここは実にあがる。「ドント・コール・ミー」のあと、今度は本格的にちゃんと「サムバディーズ・ウォッチング・ユー」をリサの歌で披露。さらに「サンキュー」の途中では、日本語で「アリガトウ」といれるサーヴィスぶり。さらに、ここでは、この日、前に座っている観客にマイクを向け、「Thank you for lettin me…」と歌わせた。その中に、我らがブレンダ・ヴォーンがゴスペラーズ・チームと一緒にいて、マイクを向けられ、何フレーズか歌い、これが迫力でまた観客から拍手喝さいを浴びた。これで、ブレンダは、サム・ムーア、スライ&ファミリー・ストーンとも共演だ! (笑)

そして、「イン・タイム」の演奏が始まったところで、この日のマスター、スライおもむろに登場。舞台に上がる直前のところで、この「イン・タイム」を手持ちマイクで歌った。袖で歌い始めたのが22時34分、しばらくそこで歌い、36分ステージに。そして、いきなり「イフ・ユー・ウォント・・・」、「ファミリー・アフェア」。再び熱狂的な大歓声。みな、生きる伝説を見たことに感激しているようだ。ジーンズにスニーカー、そして赤のパーカー。そこらへんのストリートにいそうな格好だ。それも、パーカーを頭からかぶるから、表情もわかりにくい。

椅子を回転させくるくる回る。スライは終始伏目がちで、ステージから客席をまっすぐ見ない。もちろんサングラスをしてるから、ほんとにこちらからは視線がわからない。キーボードの上に手は置いているものの、ほとんど弾いてはいない。これを見て、キーボードは視線をさえぎる、照れ隠しのためにあるのかとも思った。スライは本当にシャイのようだ。あのしぐさを見ていると、1935年生まれのサム・ムーア(現在72歳、10月の誕生日で73歳)のほうが、動きなど若く見える。

「ファミリー・アフェア」から、ノンストップで「ハイアー」へ。そしてお約束の退出。スライ、22時46分ステージを去る。オンステージ時間10分、ただ袖で2分ほど歌っていたので、パフォーマンス時間は12分か。その後はバンド・メンバーの演奏が続いて、結局再度登場はなかった。

スライを間近で見て、意外と背が小さく、痩せている感じがした。身長165くらいか。そして老けている感じがする。体はいろいろな理由でボロボロなのだろう。たぶん、通路の近くにいた人にはスライに触れた人もいたかもしれない。あれほどの近くで伝説を見られることができただけでよしとしよう。体はボロボロでも、ファンク魂は健全だ。

で、フォーラムとブルーノート、どっちがよかったか、というとこれが難しい。圧倒的にバンド演奏などは、音なども含めてブルーノートがよかった。ライヴ自体の長さもあった。観客ののりも最高にいいし、客席との一体感もすばらしいものがあった。だがいかんせん、スライ御大が12分しかステージにいなかった。これが寂しい。フォーラムくらいいてくれたら、よかったのにと思う。でも、やはりブルーノートだろうなあ。

プリンスがスライ本人と近くで会ったかどうかわからないが、スライの小ささ、シャイな部分がどこかプリンスを彷彿とさせた。ジェームス・ブラウンとは、対照的だ。スライはかなり内省的、人との交わりを好まない、そんな感じがした。

だが、いずれにせよ、1時間半近く、スライ&ファミリー・ストーンのヒット曲ばかりをライヴで見たのだ。そのうちの何曲かは、本物のスライ・ストーンがそこにいて歌った。ファンクの伝説を目撃したことにはまちがいない。ライヴ・パフォーマンス自体は、きっと全盛期のときにはもっとすごかったのだろうが、これは僕のライヴ歴の中でも、特殊な意味で特筆すべきライヴになった。

でも、12分は、みじけ〜〜〜〜〜。(シャウトしながら)

(スライ関連、東京ジャズ関連、つづきます)

■メンバー

スライ・ストーン(ヴォーカル、キーボード)Sly Stone(vo, key)
ローズ・ストーン(ヴォーカル、キーボード) Rose Stone(vo, key)
リサ・バンクス・“ストーン”(ヴォーカル) Lisa Banks "Stone"(vo)
アンソニー・ステッド(ヴォーカル) Anthony Stead(vo)
シンシア・ロビンソン(ヴォーカル、トランペット) Cynthia Robinson(vo, tp)
マイク・リンタ(トロンボーン) Mike Rinta(tb)
ジェリー・マルティーニ(サックス) Jerry Martini(sax)
トニー・イェーツ(ギター)Tony Yates(g)
ピーター・イェーツ(ベース) Pete Yates(b)
レミリオン・“スパイダー”・デュボース(ドラムス)Remillion "Spider" Dubose(ds)

■スライ・ストーン関連

September 01, 2008
Sly Stone @ Tokyo Jazz (Part 1) : 36 Minutes Long On The Stage
http://blog.soulsearchin.com/archives/002658.html
8月31日の国際フォーラム・ライヴ評。

August 29, 2008
Brenda Will Sing For Sam Moore,: Are You Ready For Sly?
http://blog.soulsearchin.com/archives/002655.html
スライは8月31日、何分ステージにいるかのアンケート。

June 19, 2008
Sly & The Family Stone’s Live Review 2007
http://blog.soulsearchin.com/archives/002581.html
2007年スライ&ファミリー・ストーン・ヨーロッパでのライヴ評。

June 18, 2008
What If Sly Stone Would Show Up The Stage
http://blog.soulsearchin.com/archives/002580.html

June 17, 2008
Sly & TheFamily Stone Will Coming To Japan August
http://blog.soulsearchin.com/archives/002579.html
スライ&ザ・ファミリー・ストーン初来日決定

July 04, 2007
Sly & Family Stone Reunion: Hit The European Tour
http://blog.soulsearchin.com/archives/001880.html
2007年ヨーロッパツアー開始

May 07, 2007
Why "Family Stone"? : Are There Black Hippies?
http://blog.soulsearchin.com/archives/001759.html

May 05, 2007
Back In 1968: When LP Records Were New
http://blog.soulsearchin.com/archives/001753.html

May 04, 2007
Sly & Family Stone’s Paper Sleeve Jackets CD Released
http://blog.soulsearchin.com/archives/001752.html
スライ&ファミリー・ストーン紙ジャケット発売

■セットリスト スライ&ザ・ファミリー・ストーン:ファーストセット
First set
Setlist : Sly & The Family Stone @Blue Note Tokyo, September 2, 2008

musicians on the stage 19:05
show started 19:07
01. Dance To The Music [CD "Dance To The Music" 1968]
02. Everyday People [CD "Stand" 1969]
03. Hot Fun In The Summer Time (1-3 Medley)
04. Don’t Call Me A Nigger, Whitey [CD "Stand" 1969]
05. Thank You (Falettinme Be Mice Elf Agin) (slow, Africa version) [CD"There’s A Riot Going On" 1971]
(06) Somebody’s Watching You [Sly came on the stage at 19:47] [CD "Stand" 1969]
(07) If You Want Me To Stay (Intro only)
08. Family Affair [CD "There’s A Riot Going On" 1971]
09. If You Want Me To Stay [CD "Fresh" 1973]
10. I Want To Take You Higher [CD "Stand" 1969] [Sly left the stage at 19:59]
Enc1. Thank You (Falettinme Be Mice Elf Agin) [CD"Greatest Hits" 1970]
Enc2. Sing A Simple Song [CD "Stand" 1969]
show ended 20:31

■セットリスト スライ&ザ・ファミリー・ストーン:セカンドセット
Second set
Setlist : Sly & The Family Stone @Blue Note Tokyo, September 2, 2008

musicians on the stage 21:50
show started 21:53
01. Dance To The Music [CD "Dance To The Music" 1968]
02. Everyday People [CD "Stand" 1969]
03. Hot Fun In The Summer Time (1-3 Medley)
04. Don’t Call Me A Nigger, Whitey [CD "Stand" 1969]
05. Somebody’s Watching You [CD "Stand" 1969]
06. Thank You (Falettinme Be Mice Elf Agin) (slow, Africa version) [CD"There’s A Riot Going On" 1971]
07. In Time [CD "Fresh" 1973] [Sly started to sing "In Time" just off the stage at 22:34, on the stage at 22:36]
08  If You Want Me To Stay [CD "Fresh" 1973]
09. Family Affair [CD "There’s A Riot Going On" 1971]
10. I Want To Take You Higher [CD "Stand" 1969] [Sly left the stage at 22:46]
Enc1. Thank You (Falettinme Be Mice Elf Agin)(Instrumental) [CD"Greatest Hits" 1970]
Enc2. Sing A Simple Song [CD "Stand" 1969]
show ended 23:26

(2008年9月02日火曜、東京ブルーノート=スライ&ザ・ファミリー・ストーン・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Sly & The Family Stone
2008-145,146

▽Sam Moore @ Tokyo Jazz (Part 2)2008年9月2日

【東京ジャズのサム・ムーア】

元気。

一昨年、昨年と続けて来日、今回の来日で3年連続となる、「ミスター・ソウル・マン」サム・ムーアの東京ジャズでのライヴ。会場は、国際フォーラム・フォーラムA。一番大きい5000人収容のホールだ。

「ピーター・ガン」で少し観客を暖め、「ホールド・オン・アイム・カミング」の後半から登場。そして、本編突入した感のする「ノック・オン・ウッド」で、いきなり女性バック・コーラス4人の中から、我らがブレンダ・ヴォーンを呼び出し、デュエット! これは、すごい。ブレンダとサムのデュエット、ほんとブレンダが堂々としていて、日本ソウル界の至宝だ。ブレンダを東京代表ソウル・シンガーとして出せるのは誇りだ。

サム・ムーアの声は相変わらず、はりがあって、すばらしい。本当に現役だ。サムは、ジャケットの下には、おもしろい顔の絵が描かれたTシャツを着ていた。シャツは、インしていた。

結論から言えば、ブルーノートでも、フォーラムでも、サム翁の動き、喉は変わらなかった。ただサウンドが、大箱ならではのあらっぽい音になっていただけ。最初にでたロベン・フォードと同じミックスでやったら、これは、とうぜんだめなわけで、そのあたりの切り替えをしっかりするか、ミキサーを変えるかしないとどうにもならない。サムのヴォーカルも、デュエットしたときのブレンダの声も、かなり聴こえなかった。

また、ベンEキングの「ドント・プレイ・ザット・ソング」は、別のコーラス、キャロウェイとのデュエット。彼女は2年前から来ているが、アヴリル・ラヴィン的なパンチのある歌を聴かせていてなかなかいい。(キャロウェイは、下記メンバーリストのクリスティンかな)

これが終わって、スローのイントロが始まった。サムは「僕はこの曲を歌いたい…。ジェームス、ゴスペルの音をくれ…」 こうしてオルガンが教会風の音を出し、サムは渋い歌声で「アイ・スタンド・アキューズド」を歌いだす。隣の松尾氏、「ジェリー・バトラー!」、「アイザック・ヘイズも歌ってます」と僕。きっと、これはサムのしばらく前に亡くなったアイザック・ヘイズへのトリビュートだったのだろう。「君を愛し続けることが罪ならば、僕は非難されてもかまわない」 こういう重厚なバラードは、本当にサムの味がでる。すばらしい。この日は、「サムシング・ロング・ウィズ・マイ・ベイビー」を歌わなかったのだが、これが聴ければ、よしとしよう。

そして、一気にアップテンポのヒット曲で進める。「ソウル・マン」で幕を閉じたサム・ムーア。ここでは60分弱だったが、9月3日、4日とブルーノートでライヴがある。

(東京ジャズ関連、サム・ムーア、スライ・ストーン記事は続きます)

■ サム・ムーア 過去関連記事

November 02, 2007
Everybody Loves Sam Moore: A Night Of Soul Explosion (Part 1)
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200711/2007_11_02.html
(前回来日ライヴ評)

November 03, 2007
More Sam Moore: A Night Of Soul Explosion (Part 2)
http://blog.soulsearchin.com/archives/2007_11_03.html

November 15, 2006
We Want More Moore, Not Some Moore
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_11_15.html
(前々回来日ライヴ評) (ここに過去記事一覧も)

November 18, 2006
Sam Moore With Surprising Finale: Sam, You Are So Beautiful
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_11_18.html
(前々回来日ライヴ評)

October 21, 2006
Sam Moore Suddenly Will Coming To Japan
http://blog.soulsearchin.com/archives/001341.html

August 23, 2006
Sam Moore’s First Solo Album In 34 Years
サム・ムーアの新作について
http://blog.soulsearchin.com/archives/001216.html

■メンバー

SAM MOORE -The Legendary Soul Man-サム・ムーア -The Legendary Soul

サム・ムーア(ヴォーカル)Sam Moore(vo)
ブレンダ・ヴォーン(ヴォーカル)Brenda Vaughn (vo)
クリスティン・ポーランド(ヴォーカル)Christine Poland(vo)
ナオミ・マーゴリン(ヴォーカル)Naomi Margolin(vo)
キャロウェイ(ヴォーカル)Calloway (vo)
マーク・ニューマン(ギター)Mark Newman(g)
アイヴァン・ボドリー(ベース)Ivan Bodley(b)
トニー・ルイス(ドラムス)Tony Lewis(ds)
ジェイムス・ダウアー(キーボード)James Dower(key)
オマー・マルティネス(パーカッション)Omar Martinez(per)
ラリー・エトキン(トランペット)Larry Etkin(tp)
ダン・シプリアーノ(サックス)Dan Cipriano(sax)
大野清(バリトン・サックス)Kiyoshi Ohno(bs)
青木タイセイ(トロンボーン)Taisei Aoki(tb)
ジョイス・ムーア(mc)Joyce Moore (mc)

■セットリスト サム・ムーア 東京国際フォーラム フォーラムA
Setlist: Sam Moore @ Tokyo Kokusai Forum A, August 31, 2008

show started 14:10
01. Peter Gun (Instrumental)
02. Hold On, I’m Coming (Sam came on the stage)
03. Knock On Wood (duet with Brenda Vaughn)
04. Them Changes (Buddy Miles)
05. I Can’t Stand he Rain (Ann Peebles)
06. You Don’t Know Like I Know (Sam & Dave)
07. Don’t Play That Song (duet with Caroline) (Ben E King)
08. I Stand Accused (Jerry Butler, Isaac Hayes)
09. Soul Sister Brown Sugar (Sam & Dave)
10. (Standing On The) Shakey Ground (Temptations)
11. Mr. Pitful (Otis Redding)
12. I Can’t Turn You Loose (Otis Redding)
13. I Thank You (Sam & Dave)
14. Soul Man (Sam & Dave)
show ended 15:03

(2008年8月31日日曜、東京国際フォーラムA=サム・ムーア・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Moore, Sam
2008-141

☆Sly Stone @ Tokyo Jazz (Part 1) : 36 Minutes Long On The Stage2008年9月1日

(内容に完全にふれます。これからごらんになるかたは、ご自身の判断でお読みください)

【スライ・ストーン、36分間ステージに立つ】

36分間。

ロベン・フォード、サム・ムーアが終わり休憩をはさみスライのステージ準備が始まる。ライヴ前から機材のセッティングなどで大勢の人たちがステージ上で動いている。ギタリストのトニー・イエーツが、「サンキュー」のリフをちらっとサウンドをチェックするために弾いてみる。まだ客席明るく、観客も休憩から戻ってきていないが、そのリフだけで、一瞬「お〜〜っ」となった。

久々に気合をいれてライヴに臨んだ。事前に「ソウル・サーチン・ブログ」で書かれている昨年夏のライヴのセットリスト、メンバー表、今回の来日メンバー表、予習のおさらいは完璧だ。果たして、スライは何分、ステージにいるか。アンケートもやった。アンケートでは15分以下が13票、16分〜30分が13票で同率。僕も、16分〜30分に1票いれていた。まあ、こんなものだろう、と。

客席暗転し、15時32分メンバーが所定の位置につく。ドラムス、ギター、ベース、キーボード2、3人のホーンセクション、計9人がステージ。もちろんまだスライはいない。ステージ中央にキーボードとマイクスタンド2本がその主を静かに待っている。

いきなり、アップテンポの「ダンス・トゥ・ザ・ミュージック」でステージは始まった。その瞬間、客席は総立ちだ。リードは舞台右手のリサ・ストーンが中心にとる。このリサは、左手のキーボード兼ヴォーカルのローズ・ストーン(スライ&ザ・ファミリー・ストーンのオリジナル・メンバーで、スライの妹)の娘。スライの姪だ。「ブンブンブン〜〜」 熱狂が熱くなる。ノンストップで「エヴリデイ・ピープル」へなだれ込む。さらに熱くなる。これが終わり、ミュージカル・ディレクターでもあるギタリストがヴォコーダーを操り、ちょっと音を出し始めた。すると舞台左手から、な、な、なんと早くもスライ・ストーンが金ぴかの衣装で登場するではないか。時に15時40分。ライヴが始まってまだ7分しか経っていない。せいぜい4時すぎだと思っていたから、度肝を抜かれた。客席からは大歓声と口笛が響きわたる。

そして、重いファンク「ドント・コール・ミー・ニガー、ホワイティ」を歌い、演奏。本物のスライが歌い、演奏している。おおおっ。スライはヴォコーダーのようなものを口にくわえ歌っている。終始うつむきかげん。リズムをぴったり両足で取る。

バンド演奏は、モニターが悪いせいか、けっこうよれよれだが、まあ、そんなことはどうでもいいだろう。スライ様がステージに上がって動いているだけで許そう。

少しテンポを落とした「ファミリー・アフェア」。ローズが最初のヴァースを歌い、すぐにスライ本人が生声で歌った。くびを傾げつつ、マイクを押さえ、ちょっとだみ声で歌う。スライは終始、斜め下を見ていて、観客席にはあまり目をやらない。シャイなのだろうか。

レコードよりもテンポが遅いからか、このファンクの味わいを『老練なファンク』、あるいは『枯れたファンク』、『老いたファンク』と呼びたい。40年近く前に時代の超先端を行っていた当時の斬新ファンクは、その後40年で世界に浸透し、これがファンクのある種の原型のひとつと認められるようになった。そのオリジネイターが40年の歳月を経て、今、ステージにあがる。ファンクも老齢し、熟成するということを知った。ファンクは若い人だけが、元気よくやれるものではないのだ。演奏がよれよれでも、腐ってもスライ、腐ってもファンクの王者、その意味でファンクのDNAを存分に発揮しているところがすごい。ファンクの底力。

「シング・ア・シンプル・ソング」では、コーラスで「ラ〜〜ラララ〜〜ラ」が繰り返し歌われる。最後は観客にこれを歌わせる。フォーラム中がこの「ラ〜〜ラララ」のコーラスであふれる。そして、「スタンド」へ。「スタンド」の途中では、スライは歌詞を少し忘れたようだ。でも、ま、それも愛嬌か。(笑)これもレコードよりも、ゆったり目でこういうのを聴いていると、「スムース・ジャズ」ならぬ「スムース・ファンク」という言葉を編み出したくなる。

スライはその場でセットリストを気分次第で変えるようだ。「スタンド」からは、「イフ・ユー・ウォント・ミー・トゥ・ステイ」へ。キーボードのソロ、トロンボーン・ソロも聴かせる。スライは、自分が仕事をしないときには、回転チェアを回し、客席に背を向け、ミュージシャン側を向く。ひょっとしたら、何かキューを出しているのかもしれないが、そのくるくる回る様子を見て、またキャッチが浮かんだ。チェアマン・オブ・ザ・ボードではなく「チェアマン・オブ・ザ・ファンクChairman Of The Funk」。

そして、アップテンポの「アイ・ウォント・トゥ・テイク・ユー・ハイヤー」へ。スライも立ち上がり、客席も腕を天井に向かって振り上げる。リサの歌がまた、天井まで突き抜ける。すると、この曲の途中で、スライは舞台から立ち去った。16時16分。ここまで36分もステージにいた。

続いて「サンキュー」。ここで、スライのカンバックも十分ありえたが、残念ながらそれは叶わなかった。ローズとリサが歌う、母娘の歌声だ。ヨーロッパでは、ここでまたスライが戻ってきたのだが。様子を見ると、バンドメンバーも、いつスライがステージに戻ってくるのか、予想できずに、来たら来たときの対応、来なければ、来ないでバンドだけでの演奏、を心得ているように見えた。また、スライが出てきて、曲を変えても、やはりすぐに対応するようだ。一度、途中でドラマーが何かの曲のイントロをやったが、スライがついてこないで、やめてしまったところがあった。

本編が終わり、バンドメンバーがステージを去ると、アンコールを求めて、さすがに大歓声、大拍手が続く。しばらくしてバンドが戻って、もういちど、「アイ・ウォント・トゥ・テイク・ユー・ハイヤー」を、今度は各ソロも交え長尺で。ここで、スライ戻るかと思ったが、結局、戻らず、大団円終了。たぶん、メンバーもスライの登場も視野にいれて演奏していたのだろう。16時43分。71分中、36分。半分以上いた計算だ。

終わった後の感想としては、ここ国際フォーラムは、あまり音がよくない。ハコが多きすぎるせいもあるのか、ミキサーが悪いのか、こうしたファンク系、R&B系のライヴで音がよかったというためしがない。最初のロベン・フォードのときは、そこそこの音だったので、たぶん、トリオくらいまでの音ならなんとかこなせるが、これくらいの大所帯バンドの音響が無理なのだろう。サムのときもヴォーカルの音が、バンド演奏に埋もれ、あまり聴こえなかった。こうした大型バンドのライヴを聴くと、より専門的なミキサーを海外から連れてきてみたくもなる。なので、おそらく、火曜日のブルーノートで行われるライヴのほうが音響、一体感も含め、何百倍もよくなるだろう。

いずれにせよ、スライ・ストーンはひとつの伝説を残していった。ファンクのDNAをここに撒き散らしていった。

(東京ジャズ・ライヴ、サム・ムーア、ロベン・フォードなども含めて、この項、続く)

■メンバー

スライ・ストーン(ヴォーカル、キーボード)Sly Stone(vo, key)
ローズ・ストーン(ヴォーカル、キーボード) Rose Stone(vo, key)
リサ・バンクス・“ストーン”(ヴォーカル) Lisa Banks "Stone"(vo)
アンソニー・ステッド(ヴォーカル) Anthony Stead(vo)
シンシア・ロビンソン(ヴォーカル、トランペット) Cynthia Robinson(vo, tp)
マイク・リンタ(トロンボーン) Mike Rinta(tb)
ジェリー・マルティーニ(サックス) Jerry Martini(sax)
トニー・イェーツ(ギター)Tony Yates(g)
ピーター・イェーツ(ベース) Pete Yates(b)
レミリオン・“スパイダー”・デュボース(ドラムス)Remillion "Spider" Dubose(ds)

■スライ・ストーン関連

August 29, 2008
Brenda Will Sing For Sam Moore,: Are You Ready For Sly?
http://blog.soulsearchin.com/archives/002655.html
スライは8月31日、何分ステージにいるかのアンケート。
June 19, 2008
Sly & The Family Stone’s Live Review 2007
http://blog.soulsearchin.com/archives/002581.html
2007年スライ、ライヴ評。

June 18, 2008
What If Sly Stone Would Show Up The Stage
http://blog.soulsearchin.com/archives/002580.html

June 17, 2008
Sly & TheFamily Stone Will Coming To Japan August
http://blog.soulsearchin.com/archives/002579.html
スライ&ザ・ファミリー・ストーン初来日決定

July 04, 2007
Sly & Family Stone Reunion: Hit The European Tour
http://blog.soulsearchin.com/archives/001880.html
2007年ヨーロッパツアー開始

May 07, 2007
Why "Family Stone"? : Are There Black Hippies?
http://blog.soulsearchin.com/archives/001759.html

May 05, 2007
Back In 1968: When LP Records Were New
http://blog.soulsearchin.com/archives/001753.html

May 04, 2007
Sly & Family Stone’s Paper Sleeve Jackets CD Released
http://blog.soulsearchin.com/archives/001752.html
スライ&ファミリー・ストーン紙ジャケット発売

■セットリスト スライ&ザ・ファミリー・ストーン
Setlist : Sly & The Family Stone @ Tokyo Kokusai Forum, August 31, 2008

musicians on the stage 15:32
show started 15:33
01. Dance To The Music [CD "Dance To The Music" 1968]
02. Everyday People [CD "Stand" 1969]
03. Don’t Call Me A Nigger, Whitey (Sly came on the stage at 15:40) [CD "Stand" 1969]
04. Family Affair [CD"There’s A Riot Going On" 1971]
05. Sing A Simple Song [CD "Stand" 1969]
06. Stand [CD "Stand" 1969]
07. If You Want Me To Stay [CD "Fresh" 1973]
08. I Want To Take You Higher (Sly left the stage at 16:16) [CD "Stand" 1969]
09. Thank You (Falettinme Be Mice Elf Agin) [CD"Greatest Hits" 1970]
10. Thank You For Talkin’ To Me, Africa [CD"There’s A Riot Going On" 1971]
Enc. I Want To Take You Higher [CD "Stand" 1969]
show ended 16:42
musicians off the stage 16:43

(2008年8月31日日曜、東京国際フォーラム=スライ&ザ・ファミリー・ストーン・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Sly & The Family Stone
2008-140

◎Fukamachi Jun #92: Metaphysical Philosophy2008年8月31日

形而上(けいじじょう)。

「え〜、こんな雨の中、僕だったら、うちでテレビでも見てますが…。(笑)昨日の雷はすごかったねえ。僕も60何年生きてますが、あんなに大量の雷を一度に見たことはなかった。いずれにせよ、こんななか、来てくれてありがとう。気持ちいれてやるかな(笑)」

美しいとは何か。美しく生きるとは何か、おいしいとは何か。すぐれた文明とは何か、そうしたものを含めて、哲学する。形がないものを論ずるやりかた、それが形而上学というそうだ。深町さんは、その形而上学に興味があり、いろいろ考えることが好きだという。「日本には、哲学学者はいるが、哲学者はいない。彼らは哲学のことは語れるが、自分自身の哲学はない」とばっさり。

マヤ歴は2012年で終わっている。なぜなのか。「おもしろいと思う」と深町さん。「ゴアが書いた『不都合な真実』、およみなさい。彼はこのまま温暖化が進むと、あと2-3年で危ない、って言ってる。2012年までもたないかもしれない。この前、ヴェニスに行ったんですが、ここはもうあと何センチかで水没してしまう」

「ひょっとして、2012年に何かが起こるとしたら、そこから逃れられる方法はあるのか、と考えたとき、僕は、例えば、美しい音楽を聴いたり、美しい絵を見たり、素晴らしい小説を読んだり、彫刻を見たりしていれば、きっと何か良いことにつながるだろう、と信じている」

即興演奏ピアニスト深町純、定例ピアノ会弟92回。

■セットリスト深町純 92回 
Setlist : Fukamachi Jun #92@FJ’s, August 30, 2008

Fukamachi Jun (Keyboard, Yamaha CP80)

1st set
show started 20:03
01. 2008年8月30日20時04分の作品(14:23)
02. Happy Birthday (to Mr. Ohta) (4.28)
03. 2008年8月30日20時49分の作品 (12.02)
Show ended 21:01

2 nd set
show started 21:35
01. 2008年8月30日お題拝借作品1(2:30)
02. 2008年8月30日お題拝借作品2(藤得さんのメロディーから)(1:40)
03. 2008年8月30日お題拝借作品3 (2:13)
04. 2008年8月30日21時55分の作品 (18:42)
05. 2008年8月30日22時23分の作品 (11:26)
show ended 22:36

■過去の音楽比率(ライヴ全体の中での音楽の割合を表します。音楽60%は40%がトークということです)(単位は%)

2008年01月26日 第一部 71.90 第二部 59.06 (第85回) 
2008年02月24日 第一部 64.80 第二部 48.43 (第86回)
2008年03月29日 第一部 67.78 第二部 73.29(第87回)
2008年04月26日 第一部 54.13 第二部 74.46(第88回)
2008年05月31日 第一部 54.06 第二部 83.84(第89回)
2008年06月28日 第一部 58.38 第二部 74.94(第90回)
2008年07月26日 第一部 72.38 第二部 70.49 (第91回)
2008年08月30日 第一部 53.25 第二部 59.86(第92回)

(2008年08月30日土曜、祐天寺FJズ=深町純ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Fukamachi, Jun
2008-139

○"Soul Blends Night" @ Pantera: Magic Will Be Next Thing 2008年8月30日

【ソウル・ブレンズ・ナイト、次はマジック】

イヴェント。

インターFMの『ソウル・ブレンズ』の番組イヴェントが、2008年8月29日(金)、青山のクラブ「パンテーラ」で行われた。DJマーヴィン・デンジャーフィールド、ちーちゃん、そして、僕も顔をだし、挨拶をした。始まる頃は、青山近辺も大変な雷と豪雨で、客足が心配されたが、けっこう満員になっていた。ご来場された方ありがとうございます。

12時少し前に、最近人気の女子大生シンガー、谷村奈南ちゃんが今大ヒット中の「セクシー・セニョリータ」などを歌い喝采を浴びた。

この日は常連リスナー、お店の常連なども参加。DJオッシー、DJナミらがDJを担当、ダンスフロアを盛り上げた。

マジック。

ところで、このパンテーラは来月あたりで終了し、オッシーたちは、こんご毎週木曜日、横浜の元ベイサイド・クラブの跡地にできた新しいハコでDJを行う。この新しいハコは、Magic といい、敷地700坪という広大なところに作られた。かつては、ベイサイド・クラブ、ブッチャーズ・テーブルというふたつの店が並んでいたが、それを取り壊し、その敷地にひとつの建物を作った。ひょっとして関東で一番、あるいは日本最大のクラブ、ディスコかもしれない。オッシー・チームは9月4日(木)からDJを開始、ただし、全体的な派手なお披露目は準備が整い次第行うという。1000人以上を呼べるライヴも出来るということなので、ライヴ・ハウス的に使うこともできそうだ。また、最寄の駅から遠いということもあり、みなとみらいから、無料のクルージング(船)を運行するという。

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アンケート投票。

昨日付けのブログで、スライが何分間ステージにでるか、予想アンケートを募集していますが、30日午前6時半現在で25票をいただいています。そのうち4票が「登場しない」となっていて、おもしろいですねえ。(笑) 正解は月曜日付けブログ(9月1日)で発表できる予定です。はたして?

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念校。

昨日(29日)、ついに『ソウルパワー』のパンフ、校正終了。校正のあとの「念校」(=ねんこう=念のためにもういちど最終校正すること)も終わりました。いやあ、スタッフのみなさん、おつかれさまでした。9月6日の大阪での「ソウルパワー・ナニワ・サミット」でブースに並びます。去年のと同じくらい力の入ったプログラムになっていますので、どうぞごらんください。 

ENT>EVENT>Soul Blends Night

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