佐賀

　武雄市民病院の民間移譲に反対する「武雄市民病院を存続させる会」は１７日、記者会見を開き、民間移譲をやめるよう求める住民訴訟を断念すると発表した。今後は市議会などで民間移譲の問題点を明らかにし、市民病院存続の声を高めていくという。

　会見に臨んだ谷口攝久世話人＝市議＝らは、断念理由として訴訟費用の工面や裁判が長期間を要することなどを挙げた。

　また、同会が出した住民監査請求に対する監査結果通知に、市監査委員が「市民病院への市民の関心の深さを重く受け止め、今後の契約などには透明性を確保し適正に処理することを要望する」と付記したことを評価したという。

　谷口市議らは、移譲の優先交渉権者に選ばれた北九州市の医療法人財団「池友会」との移譲契約の差し止めなどを求め、１０２８人の署名を添えて住民監査請求を市監査委員に提出したが却下され、市を相手取った住民訴訟を検討していた。【原田哲郎】