県は17日、07年度の県立12病院の経営状況を発表した。全体収支は06年度に比べ赤字幅が19億円改善されたが、依然として45億円の赤字だった。累積赤字は769億円に上る。貯金に当たる内部留保資金の残高も5年前の02年度の101億円から5億円にまで減り、危機的状況が続いている。
県病院局経営課によると、全体収益は06年度の診療報酬改定による診療単価の増額で、06年度比28億円増の723億円。全体費用は薬品の値引き交渉などに取り組んだが、06年度比15億円増の881億円に上り、一般会計からの繰入金(114億円)を含めても45億円の赤字になった。
病院別では、姫路循環器病センター(姫路市)が入院単価の増額などで5年連続の黒字。病床の稼働率が向上した災害医療センター(神戸市中央区)と、新たに呼吸器科などが充実した尼崎病院(尼崎市)は黒字転換した。
一方、医師の退職で患者数が減少した柏原(丹波市)と西宮(西宮市)、診療機能の見直しで病床数が減った光風(神戸市北区)の3病院は、06年度より赤字幅が拡大した。また、こども病院(須磨区)、がんセンター(明石市)、淡路病院(洲本市)など計6病院が06年度に比べ赤字幅を縮小した。【吉川雄策】
〔神戸版〕
毎日新聞 2008年9月18日 地方版