15日発売の「中国新聞週刊」誌は、2009年春にも始まるとされる中国人の北朝鮮団体旅行を「お楽しみ型の旅行ではない」などと紹介した。神秘の国を訪れ、厳しい「軍規」を守った上で、夜に照明が輝くビルはなく、車が行きかう道路もない同国に、年配の人は昔(の中国)を追憶し、若者は新鮮さを味わう旅行になるという。
関連写真:そのほかの北朝鮮問題の写真
8月には中国国家観光局の杜江副局長が平壌(ピョンヤン)を訪問し、中国人団体客の北朝鮮旅行を解禁することで、協議することを決めた。2009年は両国の国交樹立60周年で、早ければ春にも同団体旅行が実現すると見られている。
個人ベースでは1980年代から中国人の北朝鮮旅行は行なわれており、吉林省の延吉市や丹東市の旅行会社が手配業務を行なっている。北朝鮮側は、人数を制限した上で、受け入れている。
中国の旅行会社によると、同国旅行中は「タブー」に注意しなければならない。国家指導者の像などがある施設を見学することになるが、像の様子を「マネ」してはならない。座って写真を撮るのもダメ。また、指導者や経済状態を批判してはならない。
携帯電話は持ち込み禁止。写真機やビデオは持ち込みOKだが、平壌や国境地帯の新義州の街頭では撮影禁止。最近、出国時の抜き打ち検査で、デジタルカメラに「不合格写真」があったため、削除や罰金を求められたケースがある。米国や韓国の国旗や国徽がある物品は持ち込み禁止だ。
2008年春に丹東市の旅行会社を通じて北朝鮮を個人旅行した中国人の宋壮志さんによると、北朝鮮観光で訪れる場所は多いという。特に革命関連の建築物は、周辺に大きな建物が少ないこともあり、異常に勇壮な姿を見ることができる。地下200メートルにあり、エスカレーターでホームにたどりつくまでに数分間を要する地下鉄も印象的だったという。
宋さんは北朝鮮の外国人受け入れは、文化大革命とその直後の時代だった1970年代の中国と同じだったと述べ、両替では「人民元の公定レートは1元が1ウォン(北朝鮮ウォン)だが、ヤミでは数百ウォンになる。もっとも、外国人にとっては記念として役立つものだが」と語った。
なお禁止事項の多い北朝鮮旅行だが、ホテルではマカオ(澳門)人が開設したカジノが営業していたという。
写真は平壌市中心部(編集担当:如月隼人)
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