◆5人も立って迫力、緊張感がなくなった。麻生さんのしゃべり方は受けるかもしらんが、党員が本当にそう思うかどうか。報道の仕方も問題がある。
◆人権を踏まえた視点がありますか。華麗な家柄だけど、人を平等に考えない。国家のトップに立つ人として資質に疑問がある。
安倍晋三前首相と福田康夫首相が辞める時、2度とも事前に打ち明けられたのに、善後策も講じないで一番先に自分が手を挙げた。幹事長の職責が分かっていない人だ。
◆構造改革路線だった人が、景気回復を具体的にどうやるのか。経済対策をやりますと言うだけでは駄目だ。補正予算を成立させて、年末年始の地方議会に間に合わせないと国民に浸透しない。臨時国会冒頭解散なんてやったら、すぐはげて、深い傷を負う。
◆補正予算を通すなど、やることやれば、過半数は取れるでしょう。でも、ここはいったん民主党に政権を渡すのも一つの方法だと思う。できれば衆院選後、政界再編が起きてほしい。衆参のねじれと自民党の状況を見てたら、政界再編やらなきゃ課題解決はできないじゃない。
◆それよりも、与野党とも右傾化する中で、二度と戦争をしない日本をつくる基軸となるような人たちの集まりをつくるチャンスじゃないか。ガラガラポンやった方がいい。
◆あえて言うなら石原伸晃(元政調会長)君くらいでしょう。
◆政策は超一流で、できれば麻生さんより与謝野さんを勝たせたいけど、演説聞いてると声に迫力がない。やはり健康が心配だ。次の次の首相候補を視野に入れたら、石原君はここで登録しておくべき人間だと感じる。
◆小池さんは頭のいい人なんだろうけど、時の権力者について上手に泳いできた人に一国を任すことはできないなあ。後ろに小泉(純一郎元首相の)再登板という絵が描かれてるんじゃないか。
石破さんは防衛政策では優れた個性を持っているが、政治家としては全体像が出てこないですね。【聞き手・伊藤智永】=つづく
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■人物略歴
京都府旧園部町長、同府副知事を経て83~03年衆院議員(当選7回)。その間、村山政権の自治相、小渕政権の官房長官、自民党幹事長などを歴任。82歳。
毎日新聞 2008年9月17日 東京朝刊