福田衣里子氏の出馬について
薬害肝炎訴訟原告団の福田衣里子氏に民主党は衆院選の出馬を要請している。
本人もどうやら出馬するつもりのようで、数日中にも出馬表明をすると見られる。
別に誰がどの政党から出馬しようと構わないし、彼女を支持せよとも、支持するなとも言うつもりはない。
ただ、私個人としては彼女がすんなり出馬することには少し違和感がある。
薬害肝炎訴訟原告団として、国や製薬会社と裁判で戦うのは立派な事だと思うが、今の時点で国会議員に立候補するというのはどうなのだろうか。
国が全く誠意を示さず、患者の救済には法律の大きな壁があるというのなら、自ら国会に乗り込むという意気込みあっていい。
だが薬害肝炎訴訟は果たしてそういう状況なのだろうか。
何もしない首相である福田首相が、珍しく決断を下したものの中に、薬害肝炎訴訟がある。
薬害肝炎訴訟は今、政府と原告団が対話してどのように救済するのかという話し合いが始まったところではないのだろうか。
彼女はこれまでどおり、原告団の一人として国と交渉し、国会議員の力が必要なときには、今までどおり民主党の力を借りればいいと思う。
別に彼女が国会議員になる必要はないと思う。
自分の治療と訴訟に専念することが彼女のためではないか・・・・と思っていた。
ところが、福田衣里子氏について色々検索していくとどうも、私としては腑に落ちないと思うことが出てきた。
「福田衣里子」でグーグってみると、「福田衣里子は肝炎で酒が好き・・・なんか変だぞ!薬害薬害肝炎の原告団 ...」
なんてものが出てきた。
福田衣里子氏を中傷しているのかと、半信半疑に覗いてみる。
そこには、ある方と乾杯している写真が映ってあった。
肝炎にお酒はよくない。
医者に止められているでしょう。
しかし本人がお酒が好きならば、一切飲むなというのは酷な話。
読み進めると、誰かのコメントが引用されてあった。
「いいんですよ。彼女は既に陰性して完治しているのですから。」
陰性???
完治???
別のサイトを、色々見てみたが、どうやら、彼女の現状は、肝炎の検査では陰性であり、つまり完治しているらしい。
陰性であっても、将来また陽性になる可能性もあるそうだから、全く肝炎の心配のない方よりは、心配かもしれない。
しかし少なくとも、今すぐあるいは近未来に命の危険があるという状況ではないようだ。
正直驚いた。
今日の今日まで、私は、
「彼女がいつ命にかかわる状況になるのかわからない状況で、それでも仲間のために訴訟を起こしている」
と思っていた。
そう思っていたのは私だけなのだろうか。
私だけが無知だったのだろうか。
いや、そうではないと思う。
このブログを見ている方の中にも、私と同じように思っている方は多いのではないでしょうか。
彼女が治療の結果、陰性となったことは結構なことだ。
彼女が自分への保障も含め薬害肝炎訴訟に力を入れることは結構なことだ。
しかし、まるで直近の命の危機にさらされている薬害肝炎患者の代表のように、民主党の候補として、さも薬害を起こした自民党と対決するよう取り上げられて、立候補するのはいかがなものか。
彼女を非難しているわけではないし、彼女の出馬を邪魔するつもりもない。
そのへんは誤解してほしくないが、彼女を取り巻く環境には警笛を鳴らさずにはいられない。
まずは民主党。
彼女を薬害の被害者、悲劇のヒロインとして、選挙に利用するのはやめよ。
そしてマスコミ。
彼女の現在の病状をしっかり伝えろ。
彼女が現在は完治しているのなら、完治していると。
マスコミの彼女についての報道は明らかに負の部分に光を当てすぎている。
そして民主党はそれを利用しようとしている。
こんな、ドラマ仕立ての衆院選が果たして、国民のためなのか。
彼女と民主党は出馬会見で明言すべきである。
「福田衣里子の肝炎は現在は陰性であり、医学的には完治となっている」と
そしてマスコミも報道すべきである。
「福田衣里子の肝炎は現在は陰性であり、医学的には完治となっている」と
それを有権者に知らせて、衆院選挙に臨んでこそ、有権者のための選挙である。
薬害肝炎だけが選挙の争点ではないし、(というか薬害肝炎は選挙の争点なのか)
後は長崎の有権者が誰を選ぶかだ。
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