丹波
柏原病院は赤字15億円 県立病院07年度決算
県病院局が十七日発表した二〇〇七年度県立病院の決算。丹波市の県立柏原病院の赤字額は、前年度から三億七千万円増えて十五億五千六百万円と突出して悪く、十二病院全体の約三分の一を占めた。累積赤字額は七十一億四千七百万円に膨らんだ。医師減少による収入の落ち込みが原因で、前年度と比べた患者数は、入院一万三千人、外来は二万五千人減った。(ひょうご面参照)
収益は二十八億百万円。前年度より六億八千二百万円少なく、80・4%にとどまった。
最大の原因は医師不足に伴い、患者受け入れが狭まったこと。最も減ったのは内科で、四月に常勤医が二人減の四人体制となったため、重症者への対応を優先、四月から完全予約制に移行した影響が大きかった。外来は八千七百人、入院は四千二百人減った。
また、脳神経外科も〇八年一月に撤退。〇七年十月から頭部打撲など救急患者の受け入れができなくなり、外来は三千百人、入院は四千四百人減った。耳鼻咽喉科も常勤医がゼロになった。
一方、支出は四十八億四千四百万円で前年度比93・8%。稼働病床を四十六床減らすなどしたが職員削減は追いつかず、給与費が前年比98・9%と硬直化している。収益に対する人件費の割合は120%で、前年度から22ポイント上昇した。県立病院全体は65%で、柏原が突出して高い。
〇七年度当初の経営計画では、前年度の十一億八千六百万円の赤字を、九億四千万円まで圧縮する目標を立てていたが、医師離れに歯止めがかからず、逆に赤字が拡大した。また、〇八年度はさらに病床数を減らしたが、四-八月の稼働率は54・9%と改善しておらず、収支がさらに悪化することが予想されている。(小林良多)
(9/18 11:19)