MSN Japanのニュースサイトへようこそ。ここはニュース記事全文ページです。

ニュース: 事件 犯罪・疑惑事故・災害裁判写真RSS feed

元少年再び「無罪」、検察側の抗告棄却 地裁所長襲撃事件

2008.9.17 22:24

 大阪市住吉区で平成16年2月、当時の大阪地裁所長が襲われ重傷を負った事件で、大阪高裁(古川博裁判長)は17日、強盗致傷などの非行事実で中等少年院送致となった後、大阪家裁から「再審無罪」に当たる保護処分取り消し決定を受けた元少年(21)=事件当時(16)=について、検察側の抗告を棄却する決定をした。

 犯人グループとして関与を疑われた5人のうち、すでに成人2人は刑事裁判で無罪、当時14歳の少年(19)も無罪に当たる不処分がそれぞれ確定している。当時13歳の少年(18)を除き、刑事裁判や少年審判にかかった4人が事件から約4年7カ月ぶりに「全員無罪」の司法判断が確定した。

 決定理由で古川裁判長は、検察側が立証の柱とした元少年や共犯少年らの自白の信用性を検討。元少年が犯行に関与していない別の恐喝未遂事件でも自白した点に触れ「捜査機関が描いた構図による追及、誘導に迎合し、自白が誘発された現実的な可能性を示す事情」と指摘し「(所長襲撃事件の)元少年の犯人性についても自白が信用できるとはいえない」と述べた。

 その上で「元少年らの自白以外に犯人性を証明できる証拠もない」と判断、再び「無罪」とした。

 元少年は事件から約3カ月後の16年5月に大阪府警の取り調べを受けて犯行を自供、逮捕された。家裁の審判でも非行事実を認め、同年7月に中等少年院送致の保護処分となり、18年2月まで約1年7カ月間、少年院に収容された。

 収容中の17年11月、処分の取り消しを申し立て、家裁は今年2月、刑事裁判の「再審無罪」に当たる保護処分取り消しを決定。その後、検察側が抗告受理を申し立てたため、高裁で抗告審が続いていた。

PR
PR

PR

イザ!SANSPO.COMZAKZAKFuji Sankei BusinessiSANKEI EXPRESS
Copyright 2008 The Sankei Shimbun & Sankei Digital
このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。