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「ロシアの侵攻準備、盗聴で察知し先手」グルジアが説明

2008年9月17日10時26分

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 【トビリシ=喜田尚】8月のロシアとの軍事衝突のきっかけとなったグルジア軍による南オセチア自治州進攻について、グルジア政府が自治州の親ロシア分離派政府兵士の携帯電話の盗聴記録から「ロシア軍がグルジアへの侵攻態勢を整えた」と判断して先手を打った、と欧米諸国に説明していることが分かった。サアカシュビリ大統領も16日の記者会見で認めた。

 軍事衝突はグルジア軍が自治州の制圧を目指して進攻し、ロシア側が反攻に出たとされるが、グルジア軍が突然自治州に攻め入った理由については不明な点が多い。武力行使を命じたサアカシュビリ大統領の判断を疑問視する声が欧米諸国にもあり、大統領は説明を迫られていた。

 朝日新聞がグルジア内務省から入手した録音記録によると、同国の情報機関が盗聴したのは8月7日未明に南オセチア・ロシア国境のトンネル付近にいた分離派政府警備兵と州都ツヒンバリの警備本部の通話。午前3時41分と同52分からの2回計2分21秒間のオセット語の会話で、同省の英訳によると、警備兵が「彼ら(ロシア兵)は装甲車を動かし、トンネルの中はいっぱいだ」などと話していた。

 グルジア政府は、ロシアがグルジア侵攻を計画して大規模な正規軍部隊をひそかに自治州へと移動させていた証拠だとしている。グルジアはその12時間後に軍動員に踏み切り、20時間後、自治州内へ突入した。

 サアカシュビリ大統領は「衝突は我々が選んだのではない。我々は自衛のために動いた」と話した。

 これに対しロシアは、軍の移動は平和維持部隊の通常の交代だったと反論。モスクワからの報道によると、ネステレンコ外務省報道官は当時の双方の軍の動きは北大西洋条約機構(NATO)が衛星画像で把握しているはずで「NATOはデータを公開すべきだ」と訴えた。

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