ニュース: 政治 RSS feed
【自民総裁選】どうなる財政政策 三つどもえ論争 (2/3ページ)
このニュースのトピックス:国会
対立の端緒は昨年秋、上げ潮派リーダーの中川秀直元幹事長と与謝野氏が火をつけた「霞が関埋蔵金」論争だった。与謝野氏が社会保障費増大を理由に消費税増税に動き出したところ、中川氏は特別会計の「埋蔵金」活用による増税回避を主張。論争は党内を二分する騒ぎに発展した。
米国のサブプライムローン問題に端を発する世界的な金融不安や原油高騰を受け、対立は一度終息したが、景気の先行き不安を受けて、今度は積極財政派が台頭。麻生氏がプライマリーバランスを平成23年度までに黒字化する政府目標の先送りを示唆したことにより、路線闘争は三つどもえとなって復活した。
ただ、麻生氏の主張は住宅関連の政策減税や投資促進が中心であり、従来型の公共事業路線とは一線を画す。上げ潮派も景気対策を否定しているわけではなく、中川氏は「『改革の配当』をバラマキでない形で還元すべきだ」と埋蔵金による景気対策を主張する。与謝野氏も政府の総合経済対策をまとめる際に建設国債発行に柔軟姿勢を示しておりゴリゴリの財政再建論者とはいえない。
上げ潮派の若手・中堅は優位に立つ麻生氏に対し、「バラマキ批判」を強める構えだが、批判の応酬は党内にシコリを残す。石破氏は「麻生氏がカネをバラまけばよいと思っているはずがない。要はアクセントの違いであり3派に分けるのはミスリードだ」と論争の軌道修正を呼びかけており、小池、石原両氏はややトーンダウンしている。