政府の行政減量・効率化有識者会議は17日、独立行政法人「雇用・能力開発機構」を廃止し、機構が管理する「私のしごと館」や「地域職業訓練センター」なども廃止する方針を決めた。職業訓練など一部業務は段階的に地方や民間に移管する。福田首相も了承したが、細部は厚生労働省が年末までに詰めるため、新内閣で会議の方針がどこまで尊重されるか不透明だ。
この日まとめた方針では、職業体験施設「私のしごと館」(京都府)を廃止し、施設は賃貸か売却を検討する。機構の主要業務である失業者向けの職業訓練を行う全国61カ所の職業能力開発促進センター(ポリテクセンター)は、他法人に引き継いだ後、段階的に都道府県や民間に移管する。職業訓練の指導員を養成する職業能力開発総合大学校(神奈川県)は廃止か民営化するとした。
一方、機構を所管する厚労省は16日、省内に設けた有識者による検討会で、機構の組織のあり方にはこだわらないとしながらも、失業者の職業訓練や指導員研修については国の責任で実施すべきだとの方針を打ち出している。
首相はこの日、茂木行革担当相と会談し、「基本方針はこの通りでいい」とした上で、詳細設計を行革担当相と厚労相で詰めるよう指示したが、職業訓練業務の地方や民間への移管がどこまで実現されるかは、新内閣での調整にゆだねられる。