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【私の小沢一郎論】奥島貞雄元自民党幹事長室長「小沢氏はワーストワンの幹事長」 (1/2ページ)
■人の苦労が分からない
小沢さんの立派な面は、理念、国家観があることです。最近の政治家はそれがなくて、目先のことばかり考えています。ただ、小沢さんは自分の考えと違う人だと、すぐそっぽを向いてしまう癖がある。だから側近はみんな去っちゃいました。小沢さんは「自分も変わる」と言いましたが、性格だから直らないですよ。
私は22人の幹事長にお仕えしましたが、ワーストワンは小沢さんです。具体的な出来事を挙げると、平成3年1月に多国籍軍がイラク攻撃を開始するという緊迫した情勢の中、23日に全国幹事長会議が開かれたのですが、小沢幹事長はすっぽかしました。開始直前になっても、小沢さんが現れなかったので、自宅に電話したら、「幹事長は高熱のため出席できなくなりました」ということでした。
私たちは大慌てで対応したんですが、後で通産省の事務次官以下幹部が「幹事長には昨晩、大変ごちそうになり、楽しかったです」とあいさつに来ました。思わず私は「あんたたちとドンチャン騒ぎしたせいで、幹事長は会議に出席できなかった。自民党幹事長を殺す気か」と怒鳴りつけました。
その後も小沢さんのすっぽかしは有名ですが、「世の中をなめているな」と思います。重要な会議は、出席者はもちろん裏方も苦労して準備しているんです。そういう人たちの苦労が分かっていない。だから情のない人だと思いますね。
一方で、小沢さんは偉い人の前では非常に礼儀正しく振る舞います。「老人殺し」と言われたほどかわいがられましたね。でも、その人が部屋を出ていくと、ころっと態度が変わるんです。それから、重要な人の葬儀には必ず顔を出して出棺まで見送ります。当然、参列者は感激します。田中角栄元首相がやっていたことを見習ったんでしょうが、小沢さんの場合は形だけで情はないと思います。
選挙のやり方も上手でしたね。演説は苦手だからせずに、裏工作に回るんですが、選挙区内の会社や団体を調べておいてアポなしで行くんです。先方はびっくりしますが、大感激するんですね。そういうことを計算している人です。