ページ内を移動するリンクです。

本文ここから

楡原中下校バス検討 高山線「6時列車」復活せず

2008年09月17日 07:00

楡原中下校バス検討 高山線「6時列車」復活せず

楡原駅から午後7時台の列車に乗り込む生徒=富山市楡原(細入)

 富山市細入地域の住民が3月のダイヤ改正でなくなったJR高山線の午後6時台の便の復活を求めている問題で、JR西日本が秋のダイヤ改正を見送ったため、住民に不満の声が広がっている。市教委は、帰宅時に同線を利用する楡原中(同市楡原・細入)生徒の不便解消に向け、スクールバスの臨時運行を検討。住民や市は来春のダイヤ改正へ引き続き復活を要望していく考えだ。

 富山市は平成十八年秋に富山―猪谷駅で始めた増発社会実験を三月十五日のダイヤ改正に合わせて富山―越中八尾駅に短縮。このため、午後六時台に猪谷駅に到着する普通列車がなくなり、細入地域の中高生ら三十数人は同七時台の電車まで待つことになった。

 楡原中の保護者らは四月に富山市やJR西日本に秋のダイヤ改正を要望。八月には改正がない場合を想定し、市教委にスクールバスの運行を求めた。JRのダイヤ改正は春が基本で、秋は新車両の導入や駅の改修など特別な場合のみ。増発実験を続ける高山線は運行頻度を保つため他の路線よりも車両繰りや運転士の調整が難しく、秋の改正は実現しなかった。

 猪谷地区から楡原中に通う生徒は午後五時四十分ごろに部活動を終え、同七時十分の楡原駅発の電車に乗るため、一時間余り校内で自習をして過ごす。秋以降、日没が早まり、クマ出没の恐れもあるため市教委は「対策が必要」とし、十月からのスクールバス導入を検討し始めた。

 楡原中の清水賢校長は「防犯面や生徒の疲労を考えると、できるだけ早く帰宅させたい」とバスを歓迎。ただ実現には運転手や運行予算の確保など課題が多く、市教委は「あくまで臨時措置」とする。

 下屋敏同校PTA会長は市教委から生徒に支給されているJRの通学補助、列車の高い定時性などを挙げ「ダイヤ復活を求める姿勢に変わりはない」と強調。JR西日本金沢支社は「社会実験について富山市と協議する中で、調整を図っていきたい」と話している。

北日本新聞ご購読の申し込みはこちらから

ページの先頭へ移動