埼玉県深谷市から生活保護費を不正受給したとして生活保護法違反罪に問われた同市上野台、韓国籍で稲川会系暴力団元組員、崔鳳海(チェボンヘ)被告(60)に対し、さいたま地裁熊谷支部は17日、懲役1年10月(求刑・懲役2年)の実刑、妻育代被告(44)には懲役1年6月、執行猶予4年(同・懲役1年6月)の有罪判決を言い渡した。
佐藤弘規裁判官は「大切な税金が暴力団の資金源になり、結果は極めて重大」と述べる一方、「市の対応が不十分だったことが本件を助長したことは否めない」と市の責任も指摘した。
判決によると、鳳海被告らは06年7月~07年10月、群馬県内の接骨院でマッサージを受けたと市福祉事務所に虚偽申請し、生活保護の施術費や交通費名目で計約220万円を不正に受け取った。
これまでの公判で、検察側と弁護側双方が市の対応を「不正とうすうす感づきながら調査を怠った」「違法行為を認識しながら見逃していた」と批判していた。【町田結子】
毎日新聞 2008年9月17日 22時25分(最終更新 9月17日 22時44分)