▽見直し検討受け住民
赤字が続く広島県立安芸津病院(東広島市安芸津町三津)の規模見直しの検討を県が表明したのを受け、病床数の削減などを懸念する住民らが病院の充実を求める署名を始めた。今月末までに集め、県へ提出する。
安芸津病院は町内と竹原市を主な診療圏とする地域の中核病院。近年は呉市の医療機関へ患者が流出するなどして利用者が減り、年間四億四千万円前後の赤字を出している。県は三月に「中核病院としての役割が低下しており、病院規模の見直しの検討を進める」などの方針を示した。
住民は病床数や診療科目が削減される可能性があるとして、このほど女性会や自治会などの約四十人が対応を検討。長期的な福祉・保健サービスの提供▽診療科目の充実と診療検査機器の更新▽医師や看護師らの充実―の三点を求める署名の実施を決めた。出席者からは「県にも金銭的余裕はなく赤字解消が必要」と病院側の努力を求める意見も出た。
署名実行委の曽根清二委員長(73)は「住民の意見を反映し、充実か現状維持の方向で見直しを進めて」と求めている。県県立病院課の三宅静香課長は「安芸津病院の経営体質は赤字。年度内に病床数などの規模の見直しを進めたい」としている。(治徳貴子)
【写真説明】安芸津病院の充実を求める署名について話し合う地元住民ら
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