オスロ(AP) 世界自然保護基金(WWF)は15日、北極海の氷が観測史上、厚さなど最小レベルになったとして、地球温暖化を食い止めるために、各国の政府が緊急に対策を講じることが必要だと提言した。来年12月にコペンハーゲンで開催予定の国連サミットで、温暖化ガス削減に向けた京都議定書に代わる合意が必要だとしている。
WWFは夏季における北極海の氷が、2年連続で減少し続けていることを指摘。特にこの夏は、観測史上最低レベルまで減少したとして、地球温暖化が今までにないスピードで進んでいると警告した。
北極海の氷は夏季に解け、冬季に再び凍結するサイクルを繰り返しているが、再凍結する氷が年々減少している。氷が減少すると、太陽光が反射することなく、水面が熱をより吸収し、さらに氷が凍りにくくなる悪循環に陥るという。
WWFは、地球温暖化が北極圏だけではなく世界的な危機であり、世界各国の政府が緊急に取り組む必要がある問題だとして、対策のため協力するよう呼び掛けている。