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企画特集

【地域医療はいま】

小児救急 立て直し案

2008年09月17日

【名古屋市・検討会】

●電話相談や補助拡充

 軽症患者が来院し、崩壊寸前の小児救急医療を立て直すため、名古屋市が設けた「救急医療のあり方検討会」が16日、報告書案をまとめた。市民への啓発活動や電話での相談事業を拡充し、2次救急輪番を担当する病院に報いるため補助金を上げる。

 2次輪番を担当する救急病院は本来、入院や手術が必要な重症患者を診る。しかし、小児科では9割以上が風邪など軽症で、結果的に重症患者の診療を圧迫していた。名古屋市内の場合、小児科の輪番参加病院はここ10年で23から14施設に減った一方で、患者数は倍増。現場の医師が疲弊し、輪番が埋まらない日が出る可能性が出ていた。
 小児科医や産婦人科医、市医師会理事らを委員とする検討会は4月に設置され、これまでに計5回論議した。
 報告書案によると、看護師が夜間に相談に乗る「子どもあんしん電話相談」(052・933・1174)の回線数を1回線から2回線に増やすことを目指す。昨年度は約3900件の相談を受け、9割が病院を受診しなくて済むなど効果を上げているが、実際には回線がふさがって約6900件の電話に応じられなかった。
 また、輪番を担当した病院への補助金の医師単価を増額し、小児科医は現在の約8万1千円から約8万4千円、産婦人科医は約7万5千円から約7万8千円に上げる。月12回以上担当する病院は30%加算など、回数による加算もする。9月市議会で補正予算案が通れば、4月にさかのぼり適用する。夜間の軽症患者から数千円を徴収する案は、今後の検討課題とした。
 検討会が設置された背景には、問題を市が放置してきたことがある。業を煮やした愛知県病院協会は3月、対策を講じなければ、名古屋第一赤十字病院(名古屋市中村区)の小児科の輪番担当回数を月14回から4回に削減すると通告していた。(岡崎明子)

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