【ソウル堀山明子】韓国の有力紙・朝鮮日報は16日、北朝鮮が今年に入り、平安北道鉄山郡(同国北西部)の東倉里(トンチャンリ)に建設中の長距離ミサイル発射施設でテポドン2号(射程6700キロ)とみられるミサイルのエンジン燃焼実験を実施していたと報じた。
北朝鮮は06年7月、咸鏡北道花台郡(同国北東部)の舞水端里(ムスダンリ)でテポドン2号を発射し、失敗した後もミサイル開発を続けており、テポドン2号の改良型の燃焼実験の可能性もあるという。
韓国政府の北朝鮮情報筋が15日、「米国の偵察衛星で把握された」と語った。実験場は数年前から段階的に建設され、来年にも完成する見通しという。同紙は実験時期は特定していないが、聯合ニュースは16日、韓国政府消息筋の話として「今年5~6月ごろ」に実施されたと伝えた。
東倉里の発射施設は今月10日、米シンクタンク「グローバル・セキュリティー」が衛星写真を分析し、「西海岸のポンドン里に新たに建設を進めている」と指摘した長距離ミサイル発射施設。韓国政府筋によると現在、8割程度の工程が建設された状態という。
北朝鮮が開発中の長距離弾道ミサイル。射程は3500~6000キロと推定される。北朝鮮から発射すれば米本土アラスカ州まで達することになり、米国の受ける脅威は格段に増す。98年8月の発射実験で日本列島を飛び越え三陸沖に落下したのは、テポドン1号(射程1500キロ)。
毎日新聞 2008年9月16日 19時15分(最終更新 9月16日 23時25分)