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冷凍食品用の「加工米」も不正転用 三笠フーズ

2008年9月17日6時56分

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 農薬などに汚染された事故米を食用に転用していた米販売会社「三笠フーズ」(大阪市)が、冷凍食品などにしか使えない割安の「加工用米」を主食用の米に混ぜ込んで販売していたことが16日、関係者の話で分かった。加工日などを記した報告書を偽造して国に提出していたことも判明。同社は事故米以外でも、不正転用を繰り返していた疑いも出てきた。

 農林水産省などによれば、加工用米は、主食用の米の流通量や価格を安定させるため、生産を調整する目的で栽培した米。使途は食糧法に基づいて定められた「米穀の生産調整実施要領」で「レトルト米飯」や「冷凍用米飯」などの加工用に限定されている。

 関係者によれば、主食用米に比べ、1キロあたりの単価が十数%安いという。加工日や数量を農水省に提出することが義務づけられ、指定された用途以外に使われた場合、業者はその翌年から加工用米を取り扱えなくなる罰則もある。

 同社は98年から、全国農業協同組合連合会(JA全農)を通じて加工用米を購入。九州工場(福岡県筑前町)に運び、主食用米にブレンドして精米し、近畿地方や九州地方を中心に、レストランやチェーンのすし店などの外食産業のほか、機内食製造会社に販売していたという。

 不正転用した量は年間100〜数百トンにのぼるという。さらに農水省には実際に加工したように見せかけた報告書を提出していたという。関係者は「加工すれば費用も手間もかかる。不正と知っていたが、利ざやを稼ぐ目的でやった。報告書を出すだけで国は調査にも来なかった」などと話している。(宮崎勇作、歌野清一郎)

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