現在位置:
  1. asahi.com
  2. 関西
  3. ニュース
  4. 記事

京料理「星お断り」 ミシュラン掲載に拒否や保留相次ぐ(2/3ページ)

2008年9月17日

印刷

ソーシャルブックマーク このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

写真京料理店が並ぶ通り=京都市中京区、上田潤撮影

 他の有名店数店でも、ミシュランは調査を進めているが、どの店も「各店が末長く共存していくことが大事で、一冊の本に優劣を付けられるのは納得いかない」「外国のタイヤ会社の評価を意識する老舗なんてないのでは」と違和感を抱き、各店とも撮影承諾のサインを拒否したり保留したりしている。「ミシュランの調査は行き詰まっている」(老舗の店主)との見方もある。

 京都府料理生活衛生同業組合の佐竹力総理事長は「数百年の老舗の仕事が駅伝だとすれば、1年ごとの評価を気にするのは100メートル走。とても一緒には走れない」と語る。

 日本ミシュランタイヤ広報部によると、昨年11月発行の東京版を皮切りに毎年アジアから1都市を選んで新版を出す予定という。担当者は「いくつかの都市で可能性を調べている」と暗に京都での調査も認めるが、「京都版を出すかどうかは未定」と話す。

 ミシュランガイドに関する著書もある料理評論家山本益博さんは「東京版では和食の三ツ星は3店だったが、京都なら15店はいくだろう」と見る。しかし、料理研究家の服部幸應さんは「ミシュランが掲載したい店の写真がそろわなければ、京都版は出せないだろう」と予想したうえで、「世界のグルメが和食を食べに日本に来る国際化の時代。観光都市・京都の名店がミシュランの評価をボイコットするなら残念な話だ」と語る。

 一方、京都出身のジャーナリスト有田芳生さんは「ミシュランの評価を受け入れない姿勢こそ、京都らしい対応ではないか」と話し、「京都に多い『一見さんお断り』の店は誰でも入れないのが魅力。かつて首相の来店希望を断った店もあり、各店にポリシーがある。同じ基準で評価するミシュランとは相いれない文化だ」と指摘する。(上田明香)

     ◇

PR情報
検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内
  • 近畿のお天気