栃木

　経営移譲問題を抱える塩谷総合病院（矢板市）などを経営するＪＡ栃木厚生連（鈴木宗男理事長）が、団体交渉で誠実に交渉を行う義務を果たしていないのは不当労働行為に当たるとして、同厚生連労働組合（竹澤昭執行委員長、組合員６７７人）は１６日、県労働委員会に対し救済を求める申し立てを行った。

　申し立てによると、労組側が０８年の春闘で、賃上げ要求など８項目の回答を求める団体交渉を厚生連と行ったところ、厚生連側は「原資がない」と繰り返すばかりで具体的な回答をしなかった。労組側が再度回答を迫ると「経営管理委員会に諮る必要がある」などとして、回答を拒否したという。

　労組側は「団体交渉には決定権のある交渉担当者が出席すべきだ」とし、「このような回答をする理事長には実質的に権限がないのも同じ」と指摘。経営管理委員会など、実質的権限を持つ組織から交渉担当者に選び、団体交渉に応じるよう求めた。【吉村周平】