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韓国政府、19日に不動産対策を発表へ

 韓国政府は「米国とは状況が根本的に異なる」としながらも、金融機関が住宅担保融資の状況を積極的にチェックするなど、不動産価格の急落に伴う米国型の金融危機が起こる可能性に備えて対策を急いでいる。企画財政部の関係者は16日、「もしもの状況に備え、比較的危険性の高い貯蓄銀行などに対するチェックを強化している」と述べた。

 政府の基本的な考えは「米国と韓国は状況が異なる」というものだ。米国は2003年に不動産価格が急上昇した際、金融機関がサブプライム・ローン(信用度の低い低所得者に対する住宅ローン)に積極的に資金を投入したことで、不動産価格全体の80%から90%に達する額が融資によってまかなわれた。しかし韓国は、住宅担保融資に対してはLTV(資産価値に対する負債比率)やDTI(債務者の年収に対する元利金返済の割合)などを適用し、担保となる物件の最大60%までに融資を制限している。不動産価格の変動が激しい投機地域の場合には、この比率がさらに抑えられている。そのため政府当局者は米国とは異なり、不動産バブルの崩壊により銀行などの金融機関が破たんするような事態はないとの立場だ。

 しかし政府は、最近地方で売れ残りマンションが急激に増加していることから、住宅建設資金に多額の融資を行っている貯蓄銀行の経営悪化に注目している。これら貯蓄銀行が資金を回収できず財務の健全性が損なわれる可能性があるからだ。政府は地方の売れ残りマンションを買い取るなどの積極的な対策について検討を行っている。

 とりわけ住宅景気の不振が今後も続けば、貯蓄銀行だけではなく一般の銀行による住宅担保融資の不良債権化の可能性も排除できない。そのため政府は住宅景気の活性化にむけて今月19日に総合不動産税改善案を発表するなど、さまざまな対策を打ち出している。また政府は「9・1不動産税制再編」を通じて1世帯1住宅の実際の居住者と、9億ウォン(約8200万円)以下の住宅に対する譲渡所得税を大幅に引き下げた。政府関係者は「住宅価格がさらに落ち込んだ場合には経済全体に大きな衝撃を及ぼす可能性がある。そのため譲渡税の引き下げだけでなく、総合不動産税の引き下げなどの対策も急いで検討している」と述べた。

16日朝、ソウル・パレスホテルでリーマン・ブラザーズの破たんに伴う経済不安に対処するための緊急の経済金融会議が、企画財政部の金東洙(キム・ドンス)次官(右から二人目)主宰で行われている。/写真=オ・ジョンチャン記者

金起勲(キム・ギフン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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