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トラブル連発…衝撃のリーマン日本法人ドロドロ錬金術

ライブドア騒動で“紹介者”と裁判ざた

 投資銀行であるリーマン・ブラザーズは、世界を股にかける金融プロ集団として知られる。日本で特に有名なのが、ホリエモンこと堀江貴文被告(35)=証券取引法違反事件で上告中=が社長時代のライブドアに企業乗っ取り資金を出したこと。ところがその一方で、詐欺師たちに手玉に取られる大失態も犯した。光と影が交差するリーマンの実像とは−。

 2005年に日本中を沸き立たせたものに、ライブドアによるニッポン放送の乗っ取り騒動があった。同放送株を買い占めた村上ファンド(すでに解散)の村上世彰被告(49)=インサイダー取引事件で控訴中=は、高値での売り抜けを狙い、堀江被告に同放送の乗っ取りをけしかけたとされる。

 ライブドアが同放送株を買い占めるための軍資金800億円は、リーマンの日本法人、リーマン・ブラザーズ証券が用立てた。その際に活用したのが、貸し手(リーマン)が確実にもうかる「MSCB」と呼ばれる転換社債だった。

 ライブドア株の株価が下がるほどもうかる条件で800億円のMSCBをライブドアから引き受けたリーマンは、「空売りでライブドアの株価を下げると、すかさずMSCBを株式に転換して売り抜け、150億円の利益を得た」(金融関係者)とされる。

 ただ大金が絡むと、とかくトラブルが生じる。

 「ライブドアにリーマンを引き合わせたのは経営コンサルタントの社長。ところが成功報酬をめぐり、リーマンとこの社長がケンカを始めてしまう。資金調達を考えている企業を紹介したら、取引額の0.5%を支払うという紹介契約を結んでいたため、社長は800億円の0.5%に当たる4億円の支払いをリーマンに求めたが、リーマンが引き合わせてもらっただけと支払いを拒否したため、裁判ざたになった」(同)

 これにより、M&A(企業の合併・買収)資金の仲介には巨額な成功報酬が動くという舞台裏がバレバレになってしまった。

 巨額な資金が右から左に流れるマネーの世界は、典型的なコン・ゲーム(だましあい)。リーマンは破綻前、詐欺師たちに一杯食わされている。

 リーマンを手玉にとったのは、医療再生事業会社の前社長ら4人。今年6月に詐欺容疑で逮捕された。

 4人は昨年10月、リーマンに大手商社、丸紅と医療再生事業会社が共同で事業を展開するように偽造した丸紅社長名義の稟議書などを示し、事業への出資を持ちかけ、371億円をだまし取ったとされる。

 「リーマンが医療再生事業会社と交わした契約は、リーマンが371億円を出資すれば、半年で402億円を償還するというベラボウな内容。年利に換算すれば25%という異常な高金利である。こんなヨタ話に、金融のプロであるリーマンが疑問を持たなかったのは不思議というほかない。リーマンはかなり荒っぽいマネーゲームをやっていたのだろう」と金融関係者は指摘する。

 元社員がリーマン日本法人の実像をこう明かす。

 「リーマンは際どい仕事が多く、社員は心身ともに極限状態に置かれることが多かった。他の金融機関からリーマンに来た人間は、数年ほど際どい仕事をこなして大金を稼ぎ、さっさと他の金融機関に移っていくケースが多かった」

ZAKZAK 2008/09/17

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